とある陛下の執務日和
「説教しました」のイケメン視点になります
**を見付けて連れてきてから一日が経った。
喋れない**の為に私は図書館からあいうえお表を持ってこさせて**に発音してみせるが……興味が無さそうだ。
聞いてないよ。**。
この国に子供向けの絵本はない。
さて、どうしよう?
**がよたよた歩きながら本棚に向かうが私の部屋には難しい本しかない。
それを見た**は落ち込んで戻ってきた。
あぁ……可愛いよ、**。
**に頬擦りしながら思う。
これは地道に教えていくしかなさそうだね。
私が至福の時を過ごしていると扉が蹴破られた。
入ってきたのは宰相で書類を手に持って怒っていた。
「陛下ァァァ!!いい加減に執務してください!!」
いつものように執務放棄をして**に構っていたら居場所がバレた。
**がいる前で怒らないでよ、宰相。教育に悪い。
私は私を見る**の気をそらすためにキスをする。
それが宰相の神経を逆撫でし、更に怒らせた。
「陛下ァァァ!!」
更に怒らせた宰相を見た**が宰相から書類を取り上げ、私に押し付けてきた。
……これはもしかしなくてもやれと?
ぺちぺちと叩いてくる**に私は悲しい顔をした。
せっかく**に会えたのに!!なんで執務なんかしなくちゃいけないの!?
私の悲しみを他所に**は私に書類を押し付ける。
**は頑固だからね。わかった、執務はするから嫌いにならないで。
**から渋々書類を受け取った私は宰相を睨み付けてから部屋を出た。
ここ数年開けてないない執務室の状況は酷いものだろう。
辿り着いた執務室の扉を開けると……扉の高さを越えた紙の山で埋もれていた。
私は見なかったことにして隣の扉を開けた。
すると、書類の積み上げ方が悪かったのだろう。雪崩が起きた。
私は**に被害がないように避けると**は私の腕から抜け出して数枚、雪崩の中から紙を取りだし私に差し出した。
いくら**のお願いだからといってこの量を片付けるのは……と思い、困った顔をしてしゃがみ**にキスをしようとした。
しかし、**は私の顔に張り手をした。
小さいので威力はないが、私の心にはクリティカルヒットが入り相当なダメージを食らった。
私は**に拒否をされた事が嫌われたと思い、**に泣き付いた。
「**!!嫌いにならないでー!!」
幼子に泣いてすがり付く私の姿はシュールだろう。
しかし、私にとっては死よりも重大な事!!
**に嫌われたら生きていけない!!
だから、嫌いにならないで!!
そういう思いを込めて**に泣きついていると頭を撫でられた。
それが嬉しくなり私は**を抱き開けて執務室に入っていった。
**に嫌われないために溜まっていた書類を全て片付けた。
途中から宰相が合流して私が執務をしやすいように整理していく。
その甲斐あって書類は夜になる前に終わった。
私は**を補充するように撫でまわしてキスをして頬擦りした。
そんな私を横目に宰相は大喜び。
**がいるなら執務をしなくもないよ。
そういう意味を込めた視線を宰相に投げると頷いた。
「そのお方を連れてきて構いませんので執務してください」
「良いよ」
宰相からお許しが出たのでこれから**と一緒に執務をすることになった。
こうして一日が終わり、**をお風呂に入れて出たら**が着替えをしていた。
なんで!?私にやらせてくれないの!?私が**の御世話したいのに!!
**に泣きつくと**は驚いた顔をしつつ、任せてくれた。
それに私は意気揚々と着替えをさせてベッドに入った。
愛しい愛しい私の**。
これからも私と共に。
眠る**にキスをし抱き締めて眠りについた。




