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真実の美、醜悪の華~苛立つ
男爵令嬢は何時からか私の恋人だと嘯くようになってしまいました。あぁ、そのような事は有り得ませんよ。安心して下さい。私が愛しているのは美しい彼女だけですから。それなのにその令嬢の厚かましさと言ったら・・・申し訳ありません。少々、口が悪くなってしまうかもしれません。令嬢は淑女としてあるまじき振る舞いと好意を押し付ける傲慢さに辟易としました。彼女と比べるのも烏滸がましい存在です。その存在が彼女を害そうとしたのに気付くのが遅れてしまったのは私のミスでしたね。お恥ずかしい事です。