怒号と号泣
あの日以来叔父は
なんとか立ち直ろうとしていた。
その為に仕事をしようと求人広告を
探していた。
仕事が見つかるまで
座敷の準備片付け
そして町内会の会計係りと
家で出来る範囲の事はなんでもやった。
だがやはり幾度となく
周囲を裏切ってきた過去の事実
それが叔父を拒絶した。
みんなよそよそしく
どうせまた……と言う表情で叔父を
遠回しに見ていた。
そんな重圧に耐えられなかったのか
叔父は再び現実から逃れるように酒に溺れた。
そしてとうとう母にまで喰ってかかった。
「おいぶた!てめーみたいな女に
良く客が来るもんだなぁ!」
今思い出してもあまり書くのを
ためらうような罵倒を繰り返した。
最初は相手にしていなかった母だが、
やがて突然溢れだした感情に任せて
泣き叫び出した。
「なんでそんなに言われやなあかんのっ!
ここ私の家やで、私が皆食べさせてんねんで!
もういやや…ここ私の家やで…」
その泣き方はまるで幼い子供の様だった。
床に転がりながら狂った様に泣き続けていた。
原因を作った叔父も
横で居た僕もどうしていいかわからず
供に言葉を失った…。
やがて叔父が
「すまんかった。たかよし慰めたってくれ」と
言うと自分の部屋に入って行った。
いつもみんなに頼られて
一人で強く生きてきた母も
やっぱり一人の弱い人間だったんだなと
初めてその時気が付いた。
その分母に頼るしかなく非力な自分が
不甲斐なく思えて
ただ悔しかった。




