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血まみれの帰宅



叔父が家を出て行ってから


そろそろ8ヶ月が過ぎようとしていた。


それは寒さも覚える秋の晩の事だった。


僕は居間でテレビドラマを観ていた。


玄関先で飼っていた犬が急に


唸り声をあげたかと思うと


扉に倒れ掛かるように人影が崩れ落ちた。


「俺だー! 開けろー!」


それはもう訪れる事は無いだろうと思っていた


忘れつつあった恐怖の怒鳴り声だった。


全身血まみれで服もボロボロ


まるで浮浪者のように見えたが


それは紛れもなく叔父だった。


叔父の背中には


複数から堅い棒で殴られたような痕があった。


どうやらパチンコ店でもアル中になり


暴れてみんなから袋叩きにされて


寮を追い出されたらしかった。


叔父はしきりに


「あいつらぶっ殺してやる!絶対にだー!」と


繰り返し呻いていた。


そしてそんな傷を負ってるにも関わらず


母が連れて行こうとするも病院には行かず


風呂場で体だけを洗うと


何事も無かったかのように台所に座り


今は料理にしか使わなくなった一升瓶を


ラッパ飲みし始めた。


その日からの叔父は前より一層


酒と暴力をエスカレートさせていった。


まるで自ら全ての人間性を


捨て去ったかのように。

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