後書き・創作メモ
『魔王と花嫁のディスタンス』、いかがでしたか?
魔王と花嫁という王道の組み合わせで、少し変わったお話を書こうと考えてみたらこうなった、という物語でした。こそこそした魔王も新しいかなって(笑) それに、魔王って誰にとっての「魔」王なんだろう? ということも以前から気になっていたので、盛り込みました。
少し困ったのは、「魔王城」ですね。いわゆる魔王城のファブリック類を誰が作っているのかなんて、今まで考えたことなかったし、ましてや汚れたらどうするのかなんて(笑)。汚れようが破けようがそのまま、って感じ、しますよね。
書いているうちになんとなく、イドラーバの住民は基本的に無頓着で大ざっぱ、自分たちが使う部屋や物だけきれいにしてればいいか……というイメージで落ち着きました。他国からのお客も基本的に来ないしね……主塔の階段も崩れっぱなしという……
オリーヴの故郷フォッティニアは、実は別のお話に出てくる国です。「短編で遊ぶ森」収録の、『はよ帰れ、異世界トリッパー』。たくさんの神様がいる国で、その一人が予言の神だったのでしょう。
それと、イドラーバの民の故郷である黒枯の森は、別の国では常闇の森と呼ばれています。竜人の住む森……はい、別作品『冷たく甘い契約』ともつながりました。森とその向こう側が、あのお話の舞台、ってことにして下さい。
オリーヴが染み抜きに土を使う、と言っていますが、これはローマ時代の「漂白土」とか、あと日本の「酸性白土」という粘土をイメージしています。後者は油脂分などを吸着する性質を持っているそうで、明治時代の記録があるとか。脱臭もするようで、ペットのトイレ砂とか様々な用途に使われてます。中世ヨーロッパでは、染み抜き用の土を売り歩く商売もあったそうです。
他にも、洗濯や染み抜きに使う物をいくつか調べて書きました。アンモニアとかはさすがに書くのやめた……
オリーヴの着ているイドラーバのドレスは、Twitterで流れていた写真を見て書いたんですが、後からちゃんと調べたらテレノール・ブライダル・クチュール・ファッションウィークというパキスタンで行われたイベントの写真でした。興味のある方は検索するか、Twitterアカウント「@TBCWOfficial」をご覧になってみて下さい。エキゾチックなドレスがたくさん見られますよ!
あと、机に本が置かれている図書室は、飯田橋の印刷博物館で開催された『ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ』と、そこで見た教皇庁図書館のプロジェクションマッピングのイメージです。あれは素晴らしかったなぁ。
お互いに勘違いをし、すれ違いながら少しずつ近づいていく二人を、それぞれの視点で描いていくのはとても面白かったです。時間や場所をわざと少しずつずらしたので、多少話が前後してしまいまして、読みにくかったらごめんなさいでした!
それではまた、別のお話で……




