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紅い瞳と竜  作者: みのり
第一章
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◇男と卵


家に着いた。 家といっても必要最低限のものと数多くの本しか置いていない。

ガチャガチャ、と鍵を開け、ドアを開ける。 俺の後ろには、ロイ。


「・・・おい、何でいる?」


苛立ちを抑えず、低い声音で言う。


「あぁ~・・・。 怒んなって! すまなかったっ!!」


パンっと目の前で手を合わせ、拝むようなしぐさをする。

まぁ、これで許すとは俺も甘い。 といっても、いろいろと手伝ってはもらうが。


「そういう意味じゃない。 なぜ、俺の家に来たのかという意味だ。」


「それはウソだろ! 絶対怒っていたぞ。 ま、いいか・・・。 まぁ、ちょっとね。 だが、お前の家って意外とでかいんだな! ちょっと、意外だぜ。 金持ちなのな。」


そういえば、家に来たのは初めてだったか・・・。 だが、ロイの方が金持ちだろうな。 服は、庶民のものと変わらないが、生地が高級品だ。


「おれは、金持ちじゃない。 早く中に入るぞ。 お前も手伝え。」


「へぇ、入れてくれるんだな。 で、何を?」


だって、入れないと言ってもお前は勝手に入ってくるだろう。 とは、言わない。


「昼飯の手伝いだ。 俺を巻き込んだ罰だな。」


「は!? まだ、怒ってンの!?」


「嫌そうな顔だな。 それで、帳消しにしてやるといっているんだ。」


「ハァ・・・。 お前って意外とケチ」


「なんか言ったか?」


「いいえ・・・。」


途中で話をさえぎってやる。

入り口で話していたので、歩を進めて中央のテーブルへ荷物を置こうとしたが・・・。



「 ? 」



・・・大きな卵。 普通の卵の何個分だ?と思わず考えてしまった。



「ん? どうしたんだ?? ・・・卵。」


ロイも卵を見つけたのか、ボソッとつぶやいた。


「・・・やはりな・・・」


「ん? 何か言ったか?」


今度は、怒りを込めて言ったのではなく、単に小さすぎて聞こえなかったのだ。


「いや? なんでもない。 だが、でかいな。」


「・・・。 どうでもいいな。 とっとと、昼飯を作るぞ。」


別にこんなものに興味などない。 今は、昼飯が優先だ。


「は!? 興味ないわけ!? ダレのものとか、何の卵とか!?」


・・・なんの卵か・・・。 ふと、思った。 



「・・・。 この卵、食えるのか?」



「・・・!? くっ」


ロイは、呆然とした顔をした。


「くっ?」




「食うんじゃねーーーーーッッ!!!!!!!! アホかッッーーーー!!!!!」



誤字訂正しました。

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