表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
maximum online  作者: ノイサジイマ
第一章 maximum online
7/9

6(追憶)

「遺体は見つかりましたが、腐敗がひどく本人かは確認できませんでした。すいません。」

「そ、そうですか。でも、でもなぜあの子なのです?あの子は、あの子はまだ、生まれて4年しか経っていないのに。世界を見せてあげたかった・・・・」

「残念ながら、犯人は見つかっていません。」

小さな男の子は、無垢な表情でお母さんに尋ねた。

「ねぇ、お母さん。幸恵が帰ってきたの?1ヶ月前から帰ってないから、僕心配だよ。」

「幸恵はね、遠い遠い所へ行ったんだよ。もう戻っては来ないの。」

玄関先で、警察の報告を聞いたお母さんは、子どもの前で泣くのは我慢しようと必死で涙をこらえていた。

また来ます。そう言って、警察が出て行った玄関の扉を閉め、男の子を2階に連れて行き、ベッドに寝かせた。

1階のソファで休んでいたお母さんは、玄関の扉のかぎが開く音にきずき、目を開けた。

「ただいま。今日の仕事もハードだった。」

入ってきた男は、来ていたスーツを脱ぎソファにおいた。

「あなた、お帰りなさい。」

いつもと違う妻の様子に気づいた、男は何があったのか尋ねた。

「幸恵の、幸恵の遺体が発見されたわ。」

男は黙って、妻を抱き寄せた。

「なぜ、なぜあの子なの?何も悪いことはしていないのに、なぜさらわれなきゃいけないのよぉ」

今まで我慢してきた涙が、あふれてきた。

「犯人を見つけような。そんな奴がこの世にいたらまた、誰かがさらわれるかもしれない。」

そう決意した男の目にも、うっすら光る涙があった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ