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第007話 共闘するのは熱い展開

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

エルフの里を案内される俺達だったが、その間もエルマードの顔は険しかった。

いつもの事で済ませるのは難しい態度の変化。

これは明らかにエルフとの間に何かあったのだろう。

良くあるパターンだとエルフに親を殺されてしまったとか。

どちらにせよ、エルフの里に泊まるのがストレスになるようなら何かしらの手を打たないといけない。


「おい、大丈夫か?明らかに不機嫌だぞ。」

「俺は大丈夫だ。放っておけ。」


まだ強がって見せる余裕はあるみたいで良かった。

もしかしたら、その内慣れてくるって可能性もある。


さて、一通りイリミに案内されて分かった事は、本当の意味では歓迎されていない事だな。

エルフが俺達を見てコソコソと悪口を言っているのが聞こえたのがその証拠。

エルマードの言っていた確執の意味を少しずつ体感して来た。


イリミに案内されて、部屋に通された。

今から何が行われるのかは不明だが、少し緊張感がある。

エルフも全員どこかへ行ってしまったし、どうすれば良いんだよこれ。


「なんか思ってたのと違う。」

「言っただろ。最初からこうなるって分かってたんだ。」

「なら、全力で止めろよ!こうなってからどうこう言い出しても遅いんだよ!」

「お前なぁー!俺は全力で止めたのに強引に突っ走ったんだろうが!」

「いや、それはだってさ、可愛い女の子がいたからついつい。」

「やっぱり女目的かこの野郎!」


仲間同士での掴み合いの喧嘩。

取っ組み合いになるが、そもそも身体能力に差があるので一瞬で組み伏せられる。

制圧されてしまってからは俺もとりあえず謝罪して、エルマードの機嫌を取ることにした。

また、力で抑えられても敵わないからな。


「で?お前が不機嫌な理由はなんだよ。」

「別に不機嫌じゃない。」

「それはないだろ。エルフと関わってから今までの行動見てれば、明らかにエルフを嫌ってるのは分かる。別に人の好き嫌いを攻めるつもりはないけど、理由くらい話してくれても良いんじゃないか?俺達、仲間なんだろ?」

「・・・がエルフだ。」

「え?その声量じゃ、ギリギリ聞こえないんですけど。」

「母親がエルフなんだよ。俺は、人間種とエルフの混血って訳だ。だから、この里にもし母がいるかと思うと吐き気がしてならない。」


もっと詳しく話が聞きたい所だけど、良い思い出ではないと思うのでやめておく事に。

人間とエルフのハーフなのかコイツ。

やけに顔が整っていると思ったんだよ。

てか、何その設定ズルくね?俺もそれが良かったんですけど。


それにしてもエルフ達遅いな。

ここに案内されてからかれこれ30分くらいは経過しているはずだ。

放置されたまま様子を伺うドッキリか何か?

やめてくれよ中学の時の事思い出すから。


「イリミ様!何をお考えになっているのですか!それは里に伝わる重要なですね!」


やっと、エルフが戻って来たかと思ったら何やら揉めているようだ。

イリミはこの里での権力者だと思うけど、それでも他のエルフが止めに入るという事は、よっぽど納得出来ないのだろう。


「何を言っているの!彼らは命の恩人なのですよ!それを仇で返すのは無礼です!そこに人間もエルフも関係はないがありますか?」

「イリミ様。お気持ちは分かりますが、先代もそうやって人間に優しくした結果足元を掬われたのです。今回の件だって、恐らく仕掛けたのは人間。もしかすると彼らも・・・」


パチーンッ!


絵に描いたように見事なビンタが一発。

あれ絶対に後から手の形の跡が残る奴だろ。

まぁ、多少言い過ぎな部分もあったから、俺としてはスッキリしたけど。


どうしてイリミは俺達にそこまで良くしてくれるのだろうか。

いくら恩人だからと言って、他のエルフ同様に嫌悪感を見せてもおかしくない。

他に理由でもあるのだろうか。


「敵襲!敵襲だ!今度はゴブリンだけじゃねー!コボルトやトレントなんかもうじゃうじゃいるぞ!」


大きな声で非常事体を知らせる若い見た目のエルフ。

内容を聞いただけでもやばそうなのが伝わってくる。


「リューマといると面倒事に合う機会が多くなったんだが、疫病神か何かじゃないよな?」

「奇遇だな。俺もそうなんじゃないかと最近思って来た所だ。どこかで厄を払う良い場所知らないか?」


こんな冗談を言っている間にほとんどのエルフは外へと行ってしまった。

俺達も後追うように出て行くと、恐ろしい光景が広がっている。

結界を覆うようにして無数の魔物が集まっているのだ。


これにはエルフ達も絶望。

戦意を喪失している者、この場からいち早く逃げ出そうとする者、様々である。


「お前達のせいだろ!お前達が来たからこんな事になった!だから、反対したんだよ!イリミ様はこうなると分かっていたはずなのに!」


なるほど、怒りの矛先は俺達に向いたのか。

人間が嫌いなら当たり前とも言える。

嫌いな人間に責任を全て押し付ければどうにかなると思ってるのかもな。


「この言われよう。流石に助けないよな。」

「バカ言え、ここで見捨てたらエルフが死ぬんだぞ!命に大も小もないだろ!」

「そう言う男だったなお前は。」


正直、俺が一番怖いと思ってるよ。

大した実力もないし、スキル頼りの戦い方だ。

それにまだ血を見ると死と隣り合わせだということを実感してしまう。


だけど、あの時目の前でエルフの老人が死んだ。

仲が良い訳でも、深い思い出がある訳でも無かったけど、悲しく胸が締め付けられた。


「エルマード、お前弾は大丈夫なのか?前の戦いで使い切ってただろ。」

「問題ない。短剣も2本用意しているからな。それよりリューマ、お前の方が心配だ。さっきの戦いでゴブリン相手にやられかけてただろ。固有スキルは確かに強いが武器無しは今後に響くぞ。」


それが問題点だよな。

今から武器を探すってなっても、エルフが快く渡してくれるかどうか。

敵に塩を送るようなものだからな。

本当の敵は結界の外にいるんだけど。


「待ってください!武器なら、ここにあります!」


イリミの声がした。

後ろを振り返ると走って来たのからなのか、肩で息をするイリミがいた。

手には厳重に保管されていたのが分かる木箱を持っている。

まさか、こんなに重要そうな物を貸してくれるって言うんじゃないよな。


「これ、貸してくれるの?さっき古くからとか言われてた奴なんじゃ?」

「これは刀と呼ばれる奇怪な剣でございます。剣は元より使うためにある物。ここで使っても怒れる筋合いはないのですよ。どうかお受け取りください、この"鬼丸(おにまる)"を。」


笑顔で手渡された。

これは彼女からの期待も乗せられていると思って良いな。


それにしても刀が異世界にあるとは、面白い展開になって来た。

これは多分先に来ていた日本人が置いていった物。

巡り巡ってまた日本人の手に渡るとは趣深い。

それに安易にムラマサとかじゃないのが、また俺の心をくすぐる。


「それと私も戦わせてください。ここは私達の住む里。自分達の居場所くらい自分達の手で守りたいのです。」

「好きにしろ。でも、足手纏いにはなるなよ。」


エルマードなんやかんやお節介な奴だ。

口では嫌々言ってるが、本当は最初から助けるつもりだったと思う。


「始めるぞ!構えろ!」


人間嫌いのエルフと共闘って激アツ展開なんじゃないか。

まだ、一人しか協力者いないけど。

てか、3人でこの数相手出来るのかよ!

ご覧いただきありがとうございました。

よければ評価、ブックマーク、いいねお願いいたします。めっちゃモチベーションに繋がりますのでどうか、どうか!!!

あ、毎日21時投稿予定です。

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