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maximum online  作者: ノイサジイマ
第一章 maximum online
3/9

2

「うぉ!これが俺なのか?」

俺は、NPCの店にあった鏡で、自分の姿を見ながら自分の体を触ってみる。

現実世界と全く同じ顔、体格である。

これが、仮想世界だとはとても信じられなかった。

横を見ると、野口も鏡を前にして驚いている。

「野口。これからどうするんだ?っていうか、これはどんなゲームなの?」

俺はこのゲームをはじめるとき、チュートリアルをとばしたのでこのゲームがどういうのかさっぱり分からなかった。

「このゲームが何で反響を呼んだか分かる?」と、野口は首を傾げて可愛らしいポーズをしながら言った。

現実世界なら決してそんなポーズはしないだろう。

「いや。まったくわからん。」

この前テレビでマキシマムオンラインの宣伝をやっていたが、その時は自分がオープンβに参加するとは思っていなかったので、しっかり見てなかったのだ。

「このゲームは、魔法は使えないけど超能力が使えるの。人間にはない才能だけど鍛練すれば使えるようになるらしいわ。」

「へぇ。そりゃすごい。」


俺はメニュー画面を開くため、《Open menu》と発音する。

ホログラムでできた、青色のメニュー画面が目の前に現れた。

一番上に、<メニュー>と書いてあり、その下に、カズキ Lv1とかいてある。これが自分のレベルなのだろう。真ん中にHPバーがあり、左上にはスキルセットメニュー・右上には職業セットメニュー・右横にはクエストメニュー・左横には持ち物メニューがあった。

スキルメニューをクリックすると、メニュー画面の上に新しいホログラムで、出来たスキルセット画面が現れた。

初期設定のものなのか、<テレパシー>が設定されていた。

スキルは、使った分だけスキルに経験値がたまり、一定以上になるとレベルアップするらしい。

だが、スキルを使った時、失敗か能力どうしがぶつかり負けた時には、経験値は入らないそうだ。

<テレパシー>とは、電話みたいなものみたいらしい。これは、全てのプレイヤーが持っているスキルだそうだ。

あと、職業というものがあるらしく、【生産職】か【戦闘職】のどちらかに分かれるらしい。

【生産職】は、おもに何かを作る仕事らしい。これはやめておこう。

せっかくVRMMOに来たのに戦闘しないなんて嫌だからな。

【戦闘職】にしようと思うが【戦闘職】の職業は<侍><騎士><盗賊><狩人><忍者><超能力者>だそうだが、始めは皆<超能力者>を選ぶらしい。

スキルは、職業レベルが上がるにつれランダムで出てくるらしいのだが、<超能力者>はスキルの発生で確実なものがなく、レベル50まで一回もスキルが出てこなかったプレイヤーもいるそうだ。

だから、始めは<超能力者>を選ぶプレイヤーのなかの、70%は違う職業に転職するらしい。

それでも俺は、<超能力者>を選ぶことにした。

超能力だぜ?男なら一度使ってみたいと思うだろ?男のロマンだぜ!

職業カードは1回だけ職業メニューで選べるらしいが、転職するには始まりの町の『転職屋NPC』でこの世界の通貨(ガルという通貨)で買わなくてはいけないらしい。それも、ものすごく高価なのだそうだ。

俺は、スキルメニューを閉じ、職業メニューをクリックした。

『【戦闘職】or【生産職】』と表示され、【戦闘職】をクリックする。【戦闘職】一覧が表示される。

一番下にあった<超能力者>をクリック。『<超能力者>でよろしいですか?YES or NO』が表示され、迷わずYESをクリック。

突然、目の前に表示されていたメニュー画面が消え、自分の体が光に包まれた。

光が収まると、自分が着ていた服が変わっていた。これが超能力者の初期防具なのだろうか?

「あ、一喜君、職業、<超能力>にしたんだね?」野口がこっちを見てそういった。

「何故分かった?」

「その服、超能力者の初期防具だもん。」

ふと野口に目をやると。黒い水着をはいていた。

「お、おまえ・・・何だその格好?」

「あんまり見ないで・・・恥ずかしいから」

野口は、赤面しながら言った。

「これは、忍者の初期防具なんだよ・・・」

野口は、自分を守ろうとしているかのようにうすい胸を腕で抱いた。

ということは・・・あれは・・・・で、伝説のクノ一なのか・・・これぞ男のロマンだ―――!!

神様、感謝します。マキシムオンラインに当選させてくださって感謝します。

えっ?水着と一緒じゃないか?何を言っとるんだ。ただ、パンツを見るのもスカートの中から見るか、ただパンツだけをはいているのを見るか、その違いと同じだよ。

「一喜君?どうしたの?」

俺は、我に帰った。おっといけない。素を出してしまった。

ふぅ・・・深呼吸。

「何でもないさ。そうだ。今は俺の名前はカズキだぞ。」

「そっか・・・私はアイカね。」

な、なに?野口はそこまでして俺に名前を呼んでほしかったのか・・・ふふん。そんなに俺のことが好きなのか。わはははははははは。

「カズキ君?どうしたの?」

おっと、いけない。また、素が出てしまったな・・・

ふぅ、深呼吸。

「アイカ。これからどうするんだ?」

そう、さっきからNPCがこっちを見ているのだ。

それもそうだろう。鏡の前にずっといるのだから。

「うーん。まずは武器をもらわなきゃね。」

アイカはそう言って、NPCの店を出た。

慌てて俺も後を追う。

「武器ってもらえるのか?」

「一人一回だけ、武器をもらえるのよ。」

しばらく歩くと、草原に出た。メニューを呼び出しマップを見てみるとここは、始まりの草原と言う名前の草原らしい。

町と草原の境目にNPCが一人立っていた。NPCはこちらに気がつくと話し掛けてきた。

「君がほしいものは武器かね?それとも武器かね?」

えぇ―――、なにこのNPC。いや、これどっかで聞いたことがある話だし。っていやいや、武器か、武器って・・・

「武器をください。」

うぉ。野口が真顔で答えたー。

NPCの割に表情豊かで、野口が真顔で返してきたことで拗ねてしまったらしいのが顔で分かる。

いやいや。ご丁寧に人指し指の先合わせないでいいから。

拗ねてしまっているNPCから、小型の剣を受け取り始まりの草原へと入った。

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