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maximum online  作者: ノイサジイマ
第一章 maximum online
8/9

7

俺は、女のこの肩をつかみ、

「もういちど、もう一度名前を言え。」

女の子は、ビクッと体を震わせた。

「に、西村幸恵です。」

「ちょっと、どうしたのカズキ君?」

「両親はいるのか?」

「い、いえ。両親は死んだって。お兄ちゃんもいたらしいけど死んだって育て親に言われた。」

「そのお兄ちゃんの名前はわかるか?」

「た、確か、一喜だったと思います。」

やっぱり―――――

「えっ?それって、カズキ君?」

「幸恵。俺の事覚えてるか?」

「えっ?その呼び方・・・・お兄ちゃん?」

「そうだ。そうだよ。幸恵。」

俺は、我慢できなくなり幸恵に抱きついた。

「嘘っ?カズキ君に兄弟がいたなんて・・・・」

「おにいちゃん。お兄ちゃん。」

俺は泣いた。恥を捨て、人前で泣いた。

「幸恵。今までどこにいたんだ?」

「私は、育て親の家で暮らしていた。あ、お母さんは?私はお母さんと積み木の勝負でまだ負けたままなのよ。」

「幸恵・・・・遅い。遅いんだよ!」

強く言ってしまった。幸恵が悪いわけじゃないのに・・・・・

「えっ?まさか・・・・・」

「母さんは死んだよ。父さんも。火事で死んだ。」

「嘘・・・・・・・」

幸恵は、俺の腕の中で崩れ落ちた。

気絶してしまった、幸恵を俺達が借りている宿へ運んだ。

優しくベッドに寝かせた。

アイカが、気まずそうに声を出す。

「ねぇ、カズキ君。妹さんや両親の事を教えてくれない?」

「分かった・・・・」

俺は、つぶやくように話し始めた。

「幸恵は、俺が5歳の時に誘拐されたんだ。その1ヵ月後、警察が家に来て、妹さんが死んだって知らされた。

そん時はおれ、小さくてさ。死んだって意味が分からなかったよ。はは。」

俺は、自虐的に笑った。

「そいで、父さんと母さんは、誘拐した犯人を見つけようとしたんだ。犯人がわかってきた頃には俺が6歳になっていた。弁護士と相談して裁判を起こそうとしていた。その次の日、父さんと母さんは、火事で死んだよ。

警察は事故だって言っているが、殺されたんだ。母さんはその日の朝、俺を無理やり友達の家に遊びに行かせた。たぶん、分かっていたんだろうな。殺されるって。」

話し終えた俺は、もうどうなってもいいと思い始めていた。

「そう。そうだったのね。」

アイカがそう言った時、幸恵の目が少し開いた。

「幸恵。もう大丈夫なのか?」

「うん。」

幸恵は、ゆっくりと体を起こした。

「私がここになぜいるか分かる?」

幸恵は、突然そんなことを聞いてきた。

「いや。」

「このゲームはね、私の育て親が開発したのよ。」

「なんだって?おい、アイカ・・・もしかして・・・・」

「幸恵ちゃんが言う育て親が、誘拐犯でカズキ君の両親を殺した人だったとしたら・・・・この世界に閉じ込めたのは、その人かもしれない?」

「そうだ!そうだったのか。アイカ、『西の白虎』が言っていたことを覚えているか?」

「確か・・・『この世界におまえ達を閉じ込めた奴は、何よりも強いぞ。』だっけ?」

「そうだ。やっぱりこの世界から出るには、そのこのゲームを作った奴を倒さなければならないんだ。」

「あの、私、よく分からないんだけど。」

俺達は、幸恵に今までにあったことを説明した。

「よし。俺達で、この世界に閉じ込めた奴を倒すぞ!」

俺と、アイカと、幸恵の手が重なった。

「「「オ――!」」」

「俺達は、もっと強くならなければいけない。一緒に頑張ろう。」

「後2人、仲間に入れなくちゃね。」

「それは、レベル上げている時に会ったプレイヤーに、声をかければいい。」

俺達は、明日からのレベル上げのために、今日は休むことにした。

部屋に、ベッドは2つしかなかったから、俺はソファで寝た。



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