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5-2

1話大体5000文字から7000文字くらいなのに、書き上げるのに2週間は必要な不思議。

1週間どころか3日くらいで書き上げたいんだけどなぁ……


22/9/11 おまけ追加

 以前にアリアが言っていた事だが。

 暴徒を鎮圧させるには、視覚や聴覚を奪うと良いらしい。

 視界を埋め尽くす光や、鼓膜を破らんばかりの爆音。

 これだけでは抵抗の意志は奪えないが、混乱を創り出すことが出来る。混乱が広がれば、足を止められる。

 そして止まったその瞬間に、人力で鎮圧すればいいのだと。




 視界を埋め尽くす光の本流。何も見えない世界で、走馬燈の様にアリアの言葉を思い返す。

 咄嗟に耳を防げば、間一髪のタイミングで爆音が響いた。


「――――」


 来るぞ、と。そう言おうとしたが耳がイカレて自分の声すら聞こえない。耳を護った筈なのにこれかよ。どんだけの爆音なんだって話だ。

 これはマズイ、と思う間もなく。怖気に従う様に腕を頭上の上で交差させ、魔力で覆う。

 ほぼ同時に衝撃。

 先ほどまで魔力のレクチャーを受けたのが幸いした。籠手無しで今の一撃を喰らえば、骨が折れていたかもしれない。それほどの衝撃。


 ――――右っ!


 怖気と言うか、気配と言うか。

 眼が見えなくとも耳が聞こえなくとも、感じるそれに判断を委ねる。理論で説明できなくとも、今はこれに頼るしかない。

 相手も然るもので、俺の状況に構う事無く追撃をかましてくる。戦闘不能なんて優しいものじゃない。確実に俺を此処で殺すと言う判断。

 ……上等だ。

 目的は恐らく一佳の奪還だろうが、そう簡単に行くと思うなよ。











■ 妹が大切で何が悪い ■











 眼が見えない状態での戦闘なんて、当たり前だけど経験はない。精々がキックボクシングの対外練習中に、眼の辺りを腫らして見えにくくなる程度だ。見えにくくなる程度だから、完全に見失うなんてことも無い。

 だが分かる。

 相手の狙いが、次にどう行動しようと言うのかが。

 視認できなくても分かるのだ。


「『予見』様様だな」


 落ち着いて対処すれば難しくはあれど不可能な話じゃ無い。見えないのなら無理に見ようとはせず、気配に任せればいい。右からの攻撃、防げば同じ個所への追撃。避ければその先へ追撃。どちらにせよ、相手には攻め立てる以外の選択肢はないらしい。

 ならばと一撃目を受け流す。体重の乗った蹴り。その勢いを殺す事無く、僅かな力添えで身体に当たらぬ様に流す。

 だが敵も然るもので、そのままで無理矢理追撃をかましてきた。


「ったく、無茶苦茶してくれる……っ」


 いまいち体重の乗り切れていない追撃。無理な体勢によるものなのは間違いないくせに、よくまぁやれるものだが……そりゃ悪手だろ。

 追撃は蹴り。分かっていれば耐えるのも容易い。無理矢理出されたその足を掴み――――地面に叩きつける!


「っと」


 此方からこれ以上の追撃はしない。すぐに距離を取る。幾ら気配が分かるとは言え、眼が見えないままで戦闘をこなせる自信はない。

 それに、視界を潰されてから30秒は経過しただろうか。そろそろ回復してくれればありがたいが……


「っ!」


 一瞬。本当に一瞬だけだ。ネムの様子や他の襲撃者に意識を向けた、その瞬間。計ったかのように、予想外の方向から気配が急襲をかましてきた。方向は……今さっき叩きつけた相手から。

 胴体への一撃。幸い急襲方向へは半身でいたのと、腕を残していたおかげで、手痛い一撃とはならない。が……どういう耐久力だよ!?


「ッ!?」


 しかも追撃してきやがる。さっきの叩きつけが全然効いていないって事か?

 ありえない。相当強めに叩きつけたんだぞ。痛みを無視してそこまで突っ込んでくるか、普通?


「チィッ!」


 開いた眼。まだチカチカとするが、見えないという程じゃない。

 その視界に、小柄な体躯が映った。

 ネムと同じくらいだろうか。そして青みが掛かった頭髪。

 それは俺の牽制の拳を避けると、バックステップで距離を取った。

 同時に、目前に黒い影が降り立つ。


「無事、ですね」

「そっちこそ」

「貴方が影になってくれたおかげで、眼は無事です。耳も問題ありません」


 それは朗報だ。ちゃんと見えて聞こえるのなら、俺の様に遅れは取るまい。


「敵は?」

「襲撃は3体。貴方が対峙しているのが最も強いですね」

「3、か。賊関係じゃなさそうだな」

「はい。いずれも白色の、聖女が纏っているのと似たような服装です」


 それはよろしくない情報だ。服装から察するに、恐らくはイーリス聖教国関係者による襲撃。……イチカの事がバレている可能性が高いって事じゃないか。

 少しずつ視界が通常の色を取り戻していく。奇襲が失敗した事を受け、3人が距離を取って此方を注視しているのが見えた。右からスキンヘッドの巨躯、茶髪長髪の中背、そして青色短髪の小柄。確かにネムの言う通り白色の服を着ている。


「どう見ますか」

「まぁ、バレたと見るべきだろうな」

「遺憾ですが同意です。運が無いですね」


 運が無いのは重々承知だ。今まさに痛感していると事。いや、逆に考えれば、寧ろこんな世界観で無事に妹と会えたんだ。その幸運の揺り戻しが来てもおかしくない。

 で、さて、だ。

 十中八九バレたとみて……3人しか来ていないのはどう言う了見だ?


「相手は私たちと語るつもりは無さそうですね」

「仲良くするつもりは毛頭も無いってか」

「嫌われたものですね」

「面倒なことにな」

「で、どうしますか?」

「撃退するまでだ」


 何故一佳の事を知っているのか、何故此処にいるのを知っているのか、何をどこまで知っているのか。訊きたいことは山ほどあるが、そればかりを考えて取り逃がしてしまえば意味がない。無論、敗北なんてあってはならない。

 確実に、此処で、潰す。……いや、潰すじゃないな。殺す。

 絶対に息の根を止める。この情報を持ち帰らせるわけにはいかない。


「行けるか」

「愚問ですね」


 頼もしい事だ。顔を見なくても分かる。無表情に見えて、不敵な笑みを隠しているだけだろう。


「じゃあ、小さいのは任せた。デカブツと長髪は俺がやる」

「了解です。任せました」


 選手交代。相手をスイッチする。視界不良の状態で、小柄でスピードのある相手と戦うのは骨が多れる。ならデカブツたちの方が良いと言う判断だ。











 強いと言えば強かった。

 それは間違いない。

 だが、此方とシグレやラヴィアみたいな常識外れとの戦闘を経験しているのだ。

 彼らには悪いが、ここで躓いてはいられない。


「こっちは終わりだ」

「同じく」

「まぁ、容易いな」


 飛び出てきたアリアも加え、各人が1対1の様相を取る。俺がデカいのを、アリアが中背のを、ネムが小柄のを。

 決着は、早期に訪れた。

 ……訪れたのだが、


「両足を砕かれて、まだ折れないか」


 不屈の精神力、といえば少しは恰好もつくだろうか。だがそうだとしても異常だ。

 俺の目の前でデカブツは、砕かれた両足を地面に着けて、それでも尚も俺を睨み付けている。意思が折れていない。ここまでされて、尚も抵抗の意志を緩めない。

 戦闘自体も、自惚れを含んだ発言にはなるが、決して相手に勝算のある戦闘では無かった。悪いが、負ける気はしない。例えあと何戦やろうともだ。

 それはコイツも分かっているだろうに、何故そんな眼をしていられる?


「不屈と言うには、敵意が過ぎるな。……随分と嫌われたものだ」


 アリアが相手取った中背は、両足を消し炭にされていた。怪我の程度で言えば、間違いなくデカブツより酷い。にも関わらず、彼は同じようにアリアを敵意に満ちた眼で睨み付けている。


「恐れも無い純粋な敵意。浴びるのは久しぶりですね」


 ネムは斧を虚空に仕舞うと、手を叩いて溜息を吐いた。足元には斬り刻まれ、虫の息の状態の少女が転がっている。先ほど俺が相対した敵。表情は伺い知れないが、恐らくはネムを睨み付けているのだろう。


「こういうタイプは経験上何をしても折れない。情報を聞き出すのは難しかろう」

「だろうな。……面倒だ」


 ここまで敵意を浴びる様な事をしでかしたつもりは無いが……その理由を知ることは出来まい。彼らは呻き声すら上げない。ここから思いつく限りの責め苦を行ったところで、それこそアリアの言う通り、情報を聞き出せるとは思えなかった。


「確かイーリス聖教国には、対魔物への戦闘に秀でた部隊がいたな。彼らも、それか?」

「戦闘部隊?」

「ああ。確か名前は――――」

「部隊・天。でも、彼女たちは違うよ」


 第三者の声。

 ターニャだ。


「彼らは違う。そんな表向きの部隊じゃない」

「表向き?」

「うん。まぁ、清廉潔白を全面に出しているイーリス聖教国の、表沙汰には出来ない部隊ってところ」

「……魔族以外も含めた戦闘特化タイプの部隊、ってことか?」

「察しが良いね。その通り」


 ターニャは大きく息を吐き出した。大きな大きな、溜息。


「部隊・白天。イーリス聖教国に敵対する全て(・・)への迎撃部隊」

「全て、ね。……嫌な響きだな」

「まぁね。早い話が、邪魔な奴らへの殺害許可が下りている、イカレ部隊だよ」


 忌々し気に言葉が吐かれる。倒れ伏す彼らを見るターニャの眼は、何処までも冷たい。


「それこそ魔物や魔族に限らない。同じ人間や、或いはかつての仲間でさえもね」


 イーリス聖教国にとっての敵であるなら、その種別は問わないと。

 宗教の事など俺はよく知らない。だが時に人は、神を理由に争う。それは今までの歴史で、何度でも繰り返されて来た事だ。

 俺には神なんているかも分からない存在を頼りにする事が理解できない。神を理由に行動することが理解できない。

 だが彼らに、俺の理解など通用しないのだろう。


「……彼らが襲って来たって事は、状況はかなり悪いって事か」

「そうだと思う。……イーリス聖教国内で、何かが起きていると思う」

「何か、ね。仲間には連絡は付かないのか?」

「うーん……今のところは、まだだね」


 口にしながら、ターニャは倒れ伏す長髪に近寄ると、剣を構えた。

 そして――――振り下ろす。


「……そのイカレ部隊には、何人くらいいるんだ?」

「10人くらいだったかな」

「顔は?」

「何人かは知っているけど、頼りにならないよ。顔を知られると厄介だからって、任務ごとに整形するからね」


 ほら。そう言って、ターニャは刎ねた首を俺たちに向けて転がした。……死んだことで魔法の効果が切れたのか、顔つきが老いて、皺が刻まれていく。先ほどまでよりも、ひと回りは年齢が老いただろうか。


「狂信的だな。厄介なことこの上ない」

「生かしておくだけ無駄だよ。こいつらは吐かない。神様がずっと見てくれるから大丈夫だって思って、自分で思考することを放棄した不良品だもん」


 酷い言いようだが、ターニャの言う事を否定する気はない。こいつらの出自がどうあれ、邪魔になるのなら排除するだけだ。

 俺は傍の大男の頭に狙いを定めて、足を振り下ろす。せめて苦しまない様に、一撃で終わるように。魔力を込め、地面を陥没させるくらいのつもりで、頭を潰す。

 ぐちゃりと。

 嫌な感覚が、足を伝った。


「……とりあえず、マイナス3ですね」


 ネムも魔力を使って、青髪の首を斬り飛ばす。転々と首が転がり、勢いが止まるころには白髪へと変わり果てた。顔には大分皺がよっていて、かなりの年配だと言うのが伺い知れた。とんだ若作りである。


「このままここに残るのはマズイですね。場所を変えるべきでは?」

「そうなんだけどさ……まだカタリナから連絡来ないんだよね。こっちから魔力の波長を変えて合図を送っているのに、全然応答しないの」


 ガシガシと。ターニャは乱暴に頭を掻きむしると、盛大に溜息を吐いた。

 カタリナ。まだ来ない仲間。俺としては……まぁ、あまり歓迎がしにくい仲間。

 というか……


「本当に来るのかねぇ……」


 ぼそりと。思わず口から心の内が零れる。慌ててターニャの様子を伺うが、聞こえていなかったのか、全く気にしている様には見られない。


「気持ちは分かるぞ。まぁ、怪しいのは彼女だな」


 ……アリアにはバッチリ聞えていたらしい。ターニャには気づかれぬ様に、声を抑える。


「襲撃が出来過ぎている。何故秘密の場所を知られているのかと言う話だ」

「あぁ。この場所はヴァネッサたちが用意したんだろ。何故彼女たち以外が知っているのか……疑いたくは無いが、怪しいのはカタリナとしか思えん」

「理由は想像つかないが……可能性の話をするなら、そうなるな」

「本命は情報が漏れた。対抗がカタリナの裏切り。そんなところだな」

「後者は最悪のケースだな。逃げおおせても、私たちの指名手配扱いは免れまい」

「あぁ……最悪だ」


 シグレに全ての罪を被せる。元々犯罪者として汚れた面だ。それを汚したところで変わりは無い。

 だがその策が失敗したとなれば、話は大きく変わる。この世界の殆どが敵に回ることになれば、今後の行動に支障をきたすのはまず間違いない。それに帰るだけの俺らや、元々魔族のネムならまだしも、残るであろうアリアやターニャにとっては今後の生活の話が有るのだ。


「ったく、次から次へと……全く解決しないな」


 呆れを隠せず、溜息に乗せる。溜息を吐くと幸せが逃げるとはよく聞くが、今の気分的には溜息くらい自由に吐かせてもらいたいものだ。











 カタリナを待つよ。

 流石に一佳やターニャの前で彼女の裏切りの可能性を言う訳にはいかず、やんわりと拠点変更を申し出てみたが、返答は先の一言に集約されていた。

 仲間を待つ。

 まぁ逆の立場であれば俺も待つだろうから、そこは強くは言わない。一佳には一佳の、ここまで培ってきたものがあるのだ。


 とは言え、黙って襲撃の可能性を放置する訳にも行かない。


 ならばと俺とネムは、2人でこの周囲の探索に出た。万が一の場合の逃走ルートの把握。近隣の状況の偵察。ただ待っているだけよりも、やることは幾らでもある。


「このまま真っすぐで、一旦森を抜けます。あの隠れ家に行く際に使ったルートですね」

「俺でも分かるくらいに踏みしめられた跡があるな。……ターニャたちは結構な回数を出入りしていたのかな?」

「物資の確保等を考えれば、往復回数は増えるでしょう。この痕跡も注意深く見れば分かる程度ですから、気にしていない可能性もありますね」


 何度も踏みしめられ、草がそのルートだけやや生えが遅い。ネムの言う通り注意深く観なければ分からないが、逆を言えば素人目にも判別可能とも言える痕跡。ラッツの様な専門的な知識や経験が無くとも分かってしまう。

 ネムの言う通り痕跡を辿って真っすぐ歩くと、視界が開けて街道へと出た。平時であれば多くの人々が通るのだろう。草の生えない道が、人の往来の多さを物語っている。


「右に進めばイーリス聖教国ですね」

「そうか……」


 拠点から此処まで、30分も掛かっていない。ゆっくりと歩いたにもかかわらず、だ。知らなければ難しくても、相手方が見つけようと思えば、あの拠点は見つけられなくもない。


「見られていた可能性もある、か……」

「そうですね。まぁ、長くは留まれそうにないでしょう」


 シグレが暴れ回った今のイーリス聖教国に、人海戦術を用いてまでして、一佳を取り戻そうとする余力があるとは思えない。たったの3人しか来なかったのがその証明だ。

 だが、信徒の意見が一佳の奪還に向けば、その限りではない。熱心な輩が数にモノを言わせて向かって来れば、俺たちでは圧倒的に手が足りなくなる。ならばその前に逃げるべきだ。

 何せ相手は、敵を殺す事を考えたイカレ部隊なのだから――――


「……?」


 ふと。引っ掛かりを覚える。

 イカレ部隊の事。ターニャの言う通りなら、奴らは敵を殺すために編成された部隊。イーリス聖教国の敵に対する部隊。

 ……なら、何故ターニャを見ても敵意を剥き出しのままだった? ターニャは行方不明になっただけじゃないのか?


「……待て」


 そうだ。待て、思い過ごしにするな。思考を続けろ。

 そもそもの話、例え俺たちが入るところを見られて、何故敵と断じられる? 怪我人の介抱とは見ないのか? それにあの拠点には一佳もいる。仮に一佳の救出が目的だとしても、アイツの聖女と言う位を考えた時、あんな派手な爆音を立て、無暗に危害を加えかねないような真似をするか?

 ……幾ら何でも考えなしが過ぎる。一佳の身に何か起きたらどうするつもりだ。それろも聖女なら何をしても死にはしないとでも思って――――


「……どうされました?」


 ネムがのぞき込んでくる。俺の眼を。思考を。そして繋げられた魔力の線から。

 一瞬、迷う。迷うが、迷う時点で俺の中で隠し通せることでもないという証明だ。何より、もう勘付かれている。ネムは勘付いている。


「ネム。俺が考えている事、分かるよな?」

「ええ、勿論」


 ネムは笑った。それはそれは不敵に笑った。俺の考えを見透かし、その意図を理解し、肯定を彼女はする。


「貴方の考えが正しければ、イーリス聖教国の面々は実に悪辣という他ないでしょう。ただただ、開祖の主に同情します。今の聖女と、貴方へも」


 ネムの嘲るような言葉。人間と言う種に対しての皮肉。そして最後に、僅かな憐憫。

 ふと思い出す。一佳を探してあの建物内を歩き回っていた時に、見つけた日記。内容はあまりちゃんと覚えていないが、身を捧げるとか生誕とか、不安を覚える記述があった。

 先の表沙汰には出来ない部隊と言い、省みない襲撃と言い、あの国の信仰とやらには薄暗い影ついているようにしか思えないのだ。

 それこそ例えば、人の命を贄とするような何かが――――


「……ところで、また(・・)お客さん(・・・・)のようですが」

「盛況だな。全く」


 ボコりと。地面が隆起する。隆起して、中から白色の服をまとった(さっきの奴らと同じ)人が出てくる。

 手には、槍。

 その槍を掴み、次の行動に移られる前に、そのまま相手ごと地面に叩きつける。


「どうしますか?」

「どうせ吐かないだろうしな。……コイツに止めを刺したら、すぐ加勢する。先、任せた」

「ええ。それでは後処理だけ宜しくお願いします」


 心を凍り付かせる。同情しない。憐憫も抱かない。

 この期においても俺を敵意に満ちた眼で睨み付けるそいつが。


「殺してやる、クソ野郎」


 ……たとえそんな真正面から罵詈雑言をぶつけられようと、俺のやることは変わらない。


「そのまま返すよ、クソ野郎」


 圧し潰すイメージ。それを足の裏に乗せる。

 今の俺は生産性の無い奴に構っている余裕は無いんだよ。




■おまけ


部隊・天

イーリス聖教国が保持する戦闘部隊。対魔物への戦闘に特化している。表向きな舞台の為、一佳やターニャやカタリナも属している事になる。


部隊・白天

イーリス聖教国にて日夜訓練に明け暮れる戦闘特化タイプの部隊。特に対魔物への戦闘に特化しているが、暴徒や賊などの対人戦もこなすし、暗殺などの仕事も行う。作中にあるように、清廉潔白なイメージを損なわない為の、イーリス聖教国の裏のツラ。


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