◇紅い瞳と深紅の瞳
最初だけロイ視点です。
分かりにくくてすみません。
『』内は、周りには聞こえないルシファーの内での会話です。
ルシファーが身じろぎをした。 急に倒れたときはビビったが、問題は無さそうでホッとした。
俺の言葉で傷ついてはいないだろうか?
「ルシファー!! おい!」
俺の声が広間に響く。 それと一緒にざわざわと広がっていく音。
ルシファーが起き上がった。
「・・・へぇ、ここが王宮の広間ね。見た目若干違うが、無駄に金を使ってるのは変ってないな。 あんたが王さん?初代とあんまり似てないのな。」
? それは、どういう意味だ・・・?
「お前、ルシファーなのか?」
俺は思わずそう声を漏らした。
いつもは俺の前でもほとんど取らないのに、こんな所でルシファーがフードを取った。
長い前髪の間から瞳の色がいつもの紅から もっと、深く暗い深紅に変った気がした。
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「な・・・ッ!? 紅瞳!? なぜ、このような者が竜に選ばれたのだ!?」
誰かが叫んだ。 ロイは、ルシファーが紅瞳だということを報告していなかった。
だが、ロイは紅瞳がバレたことよりも別のことを考えていた。
(ルシファーとは、違う口調。これは、ルシファーなのか?)
ロイは、妙な違和感を感じていた。。
「・・・ルシファーだ。 何を言ってるんだ、ぇーと、ロイ?」」
『それは、俺の真似か? やめろ。まったく似ていない。ロイの名前くらい覚えておけ! ・・・というより、早く返せ。』
ルシファーの内での会話。 当然、他の人には聞こえない。
「まぁ、待てって。真似はやめてやるから。」
『俺と話すときは声に出すな!俺が独り言を言っているように聞こえるだろう』
内のルシファーは、声を張り上げた。 だが、表のルシファーは十分聞こえるだろうソレを無視する。
表のルシファーの姿をした男は、ロイに向かって言葉を発した。
「なぁなぁ、この卵の親はどこだ?どっかにいるだろ。」
いることを知っているかのように話す。
「親? なぜ、俺に? 父上に聞けばいいだろう 」
一応、心配はするが頭の中は「?」がいっぱいだ。
「お前が一番知っているだろう? えーと・・・、ロイ=ナ=アルフィーナ?」
「 !! なぜ、その名を・・・!? まさか、最初から知って・・・?」
ルシファーはにやり、と口を歪ませた。 その顔は、俺の知っているルシファーじゃなかった。
まるで、別の人間が乗り移ったみたいではないか。
(なぜ、ルシファーが俺の本名を知っているんだ? それに俺と竜の関りなんて知らないはずなのに・・・。)
これは、何かおかしい。ロイは、少し考えて頭の中である決断を下した。
とりあえず、今の問題はルシファーを竜使いにすることが先決だ。
「・・・親竜に会いたいのなら竜使いにならなきゃムリだな。」
「そうきたか・・・。 ま、いいか。卵を貸せ。」
籠のようなものに入れられた卵を受け取るルシファー。 ソレを見つめるロイ。 広間のざわめきは、まだ消えない。
カツカツ、と歩き、ロイの腰にあった細い剣を抜いた。
「 !! 」
「ちょっと、貸せ。」
ルシファーは、その剣で己の腕を深く切った。 ボタボタと垂れていく血は、卵に向かって落ちていった。
ルシファーが口を開いた。
「我、ルシファー=ユーリの血において竜の契約を契る。」
それは、竜使いのなる為の契約の言葉。
卵から光が発せられ、あたり一面が暖かいクリーム色の光に包まれる。
人々の目が閉じられた。
ルシファーも少し遅れて瞳を閉じた。
『今日はここまででいいよ。竜使いのこと勝手にしてすまない。』
『・・・どういう状況か理解ができないのだが。まぁ、これもお前に必要なこと(・・・・・)なんだろ?』
『まぁ、な。じゃ、また後でな。』
あたりが元の色に戻るころには、ルシファーはルシファーになっていた。
目の前には、ひび割れた卵があった。
だいぶ、間が空いちゃいました・・・。
やっと、竜がでてきそうです。
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