シロとクロ
「クロ、向こうには花 咲いとるじゃろか」
「…え?」
シロがぼんやりと庭を見ながら言った。
「ワシは生まれ変わったら花になりたいんじゃ。じゃから」
こちらに顔を向けてやせ細った顔でにっこり笑った
「…花なんて枯れるじゃん…やめときなよ…」
「そうじゃな、花になったら枯れる…けど また咲くことができる」
「なんで…」
あまりにシロが笑顔で言うからそんな言葉しか出てこなかった
「そんな顔をするな、そうなったらクロの傍にずっとおれるじゃろ?」
シロが泣きそうな顔で笑っている
僕も今同じ顔をしてるのだろう
「じゃから泣くでない」
そう言ってまた庭をぼんやりと見つめた
そしてシロは目を覚まさなかった。まるで眠っているかのようだった。
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数日後、いつもシロが見ていた庭には花がたくさん咲いた。
シロが好きな花たちだ。
その中に一輪だけ真っ白な花が咲いた。
「本当に花になるなんて…シロはバカだ。でも ずっとここにいるんだね」
真っ白な花は色とりどりの花に囲まれて笑ってるように見えた
「シロ、オレも、生まれ変わったらお前みたいな花になれるかな…」
真っ白な花は風に吹かれて揺れて風の音と共にシロに名前を呼ばれた気がした
分かりづらくてすいません!
シロとクロの話はこれで終わりです。呼んでいただきありがとうございました!