◆竜との出会い
今回、少し短いです。
ピキッ、パキッと卵の殻が割れる音。
亀裂が卵に沿って入っていく。
そして・・・
─コトン
上半分の殻が落ちた。 中にいたのは・・・
「きゅぁー・・・」「キュルルル?」
2匹の爬虫類、否 竜だった。
「・・・これが竜なのか? まるで、でかいトカゲ・・・」
大人の猫ほどの大きさで、ツノやらなんやら竜っぽいものが。
竜はこちらをじっとみている。 こちらからも見返す。
2匹の竜はまるで正反対だった。 一匹は全体が光るように白く、あらゆる光を跳ね返しているような美しさだった。
だが、もう一匹は奥の奥まで染まっていそうな黒い体。
「おい、ルシファー! なんでお前が竜使いの契約・・・・、!!」
ハッと我に返ったロイは、ルシファーに疑問をぶつけようとした・・・・が、2匹の竜を見てまた、固まった。
「・・・な、なんで2匹も・・・!? こんな話、聞いたことないぞ!?」
「 ? 二匹じゃダメなのか?」
「ダメっていうか、これはどうしたら・・・。 というか、ルシファー忘れてたけどソレだいじょうぶか?」
ロイが指を指していった。 俺は、その先 ─腕を見た。
そこには、ぼたぼたと未だに血をあふれ続けさせる腕の傷があった。
「・・・ァ。 忘れていたな・・・・。」
気づいた途端にズキズキとした痛みが走る。 床には、あふれた血がつくった血溜まり。
目の前が暗くなったり明るくなったりする。 頭がグラグラする。
これは、もしかしなくても・・・・
── 貧血 ・・・?
俺は、また倒れた。
ルシファーは、しっかり者にみえて案外、鈍感です。
あまり、王宮の人たちが出てきませんね・・・。
まぁ、新しい人物はまた、お楽しみで・・・。