◇男の決意
気がついたら、ベッドの上だった。
まだ、頭がクラクラする。
窓を見ると橙色の光が差し込んでいる。
「夕方か・・・。」
俺は、何時間眠っていたんだ?
ぼぉッとしていると、ふと内側から“声”が聞こえた。
『よぉ! やっと、起きたか。』
『・・・あぁ。で、今度は何だ? レイ』
こいつの名前はレイ。 これは、俺がつけた名前だ。
[レッド アイ] の 頭と尾を取って レイ。
レイが言うには 『センスが無い』だそうだ。 だが、それでもいいとも言った。
それからは、得体の知れないこいつの名前は レイ になった。
得体が知れなくても俺らは、昔から一緒にいたからそれなりに信頼しあっているというところだ。
『ん?いや、お前がヒマそうだな、と思ってな。』
『そうか。・・・そういえば、お前はなんで竜のことを知ってたんだ?』
『そうきたか・・・。ま、ソレは言えねェんだ。ちょっとだけ言うと関係者って所だ。』
「関係者・・・?」
思わず、つぶやいていた。
─ コンコン
そこで、ドアのノック音が聞こえた。
「・・・失礼いたします。 あ、起きていらっしゃったのですね・・・。」
俺を見たら、その目に怯えの色がみえた。
その女は、城に仕えるものの格好をしていた。
「あの、これをお持ちいたしました・・・。 でわ、失礼いたします。」
女は持っていた大き目の籠を置き、足早に去っていった。
立ち上がり、ふらつく体を壁で支え籠の中身を見た。
そこには、2匹の眠りについた竜がいた。
「こいつらをこれから俺が育てていくのか・・・。」
俺は、考えた。 育てていけるのか、と。
『お前が育てたい風に育てればいいじゃねぇか。』
『おれが・・・?』
『あぁ。だが、あきらめるにはこいつらを捨てることになるぞ?
もう、竜使いの契約はしてしまったからな。』
捨てる・・・か。俺は、どうしたらいいのだろう?
俺の親と同じように捨ててしまうのか?
「クルルル?」 「ガオォ?」
竜の目が開いた。 俺を見つめる蒼い瞳と翠の瞳。俺を怯えない瞳だった。
俺は、思った。 育ててみようか、と。
『なぁ、名前決めてやれよ。』
「名前、か・・・。 じゃぁ、白い方がソウで黒いほうがスイでどうだ。」
「ぐるるる!(そぅ?ソウ!ソウ!!)」 「きゅあぁー(・・・スイ)」
竜は、どちらも喜んでいるように見える。 というか、言葉が分かった。
─なぜ?
『竜と竜使いは契約で繋がっているからな。』
「へぇ、そうなのか。よろしくな、ソウ、スイ」
竜たちは、コクンとうなづいた。
これから、また新しい生活が始まりそうだ。
『なぁ。やっぱり、ネーミングセンス無ぇよな。お前。』
お分かりでしょうか?
スイとソウの名前の由来を。。。
ソウは『蒼』という字から。スイは『翠』という字から。
ネーミングセンス、無いですね・・・。
来週が期末テストでまた更新できないかもしれません。
すいません・・・。