第067話 夜の王都
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今は、アレンテとエルマードが見張りをする時間。
本来ならば睡眠を取るべきなのだが、少しだけ王都を見たくなって外へ出た。
明日からは王女様へ付きっ切りになるだろう。
だから、少しだけでもと思った次第だ。
睡眠時間も確保するとなるとタイムリミットは1時間前後。
それまでには戻る必要がある。
「よぉ、昼間は世話になったな。」
灯りが薄らと付いている街路。
そこに現れたのはゲルブ。
どうしてこの場で接触を図って来たのか。
その真意が分からないので、とりあえず武器を生み出す。
「おいおい、いきなり戦闘って。それは無いだろ?確かに次会った時はって言ったけどよ。」
「俺の認識が間違いで無ければ、楽しくお喋りなんて関係性では無かったはずだけど?」
「固い事言うなよーブラザー。飯食った?酒でも奢るぜ?」
「お前と楽しく酒飲める訳ないだろ。」
「あっ、昼間の事怒ってる?あれはちょっとした挨拶じゃんか。」
コイツ、ふざけているのか?
あれは冗談だったで済まされる様な次元ではないだろ。
一歩間違えれば死人が出ている。
ヘラヘラとした態度に怒りの感情が湧いているが、必死に抑えなければ。
感情的になれば相手の思う壺だろう。
ここで俺を減らせば、後が楽になるとでも思っているのかもな。
「今回は、お前をスカウトしに来たんだよ。それなのに中々外に出て来ないから困った困った。」
「スカウト?ふざけんなよ。」
「すぐそうやって怒る。シワになるからやめた方が良いぜ?」
「"映像模倣"」
有無を言わさず斬り掛かる。
限界に達した。
ここで俺が死ぬ事になっても相打ちには持っていく。
相手の思う壺で上等だ。
「あぁ、ダメダメ。戦いに来たんじゃないんだって。」
攻撃は一切当たらない。
のらりくらりと躱されるだけ。
あっちからは攻撃の意思を感じない。
本当に戦う為に来た訳ではないらしい。
だけど、俺には関係ないので攻撃を続ける。
「俺達の話を聞いた方が良い。」
真剣な表情をしたからと言って、コイツの言葉が嘘では無い保証が無い。
だったら、最初から耳を傾けない方が良いだろ。
「王女はこの国の危機を救うのに必要だ。」
「そうだったとしても国王を殺そうとしてたのは事実だろ。」
「知らない奴は呑気で良いな。この国を滅亡させる原因は国王だ。」
「口から出まかせを言うのが得意らしいな。でも、あの時は確実に感情で動いていたのを見ている。」
「・・・あちゃー、バラちった?惜しい惜しい。真剣な空気を醸し出せばゴリ押せるって思ったんだけどな。」
やっぱり嘘だったか。
コイツの言っている事を信じていては埒が明かない。
本当であれば情報をもっと引き出したい所だけど、この調子であれば難しいか。
だからと言って、このまま戦いを挑んでいても戦況は変わらない。
だったら、この場から一時退却する方が良い。
「おっと、もう帰るのかい?」
「当たり前だろ。散歩していただけだし。」
「でも、ざーんねーん。俺達は追加で新たに1人の標的を見つけたんだよね。そいつも生け捕りにしないといけない訳。」
「それなら、俺にかまってる時間は無いだろ?さっさとどっか行けよ。」
「おいおい。分かってるのに、分からない振りは止めろよ。」
影から現れる何人もの敵達。
俺1人を攫う為に人を用意し過ぎだろ。
これはまずい。
街が壊れるのは多少覚悟の上で、本気を出すしか無いよな。
「人ならざる者、影を借り顕現せよ。"影に映る自分"」
数を増やして、俺の負担を減らす。
それでも2、3人を同時に相手をするのは大変だけど。
背後から気配がする。
声も出さない不意打ち。
戦いに無駄が無い。
何とか僅かな音に反応して攻撃を防いだが、その間にも他の者が攻撃を仕掛けて来る。
「めんどくせぇー!!!満ち満ちる緑。鮮やかな大地を彩り、尽きる事の無い自然を教授する。植物こそが原点にして、頂点。"木林森樹々万象"」
地面から生え出る大木。
それが敵に攻め入る隙を与えない。
しかも、防御だけでなく攻撃としても優秀だ。
強引に進もうとする奴らの全身を、蔦が絡め取り最終的に木の養分へと変える。
だから、無闇に突っ込んでくれた方が嬉しかったがそこまで馬鹿では無い様だ。
得体の知れない物には容易に近寄らない。
それが徹底されている。
ならば、このまま。
「俺はアイツと違って遊んだりしないぞ。」
誰かは分からない。
ただ、一瞬で背後に回られたのだけが分かる。
背中に走る衝撃。
そして、俺は気を失った。
◇◆◇
「おはよう、主人公。」
目が覚めると完全に拘束された状態で椅子に座らせていた。
極道の尋問か何か?
俺、このまま生きて帰れるの。
それが心配だ。
「状況がよく分かって無いよね。君を攫ったんだけど、洗脳してボク達の仲間にするから。」
白衣を着た金髪と白髪が半々の女が現れた。
ツインテールがふわふわと揺れてるのが、この状況では絶妙に腹立つ。
こんな縄破壊して逃げ出してやろう。
魔素で全身を強化して逃げようとするが、魔素が吸い取られる様な感覚がする。
どんな仕掛けをしているのか知らないけど、それなら固有スキルを使うまでだ。
って、この状況では言葉を発せられないよな。
あれ?詰んでね?
「もう暴れないでボクの洗脳を受け入れなよ。『洗脳』」
やめろー!!!
・・・
これってもう洗脳されてますか?
なんか、洗脳された本人だからなのかあんまり自覚が無い。
身体は自由に動くみたいだし、何が洗脳なのか。
「あれ?全然効いて無いみたいなんだけど。」
焦り始めた女。
ここでの洗脳が失敗しているのだとすれば、計画に大きな支障を来たす事になるだろう。
俺としてはそっちの方が好都合だ。
「何でだろ?うーん、おかしな物は持ってないと思うけど、全部取り外して見るか。・・・って、ん?この指輪取れないな。」
痛い痛い痛いっ!
無理矢理引っ張るから指が鬱血してる!
「はぁはぁっ。このボクを困られるとはね。ええい、こうなったら。」
まさか、俺の指事切り落とすつもりか!?
その方が確実に取られるだろうし。
じわじわと近寄って来る女。
こうなれば、どうとでもなれ。
「自分で外しなさい!」
俺の手の拘束を解いてしまうアホ白衣。
そんな事したら口に付けた布を取って、自由に動き出すに決まってるだろ。
「あわわ。ボク、やらかしたかも?あわわ。」
「よくも俺の事拘束してくれたな。」
「いやー、あはは。ボク、洗脳は得意だけど、戦闘は苦手だから手加減してね。」
頬を赤らめて照れる白衣女。
なんで照れるんだよコイツは。
人殺しは得意じゃないから、とりあえず俺の手に付けられていた拘束具をコイツに付ける。
そして、この謎の施設から脱出する為の案内役兼人質として連れて行く事にした。
仲間を見つけたら叫び出す可能性があるので、口に布を当てるか迷ったが、それだと案内させられないのでやめておく。
「えっとねぇー、まず入口まではこの部屋を出て右だね。」
何でこの女は人質にされてるのに簡単に出口まで案内しようする。
いや、待てよ。嘘を付いて助けが来るのを待つ作戦か?
真偽を見分けられないので疑うしか出来ないが、とりあえず言われた通りに右へと曲がった。
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