第077話 さよなら弱いアタシ
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アタシは弱い。
最近、思い知らせれた事実である。
A級冒険者になった瞬間から全てを手に入れたと思っていた。
金も力も権力も。
だけど、最近アタシに力が無い事に気付いて来た。
4人で旅をする内に自分がどれだけの価値があるのか分からなくなる。
エルマードもイリミもリューマもそれぞれの強みを活かした戦い方をする。
だけど、アタシはどうだ。
他の誰にも真似出来ない強みはあるのか。
アタシで無ければならない理由があるのか。
何度も心の中で問うても答えが見つからない。
あぁ、痛い。
アタシは負けたのか。
冷んやりとした地面に寝転がりながら悟った。
敵が強い。
だから、負けたのだ。
仕方のない事だ。
アタシはどれだけ鍛えたとしてもこの先の戦いで足を引っ張る事になる。
それならば一層の事、ここで命を落として新たな仲間を見つけてくれた方がお互いの為になるだろう。
でも、本当にそれで良いのか。
弱いままの自分を受け入れて死ぬ事が本当にアタシなのか。
ここで立ち上がるのがアタシじゃないのか。
まだ息はある。
立ち上がる力も残っている。
なら、立てアタシ。
「こんな美少女放っておいてどこ行こうってのよ。」
少し強がって見せる。
さっきまでの弱気を隠す為に。
相手に悟られてはいけない。
弱味を見せてしまえば、そこから付け入る隙を与えてしまうことになる。
「ふははは!やはり楽しませてくれる女だ。まさか立ち上がるとは。」
「まだ戦いは始まったばかりでしょ?」
そうだ、始まったばかりなのだ。
終わってない。
勝ち目は残っている。
戦いの中で進化しろ。
アタシの強みを磨いて新たな武器を手に入れる。
それが今回の課題だ。
ただ、勝つだけでは駄目なのだ。
今後胸を張って生きれる様に。
「強がって見せるのは良いが勝てる算段は整ったのか?」
「アンタが心配する事じゃないでしょ脳筋。」
「言ってくれな。その脳筋にやられたのはどこのどいつだ?」
「何回も通用するはずないでしょ?」
「試してみるか?」
コイツの戦闘スタイルはシンプル。
スキルも武器を使わない拳のみでの戦い。
悔しいけどアタシが追い求めていた戦闘スタイル。
だけど、今はそんな事関係ない。
斧を構えて、防御の姿勢を見せる。
「忘れたのか!そんな中途半端な防御は効かないぞ!」
「分かってんのよそんな事!『カウンター』!」
普段は余り出さないスキル。
防御系のスキルはアタシにとって屈辱的であるから。
だけど、出し惜しみしていられないので仕方なく使う。
相手の攻撃をそのままの威力で跳ね返す。
本来であれば、これで倒せるはずだが相手はタフだった。
今まで何度も何度も攻撃をしているがそれでも動じる様子が無い。
装備にも何らおかしな部分は見当たらない。
つまりは、この男自体の耐久性が異常であることを示している。
「自分の攻撃を喰らうってのは不思議な感覚だが、良い経験だなー!我ながら惚れ惚れとする一撃だ。」
「自己陶酔とか気持ち悪いわね。今時そんな奴モテないわよ。」
「モテる?そんなのは必要ないだろ。俺の事は俺が1番好きでいれば良い。」
相手を挑発して主導権を握るつもりが、逆に会話のペースを乱される。
だけど、気にしなくて良い。
馬鹿には何を言っても意味が無い事など最初から分かっていた。
そんなことよりもアタシは勝つことだけに集中すれば良い。
「勝つ為にはどうすれば良いのか思い付いたか?」
「そんな事は最初から思い付いているわ。」
これは嘘だ。
相手もそれは分かっている。
でも、虚勢を張るしかない。
相手に少しでも弱気である姿を見せてはいけない。
きっとその弱気な態度につけ込まれる事になるのだから。
「なら、試させてもらおうか!」
また一直線に突進してくる。
芸のない一辺倒な攻撃なので、カウンターで跳ね返せば怖くも何ともない。
そう思った瞬間、悪寒が走る。
自分が完全に死に至ると錯覚する程の恐怖が襲う。
恐怖している時間は無いと、咄嗟にその場から身を引く。
「勘が良いな。後、数秒反応が遅れてたらこうなっていた。」
地面がひび割れていた。
ただの馬鹿だと思っていたが、あのパワーだけは本物だ。
どこからあの力が出ているのか不思議だ。
だけど、今はそんな事を気にしている時間はない。
力に対抗するのはそれよりも強い力。
普段はあまり使わない隠し球をここで投入する。
「『獣化』」
「良いもん隠し持ってんじゃねーか。」
受け答えなどしない。
獣化は使用中の体力消費を大きくするデメリットがある。
だから、こんなお喋りをしている時間が無駄なのだ。そんな時間があるなら、体力を消費する前に倒し切る。
怒涛の攻撃で相手には攻撃に転じる隙を与えない。
その作戦が効果的だったのか、相手は攻撃を止めて防戦一方。
ジリジリと後退している所からも圧倒されているのが分かる。
ようやくアタシの実力を証明する事が出来るのか。
そう思い、内心で喜んでいた瞬間だった。
喜びに浸る時間を与えてくれる程甘い敵では無い。
敵は呆れた顔をして、獣化しているアタシの攻撃を跳ね返した。
今までの防御はアタシを試す為だけにしていたこと。
それなのに自分が強いと勘違いしていたアタシが恥ずかしい。
腕を掴まれ、軽い物を持ち上げる様に投げ飛ばされる。
獣化で抵抗しているのにも関わらず、簡単に。
地面とぶつかる衝撃で顔を歪める。
すでに負っていた傷のせいもあって、余計に痛い。
でも、立ち上がる。
何度傷付けられようとも、何度も死に掛けようとも。
アタシはここで立たなければならない。
「おいおい、思っている以上にタフな奴だな。」
「女だから甘く見てた?アタシ、強いの。アンタを倒してそれを証明する。今まで何も出来なかったアタシとはおさらば。」
「何を始めようってんだ?今更勝ち目なんてないぞ。」
「『獣化』"完全獣化:猫"」
姿は完全に小型の猫の姿になる。
誰がどう見てもただ可愛いだけの猫。
「ぷははは!可愛らしい姿だな!それで勝てるのかよ!」
男が油断した一瞬だった。
懐には既にアイリスがいた。
しかし、男は焦らない。
こんな小さい猫が攻撃しようとも精々爪痕を少し残すだけ。
致命傷には至らないと判断したからだ。
それが甘かった。
アイリスが放った一撃で男は吐き気と激痛を味わう。
その耐え難い痛みはこれ程屈強な男が今までに味わった事のない痛み。
直後、男は本能的に逃げ出そうとした。
ここにいては命がいくつあっても足りないと判断したからだ。
今までの余裕そうな態度はどこへやら、無様に地面を這いつくばりながら逃げ出した。
しかし、アイリスは逃がさない。
獲物を狩る獣の目がずっと男を捉えている。
2発目をお見舞いした頃には完全に息絶えていた。
気絶か死んだかの確認をする余裕はアイリスに残されておらず、獣化を解いて地面に寝転がる。
動く力さえも残っていない。
「勝った!勝ったぞアタシ!」
今は勝利の喜びに浸る。
あれだけ強かった相手に勝てたのは今後の自信にも繋がるだろう。
「アタシは勝ったんだから、他の3人が負けていたら許さない。」
後は他の人に託した。
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