◆授業 Ⅱ
やっと、礼儀作法の時間が終わり、昼になった。
お昼を食べ終えてから1時間ほど竜たちと遊んだ。
スイは人形と遊び、ソウは積み木やらで遊んでいるのを見ているだけで時折、会話をするくらいだったが、竜たちはそれでも満足なようだった。
それが終わったあとは竜たちは侍女に預け、俺は授業の時間だった。
確か、次の時間は・・・・歴史か。
時間表を見て確認する。
そういえば、誰が担当なのか知らないな。
誰が来るのだろう?
そんなことを考えていたら、コンコンとノックの音。
しかし、扉はすでに開いており、「入ってもいいですか?」という確認のノックではなく、「ここにいますよ。」という部屋の主に気づかせるためのノックだった。
そこにいたのは、ロイともう一人は神経質そうな30ほどの黒髪・黒瞳の男だった。
「よぉ、朝の授業はどうだった?アスリルに怒られなかったか?」
「・・・怒られた。」
「ははっ、お前、何やらかしたんだよ。まぁ、アスリルは厳しいからな。」
「お前、知ってるのか?」
「あぁ。俺もアスリルに習ったからな。いろいろと。俺は、優秀だったぜぇ~?」
優秀だった、というわりにはそんなに礼儀正しくはない気がする。
このままだとロイの自慢話になりそうなので、話を変える。
「ロイ、そこにいるのは誰だ?」
ロイと現れた男は待たされているのにも関わらず、ただ、じっと俺を見ていた。
ロイは、あっと今気づいたようで男を紹介してくれた。
「忘れてたぜ。この男は、グリフォンっていうんだ。優秀な文官でお前の歴史担当だ。よろしくやってくれ。」
「グリフォンです。よろしくお願いします。」
その男は、にこりとも笑わなかったし、礼もしなかった。
ただ、言葉を述べただけだった。ただ、その瞳は俺を、いや、俺の瞳を見ていただけだった。
それが、少し不服で、しかし、当然のように感じられた。
ただ、最近は俺を拒否するものが減っていたので安心していたが、まだ納得していない者もいるのだ。
俺の身の回りのことをしてくれる侍女達だって、目を合わせたことはない。最初は怯えが目立ったが、だんだん慣れてきたのか、それは無くなった。しかし、まだ緊張感のようなものは張り詰めたままだが。
俺は、まだ認められていないのだ。 改めてそう感じた。
「ルシファー、です。よろしくお願いします。」
俺は、ぺこりと一礼した。
それを見て、ロイは 「お!」 と声を上げ、
「授業の成果が出てんじゃん! まぁ、がんばれよぉ~」
そういって、部屋を出て行ってしまった。
部屋の中は、シーンと静まり返った。
「・・・。では、始めましょう。」
「・・・はい。」
沈黙を破ったのは、男のほうだった。
今回は、少し短めで。
次は、国の歴史で。。。
誤字脱字、感想、どんなことでもいいのでよろしくお願いします。
書いてくれると、少し、更新が早く・・・・・なるかも?です。(笑)