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両親からの贈り物
ちょうど楽しい5年生の冬が終わる頃
僕の住んでる街は芸者街から少しずつ
オフィス街へと生まれ変わろうとしていた。
隣りの座敷が土地を売ったのをきっかけに
母も長年切り盛りしてきた芸者座敷を辞め
料理屋だけで生活する決心をし土地を売った。
まだバブルの頃ですんなりと
一億円ちょっとで買い手が見つかった。
元々、商売にかけてやり手だった母は
その契約に数階のフロアの権利
店の改装資金など有利な契約をしていった。
中でも一番嬉しかったのは
設計は父に任せるという内容だった。
父は快く引き受けてくれ
ちょくちょく家に来ては作りかけの図面を拡げ
「ここをたかよしの部屋にするわ
で、ここが和室でお母さんがここな…」
とよく僕に話をしながら見せてくれた。
僕はその毎日がウキウキしてた。
父が頻繁に来てくれる事もそうだし
なにしろこのいろんな辛い思い出の詰まった
この家から逃れられる
そう思ったからだ。
でもそこである問題にぶち当たった。
未だに毎日アルコールに溺れ
毎日を荒れて生きている叔父を
ビルが完成するまでの約1年間
どうするかという問題だった。




