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モノローグ

 恋愛ジャンル初挑戦となります。

 普通の男子高校生の普通一目惚れに悩む日々を書いた青春物語となります。中編程度の連載となり、すでに完結まで書き終わってからの投稿です。


 読んで楽しんでいただければ幸いです。

 恋に落ちた。

 すってんころりんとすべり落ちた。

 どこかの教室への移動中、偶然見かけた男誑おとこたらしな横顔に目線が縫い付けられた結果、その辺りに打ち捨てられていたバナナの皮を踏んづけて足を滑らせてしまったのである。

 いや、バナナの皮が本当にあったかどうかはどうでもいい。ともかく落ちてしまった。

 ……二階から一階へ。


「生徒が窓から落ちていったぞ?!」

「保険……保健の先生を! い、いや、救急車を呼べ!」


 えらい騒ぎになってしまった――生還後が一番大変だった。恋に落ちただけだというのに、故意に落ちたのかと先生、医者、両親からしつこく詰問されてしまって疲れた。身投げする程に人生に切羽詰まっていないし、たぶん、人生に悩み始めるのはこれからではなかろうか。

 窓枠の向こう側にゆっくりと走馬灯のごとく消えていった彼女の顔はこちらを見ており、最後に目線が会った。天にも昇る気持ちとはまさにこの事。物質法則ごときに気持ちは左右されないのである。

 ギョっとカエルのように目を見開いた顔も可愛い……かどうかはおいておいて、目と目が会った事により恋に落ちた。



「うわぁ……決定的瞬間百連発の七つ目くらいを見た気分」



 残念ながら幸福の時間は続かなかった。気持ちはともかく物質法則に従った我が身は一階へと到達してしまい、意識を失ったからである。

 彼女はその後どうしただろう。


有紗ありさ、何か見た?」

「くわばらくわばら。早くここから離れないと」


 気持ちの上では彼女が俺を心配して七一一九番に連絡してくれた事になっている。俺を放置してどこかに去ってしまったなんて現実はありえない。

 それにしても、世の人々はどうして“恋に落ちる”と表現するのだろうか。

 落ちるという表現はネガティブなイメージを含んでいる。

 恋というポジティブな心理状態につけ合わせるのはおかしくはないだろうか。

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