第070話 主人公がいなくても
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「アイツはどこへ行ったんだよ!」
王城内で鳴り響くエルマードの怒号。
火が至る所から上がり、煙で息を吸うのも苦しい状況。
しかし、それを避けようと外へ出ると待ち構えた敵の群集がうじゃうじゃと。
全員が全員実力者という訳ではないと分かるけれど、どこへ行っても1人は実力者が配置されている。
一気に総力戦を仕掛けられた。
相手のタイミングで奇襲を仕掛けられるのは、その場にいた誰もが理解していた。
しかし、この量を期間の空けていないタイミングだ投入してくるはずがないと頭のどこかで思っていたのかも知れない。
あっちは万全。
こちらは主戦力とも言える奴が欠けている状態。
明らかに不利な勝負だ。
「ネムリ様、こちらへ。」
冷静に物事を見るとここに残る選択肢は無い。
火事が続いている状況で留まれば、どちらにせよ死ぬ。
仮に鎮火出来たとしても、相手に囲まれている事実は変わらない。
だから、一点突破するしかない。
戦力を一部に集中させて、強引にでも道を作り出す。
「分かってるよな。アイリス、イリミ。」
「えぇ。彼が不在でもこの依頼は達成する。それがアタシ達を1番成長させる。」
「そうですよね。リューマさんに任せ過ぎていた部分はありましたし。私、強くなりたいです。」
覚悟は決まった。
後は扉から飛び出すだけ。
敵の数は大体しか把握出来ていない。
それが不安材料ではあるが、もう行くしか無い。
俺は不甲斐ない自分から卒業する。
「おはよーう。雑魚の皆さん。」
やっぱり待ち構えていたか。
しかし、動揺している時間は無い。
想定はしていた事だ。
それよりもここからはスピーディーな行動が要求される。
仲間を呼ばれて人数不利になれば、それこそ逃げ切れる未来が無い。
「『怒れる闘牛の目覚め』"バーストモード"」
一本の波動砲が逃げ道など無かった場所を切り開く。
これで強引に突破となれば良かったが、相手が陣形を立て直す方が早い。
闇雲にもう一発打っても無駄になる。
だからと言ってチマチマと人数を削るのも悪手だ。
この中で1番破壊力のあるイリミに魔法スキルを使わせて殲滅が、今出来る中の最大限だと思う。
だけど、これにも致命的な弱点は存在する。
魔素欠乏。
本人も悩んでいる点だろう。
俺達も頼りにしている一撃を放つと判断で気絶する。
それに魔素の研究だって進んでいない現代において、魔素欠乏を何度も引き起こすのはリスキーだ。
やはり、普段通り支援に徹してもらうべきか。
アイリスは万能型なので、一定の成果は出るだろう。
相手の実力者を2人は倒せる。
それくらいのポテンシャルはあると思う。
だからこそ、余り負担は掛けられない。
最もフリーな状態で彼女を動かすのが理想だ。
そう考えると足りないピースを補うのが、リューマだったのだと改めて実感する。
全てを助けるお人好しな心も、運命を良い方向へ導く実力も、そして何より成長力も。
何から何まで俺が持っていない物を持っている。
じゃあ、俺には何が出来る。
中途半端な実力で、ただ過去の経験にだけ基づいて動くだけの機械。
それで良いのかよ。
「ダメだろ。俺が頼るんじゃ無い、アイツが俺を頼れる様に。」
「急にどうした。これだけ大勢の敵を見て、馬鹿になったか?」
「悪いが俺は集中してんだ。それ以上、口開くならぶっ殺すぞ?」
「ぷっ。あははー!!!聞いたお前ら?コイツ、俺をぶっ殺すだってよ!冗談も程々にしろよ?」
「雑魚でデブなのに強者の顔しているのも気に食わない。もっと雑魚なりの姿勢を見せろよ。」
「おいおい、お前が俺をぶっ殺す前に、俺がお前をぶっ殺してやるよ。」
怒りの感情は最も分かりやすい。
昂りによって身体能力を分かりやすく向上させる反面、思考力を低下させる。
この感情をどれだけ上手く使えるか。
それが俺の固有スキルの強さを決める。
「怒りの感情は、強さであり、弱さだ。」
「いきなり分けわかない事言ってんじゃねーーよ!!!」
「『怒れる闘牛の目覚め』"強制弱体化憤怒"」
先程まで食って掛かる勢いだった男の勢いが止まった。
そして、次の瞬間理性を失った獣の様に暴れ始める。
近寄れば敵も味方も関係無し。
触れるもの皆を傷付けていく。
怒りの感情を敢えて増幅させる事でコントロールを失わせる。
思考をしない相手は愚かだ。
勝率をグッと下げる。
その状況を無理矢理相手に押し付ける事が出来るのだから、優れたスキルだ。
問題点があるとするなら、使用者である俺がアイツを止められるか。
「ウガァーーー!!!」
大剣を使った大きな横振り。
それをバックステップで避ける。
そして、遠心力に振られて動けなくなった隙に再度距離を詰める。
大剣は距離を詰められると弱い。
これが鉄則だ。
案の定、俺が距離を詰めた瞬間に本能的に後ろへと下がろうとする。
「馬鹿が。お前の正解は武器を捨てて拳で戦う事だった。そこは俺の射程圏内。」
俺の武器が拳銃であるにも関わらず、得意な領域に自分から移動したのが間違いだ。
倒れ込む敵。
仲間割れが起きた分も含めるとかなりの人数を倒せた。
誰かに自慢する訳では無いが、せめて自分の中だけでは褒めておこう。
「今のうちに。」
「この悲惨な状況。理解。」
「あーあ、ダメだねーこりゃ。」
「やめときな、そんな死体触るなんてバッチいよ。」
ここで増援。
最悪なタイミングだ。
相手は3人もいる。
連戦を強いられるのは確実か。
騎士団もメンバーは分散して敵の殲滅にあたっている。
なら、切れるカードはアレンテと俺達3人。
これでは勝てたとしてもギリギリだ。
その後、追手を振り切りながら逃げ続けるのは難しい。
「待たせたな。この俺が来たからには安心しろ。」
見覚えのある鳥と共に登場した男。
俺はコイツを待っていた。
完璧過ぎるタイミングでの登場で、今まで何をしていたのかとかどうでも良くなる。
「いけるか?」
「こんなの俺達なら余裕だろ。」
「そうだよな。」
◇◆◇
遅れてしまったが、ようやく到着した。
そしたら、個性的な奴らが3人いる。
今にも戦闘が始まりそうな場面。
しかし、エルマードには疲労感が見える。
「待たせたな。この俺が来たからには安心しろ。」
必要最低限の謝罪はしておく。
エルマードの事だから、それでも文句の1つでも言われるのは覚悟していた。
「いけるか?」
最初の言葉はまさかそれとは思ってしまいなかった。
怒られるかと思っていたから。
いや、この状況を見れば当たり前か。
ネムリを守るためにこの状況をいち早くどうにかしないといけない。
「こんなの俺達なら余裕だろ。」
相手は強いかも知れないが、こっちも常に進化している。
負けるつもりは無いし、その未来は見えて来ない。
「そうだよな。」
エルマードがそう返した。
少し嬉しそうにも聞こえるのは、気のせいでは無いはず。
遅刻した分の活躍をする為に俺は武器を生み出す。
そして、気合いを入れる。
ここからは俺達の時間だ。
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