とある神の暇潰し
別視点でいつもより長いです。
俺は神。
ただ世界を歪め廃する神だがな。
そんな俺はとある世界に気に入った女がいる。
名前は**と言うらしい。
そいつは見た目も能力も対したことはない。
だが、何故か俺の直感が「こいつは面白い」と叫ぶ。
暫く様子を見ていたら、大国の第一王子に付きまとわれ始めた。
お?もしかして、逆ハーレムか?
なんて野次馬根性でのぞき……見守っていたら、第一王子以外周りに男が来なかった。
それに舌打ちをしていると一人の女が視界に映った。
あれは確か第一王子の幼馴染みの女だったはずだ。
第一王子が**にちょっかいをかけてスルーされているのを隠れて見ている幼馴染みの女。
幼馴染みの女の顔が醜く歪んでやがる。
どうせ「王子は私の物よ!!」なんて思ってるんだろう。
『なんであんな女に構うの!?あんな女より私の方が頭だって容姿だって良いじゃない!!許さない……私の**様を奪ったあの女が許せない……殺してやる!!殺してやる!!』
……女って恐ぇぇぇ!!
こいつ王子に振り向いて貰える自信ないんだな!!
それに幼馴染みと言えど恋愛に発展するとか思い込んでるのがすげぇな。
それから幼馴染みの女は第一王子に付きまとって王子が**に手を出さないよう妨害をする。
**は幼馴染みの女と第一王子のやり取りを見て顔を顰めた。
『私の前でいちゃつくな。鬱陶しい。消えろ。勉強の邪魔だ。さっさと失せろ。視界に入るな』
……本当に言葉が悪いな。コイツ。試験前で勉強が捗らないでイライラしてるのはわかるが、王子が泣きそうな顔してるぞ?って見てないか。
『……わかった。今日は引き上げるね。**、また明日来るからね』
『邪魔だ。二度と来るんじゃねぇ』
『……』
キツい、キツいぞ!!**!!
第一王子が大型犬にしか見えないぞ!!耳と尻尾が垂れてやがる!!
なるほどな。これは三角関係か。泥沼な展開になるぞ!!
第一王子はしょんぼりしながら**の前から去っていった。
当然、幼馴染みの女は王子に付いていった。
『**様にあんな暴言吐くなんて信じらんない!!**様、あんな女気にしないで私とデートしましょう!!』
『私に触れるな!!』
『え……?』
女特有の悪口に第一王子がキレた。
相当鬱陶しかったんだな。睨み付ける目力半端ないよ。
幼馴染みの女は呆然と第一王子を見た。何を言われたのか理解していない。
『お前は二度と私と**の前に現れるな。目障りだ。幼馴染みと言えど私の邪魔をするならば容赦はしない』
『……』
第一王子は呆然とする幼馴染みの女を気にせず言いたいことを言って去っていった。
暫く呆然としたままだった幼馴染みの女は第一王子の言葉を理解して顔を醜く歪めた。
『あの女!!何処までも邪魔するの!?許せない許せない許せない許せない許せない許せない!!あの女、殺してやるわ!!』
呪いの言葉を叫んだ幼馴染みの女は密かに進めていた計画を実行した。
幼馴染みの女の計画が実行されるまで時間がある。
それまで俺は**の方を重点的に見守る事にした。
相も変わらず第一王子は**に付きまとって邪険にされていた。
暴言を吐かれてまで付きまとうお前に感服だよ。俺。
知らないところで応援されている事に気が付かない第一王子は今日も**に刷りよっていた。
『**、愛してるよ』
『……』
**はジト目で第一王子を見て反応を返さない。
まぁ、反応すればするほど付け上がるってのを理解しての事だろうが、何もしないのも付け上がるだけだと思うぞ?
**の視線が外れ、中断していた勉強に戻ると第一王子の目が光った。
うん。**は集中すると周りが見えなくなるから、それを利用してセクハラするのはどうかと思うぞ?野郎の牽制くらいで指をしゃぶるのもどうかと思うぞ?
**を見ていた野郎共が顔を顰めて退散していった事に満足した第一王子が振り替えると笑みを浮かべて辞書を振り上げていた**がいた。
もちろん、**からの制裁を受けた第一王子は痛がっている時でも**を離さなかった。
俺は**を離さない王子の根性が気に入った。
**と第一王子をくっつければ面白そうだな。俺が。
ニヤニヤしながら見ていたら**が第一王子と別れた後、誘拐された!!
あの幼馴染みの女か!!
なんて、ワクワクしながら見ていた。
**は知らない男達に連れられ廃墟へ。
……あの幼馴染みの女、馬鹿だろ。
その廃墟がなんなのか知らないとかアホだろ。
**の事、徹底的に調べ尽くせよ。馬鹿が。
**が連れていかれた場所を見てテンションガタ落ち。
あーあ、王子にすぐ見つかるよ。
なんて思っていたら案の定。
廃墟の様子を見に来た第一王子に発見されて**は救助された。
これからって時に王子が来たから進展なしに捕まった哀れな男達。
恨むならあの頭が足りない幼馴染みの女を恨むんだな。
なんて思ってもいない同情をした。
『**、無事でよかった……』
『なんで登場が早かったの?』
『ここは私が購入した土地で建て直す為の下見に来たんだ。そうしたら、**が居たから凄く驚いた』
『ふーん』
第一王子の早い登場に**も不思議だったらしい。
まぁ、誰でも思うわな。
第一王子から回答を得た**は興味を無くしたようだが、この廃墟が気になるようだ。
辺りを見回してあることに気が付いた。
『あれ?ここって私の家?』
『そうだよ。国王が公爵と夫人を殺してから、ここは放置されていたんだ。それを私が買い取ったんだよ』
廃墟となっていたのは**の家だった。
**の家は元は公爵家であったが、国王が目障りだと言う理由で公爵家を滅ぼした。
その時、たまたま父方の祖父母の所に行っていた**は助かり、そのまま祖父母の元で暮らした。
第一王子の婚約者となる立場ならあの幼馴染みの女よりも上になる。
それを知らないのが愚かな幼馴染みの女の過ちだがな。
第一王子は**の事を心配してある提案をしていた。
『**、今日は私の元に来ない?今日の今日で誘拐はないと思うけど、念のためにね。家ならセキュリティ面は安全だしね』
『……お願いします』
『うん。じゃあ、行こうか』
ここで頷いたのが運のつき。
**は第一王子に付いて行ったが、コイツの心には邪心たっぷり。
さも当然のように言ってのけた第一王子の頭の中は真っピンクだった。
第一王子の家に付いて足を踏み入れた瞬間、**は監禁されて第一王子に犯された。
**が孕むまで毎日犯し続けた第一王子。
既成事実を作って諦めさせる気か。思いきったな。
そして、第一王子の思い通りに**は子を孕み嫌がる**を説得して結婚。
第一王子は王太子へと就任。
幸せな結婚生活になるんだろうと浮かれていた第一王子が目にしたのは王族による苛め。
それに第一王子は権力を最大に行使して**を苛めた奴を排除した。
だが、その苛めは貴族にまで広がり手の施しようがなかった。
その苛めに**がぶちギレる寸前にあの幼馴染みの女が姿を現した。
『良くも私の**様を盗んだわね!!』
『は?ストーカーの分際で何をほざく?あの馬鹿が欲しいなら誘惑して子でも孕めば良かったじゃないか。そうすれば貴様は王太子妃の座に居れたと言うのに。私に当たるよりあの馬鹿をどうにかしろ。付きまとわれていたのは私だ。被害者だぞ。ふざけんのも大概にしろよ。私が悪いのか?私があの馬鹿を誘惑したのか?ハッ!!アホらしい!!自分の都合の良いことしか見ない愚か者め!!現実を見ぬ奴等が王族とは国民が可哀想だな!!』
『許さない!!**様を侮辱するなんて許さない!!ここであんたを殺せば**様は私を見てくれるはずよ。だから、死になさい』
『そう。私を殺すの。だったら、殺せば良いよ。人殺しに振り向くほど愚かな王太子なら貴様を妃にするでしょうよ!!あの男の子を宿した私を殺すが良いさ!!』
『許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!』
アハハハ!!流石、**だよ!!まさか、こんな形で死ぬなんてね!!しかも自分で煽るなんて!!狂ったね!!**!!怒りと憎悪に狂ったね!!最高だよ、**!!
アーハハハハハハ!!
女に滅多ざしにされて原型を留めていない**の肉体はその場に放置された。
女は家へと戻り発見されるのを待つことにした。
そして、侍女により発見され、第一王子に伝えられる。
第一王子は急いで殺人現場まで行くとそこには変わり果てた**の姿があった。
『**!!』
第一王子は辛うじて解る**の顔を見て驚愕した。
**の変わり果てた姿に第一王子は泣いた。
ここまでは一般と変わらない態度。ここからどう転がるか、だな。
第一王子は佩いていた剣で**の首を切り離した。
『**、**。ごめんね、私が不甲斐ないばかりに……ごめんね』
第一王子は**に口づけを落とす。
騎士達が用意した棺に体を納めて第一王子は王宮に戻った。
幼馴染みの女は第一王子の呼び出しで王宮に呼ばれる事になる。
そして、第一王子による大量殺戮事件が起こった。
なかなか面白い結末になったな。妻を殺されて復讐に走る第一王子。そうすると、後追い自殺で終了か。
ん〜……**に見せてみるか。
俺は**の魂を呼びした。
「よ!!俺は神様!!お前の死に方良かったぞ!!自滅だ、自滅!!生きたいって意志を感じない上に相手を煽るなんてな!!アーハハハハハハ!!」
「……会った一言目に死に方を誉めるのか。それで神様とか……死ねばいいのに」
**を呼び出したわ良いものの、顔を見た瞬間思い出し笑いをしちまった。
あれは久々にツボに嵌まったぞ!!
大爆笑する俺が勘に障ったのか**が暴言を吐いた。
本当に口が悪い!!
「おまっ!!人が誉めてやったのにその言い種はないだろ!!」
「お前に誉められる意味がわからん」
俺が**に訴えても全く聞かない。
その態度がムカついた。
俺の短い気がぷちっとキレた。
「むっかー!!俺様怒ったもんね!!お前、なかなか面白かったから色々特典付けて転生だ!!もちろん記憶はそのままだ!!アーハッハッハッハッハッハ!!」
「ちょっ!?」
誉めてんだか貶してんだかわからない俺の言葉に驚く**。
ふふん。今更驚いても遅いんだっ!!
**に必要ない付属をたくさん付けて転生の輪廻に繋がる穴に**を落とした。
お前は二度と普通の転生はできねぇーよ!!
これからも俺の観察対象だ!!
「アーハッハ……あれ?今なんか付いていかなかったか?……まぁ、良いか」
開けっ放しになっていた転生の輪廻に繋がる穴に何かが入った気がした。
しかし、それがなんだったのかわからないのでそのまま放置。
わかったところで対処のしようがねぇか。
あ……目を離した隙に王子が服毒自殺した。
なんだ。つまんねぇ。俺が見てる時にやれよ。
やる気のない俺は**が転生されるまで他の人間で暇潰しをしていた。
……あ、そういや**の子供どうしよう……。そのまま、向こうで生ませるか。
すっかり忘れていた**の子供の件を思い出し、急いで手配する。
数十年単位で遅れたが気にしない。
だって、あの世界超長生き。その分、季節とか時間とかも長いけどな。
子供の準備とかしていたら**が転生する時期となった。
なので、覗いたら……あれ?なんで王子いんの?え?もしかしてあの時通ったのって王子!?執念から**を見付けたの!?転生の輪廻から外れてまで**が欲しかったのか!?すげぇな!!
あの第一王子が**に対する執念を発揮して転生した上に見付けやがった。
その執念に感服した俺は第一王子に**探知機を付けてやった。ありがたく思え。世界レベルの探知機だからな!!
そうして、俺は再び**の観察を始めた。
俺が飽きるまでお前達は俺の玩具だぞ!!泣いて喜べ!!
アーハッハッハッハ!!
主人公とイケメンの転生理由になりました。
イケメンに関しては魂レベルで主人公を求めていた為、主人公を追って知らぬ間に転生。
主人公に関してはある種の王道を辿っていたのにも関わらず、わき道に逸れて自滅したことが神に気に入られる要因となりました。
転生理由としてはこんな感じです。




