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悪になりえない麗しの華~贖罪
牢獄に居るのはあの愚かな娘。許可は得ている。贖って貰わなければ・・・私の思考はそれだけだった。暗い石造りの階段を降りて行く。この先に愚かな娘が居るのだ。私は私の怒りをぶつける為だけに暗がりを歩く。お嬢様は関係無い。これは私の誇りを否定した者への報復である。辿り着いた先に居た娘は一気に老け込んだようだった。思わず吹き出す。こんなのがお嬢様に対抗しようとしていたのか。全くもって愚かしい娘だ。お嬢様の素晴しさを欠片も理解していない。もう充分な報いを受けているように見えるがそれで私の怒りが治まる訳では無い。さて、どうしましょうか。




