◆新たな・・・
あれから、一週間。 生まれた竜2匹と王宮で一緒に暮らしている。帰ることは許されないらしい。
三食豪華な食事付き。 文句は無いが、強いていうと、ヒマだ。
カチャカチャと皿を鳴らしながら目の前の料理を食べる。だが、そのスプーンにのっている量はとても少ない。じっとスプーンにのっているソレを見つめてため息をつく。
「スイ、ソウ。ほら。」
呼ぶと、口を大きく開けた。その中にさっきまで食べていた料理を半分ずつ流し込む。
ゴクン、とノドを鳴らして飲み込んだ。 ソウは、クルルとノドを鳴らしてくっついてくる。スイもそれに習ってくっつく。 これも、この一週間のおなじみの事だ。
意外と竜は、懐きやすいらしい。この一週間、べったりだ。といっても、性格は色と同じで正反対らしい。
ソウは、元気で基本的に走り回っている。遊びたい盛りらしい。
スイは、物静かで人見知り。ロイにも、未だになつかない。
要らない物がなくなり、よし。と思ったが、その時、扉が開いた。
「おい。また、そいつらに食わしたのか。ちゃんと食わなきゃダメだろー。また、貧血起こすぞ。」
俺の目前にあったいすに座る。 俺は、さっきまで料理があった皿を重ねていく。
スイが俺の後ろに隠れたが、いつものことなので気にしない。
「別に貧血は、俺のせいじゃない。れ・・・、傷のせいだ。」
「傷って・・・。お前がつけたんだろ。あ、そうだ。聞きたいことがあったんだ。」
レイのことを言いかけて危なかったが、言う前に気づき止めたことにホッとしたが。。。
「契約の時さ、お前なんかおかしくなかったか? 口調もなんか違ったし、俺の本名も知ってた。
お前、俺のこと知ってたんだな。」
内心、ギクッとした。 ここでバレるのはダメなのではないか?
「あ、ああ。他のは、多分気のせいだろうな。」
「そうかぁ? 絶対、おかしかったって。」
俺の内側でレイが哂っている。バカにしてるな。
まだ、俺を疑っている。
「くるる?(ねぇ、何の話?)」 「がぉぉ(外、行ってみたい。)」
「外?」
思わず、スイのほうに顔を向けた。
こいつらは生後一週間にもかかわらず、俺の意識の中に言葉を飛ばしてくる。
「ん?なんだって?」
「いや、こいつらが外に行きたいって・・・。」
「ん?外かぁ? いや、竜が外に行くのは、ムリじゃねぇか? 城下のやつらにバレるぞ?」
「まぁ、そうだろうな。残念だったな。」
俺は、スイの頭をなでてやる。鈍く光る鱗はつるつるして冷たい。
スイは、気持ちよさそうに目を細める。
「あぁ~、でも、人間型になれればいけるんじゃね?親竜は、人型になってたぞ?」
「人間型?」
その言葉を聴いた竜達は、すかさず口を開いた。
「きゃぁーー!(なれるよ!)」「くるるるる(ルシファーみたいになれるよ。)」
と吠えてくるりと一回転した。 すると。
─ポワン
そんな音がして見てみると、二人の子供がいた。
「にんげん~!!」 「ヒト、なった。お外、行こ。」
白髪・蒼眼と黒髪・翠眼の子供だ。 もしかしなくても、ソウとスイか?
人間そっくりだが、瞳が細い。 やはり、竜の人間型は少し違うのか。
というか、スイとソウってどっちもオスだったのか・・・。
「ルシファー、行こぉっ!」
ソウが袖を引っ張る。 と、その前に・・・。
俺は、ソウをとまらせる。
「ちょっと、待て。 服を着ろ。」
そう、二人は裸だったのだ。
「ロイ、こいつらの服。」
「はいはい。」
新たなことを発見した日だった。
うぅ、裸にしちゃった・・・。
やっとテストが終わって、やっとかけたのに・・・。
次は、早めに描けるようにがんばります・・。