◆本当の試練 Ⅰ
落ちた意識がまた、浮上してきた。
なぜか、最近意識を失ってばかりな気がする。
目を開けるとそこには一面の緑があった。澄んだ空。みずみずしい木々。
その景色に見惚れていると、声がした。
「「ルシファー!」」
遠くに2つの影がみえる。恐らく、スイとソウだろう。
よかった。今度は、過去とかではなさそうだ。
「どこに行ったのかと思った。」
「・・・勝手にどこかに行っちゃダメだよ。」
「?」
近くに来た2人を見たが、それはスイとソウでは無かった。否、色合いは同じだったが大きさが違う。
2人とも17,8歳の青年だった。俺よりも年下だろうが、そんなに年は変わらないだろう。
1人はソウと同じ色合いで、耳にかかる程度の髪だ。それに、けっこう体が大きかった。
もう一人はスイと同じ色合いで、漆黒の長い髪を後ろで三つ網にしており、前髪も長かった。しかし、白い方と比べると体の線は細かった。
おれが、誰だろうと首をかしげていると
「・・・どうしたの、ルシファー?」
「どこか、具合でも悪いのか?」
「いや・・・。あんたらの名前は?」
とりあえず、聞くのが一番だと思ってそれを実行する。
すると、2人は不思議そうな顔をした。
「? 何を言ってるんだ?」
「僕だよ? スイだよ?」
「 ? あの2匹はもっと小さかったはずでは・・・」
あのときの2人を思い出して、手を俺の腰くらいの位置で止める。たしか、それ位の身長だった。
「・・・あぁ!! そういえば、大きくなったのを忘れてたな。」
「・・・うん。ルシ、これはね、この場所だからこの姿なんだ。」
やっと、いつも通りの呼び方で呼ばれて、不思議とこの2人はあの2匹なんだと納得できた。
「それは、どういう意味なんだ?」
「この場所は、試練を試す場所だ。けれど、先代の竜がいるところでもある。」
「・・・試練と共に竜が集う場所でもあるから、力が満ちている。普通なら、このくらいの大きさに成長してからここに来るんだけど・・・。」
「ルシには、今、その必要があるから、ここにいるんだ。」
とりあえず、成長した理由はなんとなく分かったが、今から行う試練というのがなにかまったく分からないし、想像もつかない。
「これから、一体何をするんだ?」
「それはね・・・、あ」
「来てしまったな。」
2人が向いた方向に視線を向けると、なにか鳥らしきものが飛んできた。
「おぉーーーーーい!!御二人様、そろそろ時間でございまするぞ~~!!」
とりあえず、大きくしてみたスイ&ソウ。
イケメン(死語)です。
とりあえず、やっと試練です。後、1、2話続くでしょうか?
最近、忙しいのでまた、更新が遅れるかもしれません><
でわでわ。