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紅い瞳と竜  作者: みのり
第一章
3/28

◆赤い瞳の男 Ⅱ


呼ばれた男は、振り向いた。 いや、ロイだけではなく他にも数人。


「おぉ~!! ナイスタイミングジャン! さすが、オレの友人!」


・・・のんきだな。 今にも殴られそうなヤツが。  コツコツ、と歩み寄る。


「今日は、助けないからな。 俺は、帰る。 がんばれよ。」


「なッ!? 助けてくれねーのかよ!? あてにしてたんだぞ!」


問答無用、と来た道を戻ろうとする・・・・が。


「おい!! あんたもこの男の仲間かい? なら、あんたも殴んなきゃなぁ?」


「顔なんか、隠して何者だ? ま、これからやられるのには変わりねーけどなぁ。」


ぎゃははは、と下品な声を上げる男供。 やはり、巻き込まれた。

 ロイは、ニヤニヤと笑っている。



(お前のせいだというのに! そろそろ、殴ってもいいか? この男・・・。)



いい加減、飽きた。と思う。 いつも、いつもそうなのだ。 ロイがふっかけられたケンカに巻き込まれる。 ていうか、いつもふっかけられているのはなぜだ? という疑問はいつになっても解決されない。



「おい! 前見ねーとアブねーぞ!!」


 

忠告、ではない。 殴る寸前で言われても意味がないからな。

眼前に迫るソレをさっと横に避ける。 避けられたのに驚いていたが、立て続けに殴ってくる。

ふむ。 今回のやつは、けっこう強いやつらしい。 ちら、とロイをみるとあいつも戦っている。 一人でも勝てるくせにいつも俺に振ってくるのだ。


おれは、殴り返した。 ドゴッとに鈍い音がした。


「グフッ!!」


おとこが倒れる。


「なんだ!? こいつら、強ぇーじゃねぇか!? 何者だ!? ガッ!」


こいつも殴っておこう。 

ロイも殴って蹴って、とりあえず終わり。 といっても意識は残してあるから、とりあえずだ。


「ぐぅ・・・! 本当にダレだ!? 顔を見せろ!」


「・・・見せているだろう。 こいつが。 だから、仕返しするならこいつにしろ。 俺に来るなら筋ちがいだ。」


ロイを指差す。 ロイは、苦笑いだ。


「おいおい・・・。・・・っと!!!」


急に強い風が吹いた。 フードがとれる。 しまった、と思ったが遅かった。

顔が日にさらされる。 瞑っていた目を開く。 光が目に痛い。




「な・・・っ!? 紅瞳あかめ!?」




きゃぁぁぁぁぁぁぁ、と悲鳴も上がる。 本当にしまった。 フードを被りなおし、走って立ち去る。 ロイも後ろから着いてくる。


やはり、外に出るのではなかった。と思う。 やはり、この瞳は陽に晒すものではない。

男たちは、騒ぎを残したままそこを立ち去った。





紅は、災いの色。 恐怖と非難の色。 男は、ソレを持っていたがため、親に捨てられ、蔑まれた。

愛されなかった。 愛されたかった。 だが、それは叶わなかった。



だが、この男にも愛される瞬間が来たのだ。 あとすこし、あとすこし・・・。




誤字訂正しました。

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