第080話 何故、彼がここに
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「何が起こってる!」
倒れ込んだ騎士団に向かって声を掛けるも返事はない。
かなりの重症を負っている様だ。
イリミがいたら回復魔法をすぐにでも掛けるけれど、彼女は今気絶している。
心苦しいが、見捨てて先に進むしかない。
最前線に着くと目を疑うような光景が広がっていた。
あの騎士団長がフードを被った謎の男と互角の勝負をしていたのだ。
彼は騎士団の中でも最強に位置する男。
それが互角となると相当な力を持っていると分かる。
これだけ実力があるのに正体不明なのは気になる。
どうにかしてフードの先に隠れた顔を見たいものだ。
「おい、あれをよく見てみろ。」
エルマードが異変に気付く。
何事だと思い指差す先を見ると、敵の男は片手だけで騎士団長の相手をしていた。
「これがどういう事か分かるよな。」
「今は考えるよりも助けに入るぞ。」
「そうだな。」
刀を作り出し、騎士団長と謎の男の間に割って入る。
敵の男は一瞬驚いた反応を見せるが、瞬時に意識を切り替えて剣を交える。
騎士団長の時と違い、俺の時は両手で剣を構えていた。
強敵として認めてくれるのは嬉しいが、個人的には油断してくた方が有り難かった。
「君達!コイツはかなり強い!ここにいたら危ないぞ!」
「そんなのは分かってる。だけど、問題無い。」
「しかしだな。」
「行け、俺はともかくリューマがいればどうとでもなる。アンタは俺達よりも騎士団員の心配をした方が良いんじゃないか?」
「クッ、それはそうなのだが。・・・すまない!この場は君達に任せる!」
背中を見せて騎士団員の下へと走る。
それで良い。
言わなかったが、彼がこの場にいたとしても足手纏いになるだけだ。
それだったら一切騎士団員の救護に向かわせて、俺とエルマードで戦う方が勝機はある。
「いつも通り、いや、いつも以上に気合い入れていこう。」
「当たり前だ。言っておくが、俺は常に進化している。それを敵にもお前にも教えてやろう。」
2人で一斉に攻める。
俺が右半身を狙い、エルマードが左半身。
こうする事で相手はどちらかの攻撃を受けるしかない。
しかし、俺の安易な発想は覆される。
地面を軽く蹴ったフード男は宙に舞い、頭上を超えていった。
どれだけ身体能力が高ければそんな芸当が出来るんだよと思いながらも、振り返ってまた攻撃をしようとする。
だけど、どこにも姿が見当たらない。
どこに行ったのかと探していると、不意に目の前で姿を表して剣を振るって来た。
咄嗟に刀を構えて抵抗しようとするも、相手の力が強くて刀を弾き飛ばされる。
このままだと直撃する。
「俺よりも先にコイツを狙うとは腹立たしい。どっちが厄介なのか教えてやるよ。」
横からエルマードが発砲。
それによって何とか一命を取り留める。
「相手は透明化のスキルを持ってるみたいだな。」
「ダンジョンのトカゲを思い出す。」
「あれよりは可愛いもんだと願いたいな。」
「それより喋らないのが不気味だ。顔も何も分からないし。」
「気になる所ではないだろ。」
エルマードはそう言うが、一瞬フードの隙間から見えた顔。
どこかで見たことがある様な気がした。
声を出さないのは、俺達に存在を知られているからだという可能性もある。
もっとハッキリと確認したいが、安易に近付くと死ぬ。
だから、今は勝つ事だけに集中しよう。
「また消えたぞ。注意しろ。攻撃の瞬間に見せる一瞬の隙を見逃すな。」
全神経を研ぎ澄ます。
一瞬の情報を見逃せば命取りとなる。
チラッと視線に入った黒い影。
その方向に視線をやるとやはりフード男がいた。
ただ、相手も見つかるのは予測していたらしく、攻撃をしてくる訳では無かった。
眩しい光が襲い掛かる。
感覚を研ぎ澄ませていた分、効果覿面だった。
目が暫く明けられず、視界から一切の情報が遮断される。
「危ないぞリューマ!」
そんなのは分かっている。
分かっているけど、どうにかなるはずも無かった。
ぼんやりとだが、視力が戻って来た。
地面が赤く見えるのは気のせいではないだろう。
腕が痛む。
きっと深い傷を負っている。
それは傷口を見なくても感覚で分かる。
「痛いだろうがよ。」
無反応。
やはり言葉を交わすつもりはないらしい。
それが余計に腹立たしいと感じさせる。
「"映像模倣"」
俺もフード男同様に姿を消す。
そして、息を殺してチャンスを伺った。
その意図を汲み取ったエルマードは、対照的に隙を与えずに攻撃を続けた。
「大人しくしてもらおうか。『盗賊』"縄使い"」
意思を持っているような縄が襲い掛かるが、一刀両断されてしまう。
だけど、そのスキルは無意味では無かった。
斬り裂く動きをしていると同時に俺が攻撃を仕掛ける。
途中で気付かれてしまったが、だからと言って止めるつもりはない。
刀はフード男の顔ギリギリを掠めて、フードだけを斬った。
勢いで捲れるフード。
するとフードの奥に隠された顔が遂に明らかになる。
「お前は!」
「どうしてここにいる。」
「バレない様にしてたんだけどな。仕方ないか。仮面くらいは付けるべきだったと反省しよう。」
「門番のタムタットがどうしてここにいると聞いているんだ。」
「馬鹿な奴ら。そんな答えは1つでしょ。最初から俺は敵だった訳?分かる?」
そんなのは分かっているが、衝撃的過ぎる事なので処理に時間が掛かる。
思い出せばあの時敵を招き入れたのも、コイツが始めから仕組んでいたからなのか。
少しずつ彼の不自然な行動が紐解かれる。
「どうしてこんな事をする。」
「質問攻めなんて止めろよ。くだらねー。そんな事より楽しもうぜ。」
武器を構えて走り出す。
こうなれば対話している暇など無い。
俺がエルマードの間に立って進行を妨げる。
「アンタが強いってのは分かってんだよ。」
「敵に褒められても嬉しくないな。皮肉しか聞こえない。」
「本心だって。だから、アンタより先にそっちの雑魚から倒す。『偽りの神』"貫炎波"」
「"同時進行妄想"」
このままだと2人とも灰にされて終わりだ。
だから、土壁を作って塞ごうと思った。
「無意味だよ。」
しかし、土壁を貫通した炎は俺では無く、エルマードに向かって一直線。
そのまま右脚に当たる。
痛みで悶えるエルマードを見て、慌てて水の球を作り消化するが大きな火傷をしていた。
「大丈夫か!?」
「これが大丈夫に見えるのか。でも、俺の事は良い。痛みに耐えながらここから離れる。何の役にも立たないままここを離れて申し訳ないが、お前に託したぞ。」
「任せろ。俺が確実に倒してやるから。」
その場から足の痛みに耐えながら立ち去るエルマード。
実力を十分に発揮出来ず悔しそうだ。
だけど、大丈夫。
エルマードの強さは十分に理解している。
「良いのかな?俺と2対1で戦っても。強いのは認めるが、勝てないとは言ってないけど。」
「随分と喋るんだな。もしかして、モブ役を演じるのも飽きて来たか?」
「ご名答。だけど、王族もその取り巻きも大した事無いよな。俺の事全く疑わないんだから。」
「それ程、モブが板に付いてたんだろ。」
「良いね、その挑発。乗った。」
武器と武器が衝突する。
拮抗した力。
この勝負に勝つのは、少しでもミスを許した方になるだろう。
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