第066話 お姫様、就寝の時間です
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「それでね、リューマ!これが私のお気に入りの子なの!」
食事会が終了してかれこれ1時間が経過している。
アルカナ獣の話を聞いた辺りからテンションが上がりまくりのネムリ。
自分の部屋に5人を招いて、動物の人形について詳しく説明している。
この歳の子って意外にも細かい設定とかまで作り込んでいるから驚きだ。
1匹、1匹にきちんと名前があり、バックボーンも存在する。
1人でここまで考えると思うと素直に感心するレベル。
「リューマ、ちゃんと聞いてるの?」
少しの間、考え事をしていたのを見逃さないネムリ。
自分の話はちゃんと聞いてくれないと嫌なのは子供らしい一面だよな。
ちなみに聞き流していたのは事実だが、頭には内容が入っている。
だから、不安そうにしているネムリの問いにも完璧に答えて上げられる。
それが大層気に入ってくれた様で目を輝かせながら補足説明を始めた。
「ネムリ様、そろそろ就寝時間でございますよ。」
「嫌だ!もっとリューマとお話しする!」
これは困ったな。
俺のせいで我儘を言っている状態。
つまり、この場を治める為には俺が何か気の利いた一言でも言う必要がある。
だけど、今まで子供と接する機会なんて元々多かった訳ではない。
ましてや、ここまで懐かれるなんて事は1度も。
アレンテの方へ視線を送ると、どうにかしてくれとアイコンタクトをして来た。
俺の言葉なんかを聞いてくれるかは疑問だが、アレンテの困り果てた顔を見れば、嫌でも寝かし付けないといけないと分かる。
子育てをした事なんか無いから分からないけど、疲れているのは伝わるから。
「そろそろ寝ようかネムリ。」
「えぇー!もう少しだけお話ししたいよ。」
「明日も俺達はいるんだし、今日寝ないと朝起きれないぞー。」
「うーん、分かった。ちゃんと寝る!」
ホッと一安心。
戦っている時より緊張したかも知れない。
ベッドに入ったのを確認して、アレンテに代わる。
俺が寝るまで見届けて上げても良かったのだが、それだとまた人形の話をしたくなる可能性があった。
そうで無かったとしても、絵面がまずい。
「相当好かれちゃったみたいですねリューマさん。」
「分かってんなら助けてくれよ。接し方が難しいんだから。」
「その割には上手い事遊んでたじゃない?もしかして、子供がいたりしないよね?」
「いるか!俺はまだ18歳だっての!」
この国の人々が何歳で結婚するのかなんて知らないけど、俺個人の意見としてまだ結婚は早過ぎる。
確かに金銭的自立はしている状態にある。
しかし、そもそも人生も恋愛も経験が少ない。
そんな状態で結婚だなんて、口が裂けても言えないだろ。
「そんなに必死に否定すると怪しいんだけど。まぁ、良いけど興味ないし。」
「おいって言いたいけど、その方が助かる。」
「俺達が気にするべきなのは、あっちじゃないか?」
ベッドで完全に眠りについた王女。
こんなにすぐに眠れるのかと感心していたが、今日は色んな事があったので、疲れているのは当たり前か。
ここからは交代制でネムリの護衛に当たる。
敵の強さを考慮して、常に2人以上はいる状態を作りたい。
それでも対策としては不十分だが、今日ばかりは睡眠を取らないと今後の動きが悪くなるので仕方ない。
明日以降は騎士団のメンバーとも相談して時間をズラす感じになるだろう。
眠らせたのを確認してからアレンテがこちらへと向かってくる。
「本日は本当にありがとうございました。ネムリ様の命があるのは、貴方方のお陰でございます。」
「今は感謝を述べ合う程、余裕は無い。敵はかなり強いんだ。情報を共有するのが最優先だろ。」
「情報の共有と言うのは?」
「王女が狙われている理由だ。相手は見るからに身代金を目的とした誘拐では無い。だったら、王女が狙われている理由は何だと思う?」
「国王に要求を飲ませる為の交渉材料としてだと思います。」
一見、真っ当な意見に思える。
文字だけ見て考えるとその結論でもおかしくない。
だけど、もう一度あの襲われた時の事を思い返して欲しい。
狙いは完全にネムリだったのは印象深い。
それが目立ち過ぎて忘れかけているが、あの時の
ゲルブは国王を殺すのを躊躇わなかった。
アイツの独断だったと言われればそれまでだが、俺が同じ立場なら真の目的である国王へ軽率に刃は向けない。
「いや、恐らく国王への要求は1つも無い。金品も必要としない。アイツらが欲しいのは、純粋に王女だけだろうな。」
「ちょ、ちょっと。待ってくださいよ。私、話の流れが読めないんですけど。」
「理由は分からない。王女にとてつもない力が秘められているのか、何かしらの儀式に使うのか。ただ、分かるのは王女だけを狙っている。そうでなければ国王を殺そうとはしないだろ。」
「あっ。」
何かを思い出したかの様にアレンテが声を漏らした。
しかし、あまり口に出してはいけないことなのかパッと口を閉ざす。
だけど、タイミングが悪過ぎる。
事が大きくなり過ぎたこの状況でどれだけ些細な事でも隠していいはずが無い。
「知っている事は全部吐け。」
「クッ、私は国王様へあの事は秘密にすると誓ったのです。」
「もうやめておきましょうエルマードさん。言えない事の1つや2つありますよ。」
人の感情に寄り添う優しきエルフ。
ただ、俺も今回の件は見逃せない。
ネムリの力を知れば、敵の陰謀も分かる可能性がある。
それは情報戦の中で大きな有利へと変わる。
「悪いけど、同情をしている暇は無いんだ。」
「もう良いアレンテ。リューマにはこの話をしてあげなさい。」
国王が部屋に入って来た。
娘の様子を確認しに来たら、偶然俺達の話が耳に入ったのだろう。
「ネムリ様は神の御告げを聴けるのです。」
「神の御告げ?神父とかがよく言う奴か。」
「それよりもより具体的で的確な予言です。3年前、王都に起こった津波の被害を最小限に抑えた事があるんです。その功績は、国王様の迅速な対応とだけ伝えられましたが、実際は神の御告げを聞いたネムリ様の功績が大きいのです。」
「本人は厄災の時にしか使えない神の御告げを大層気味悪がり、普段は勝手に使用されない様に気をつけているのですけどね。」
神の御告げを悪用したい集団って訳か。
未来予知にも近しい能力を手に入れたら、世界を破滅に導くのだって容易だ。
これは何がなんでもネムリを守らなけばならない。
「敵があれだけ本気で王城を攻め込んで来たのも納得だな。それだけ欲しい力なんだろ。」
「納得してる場合か。つまりは、強大な悪が絡んでいるってことじゃねーか。」
「慌てる様なことでは無いだろ。お前がいるんだから。」
「俺だって万能じゃないぞ。固有スキルにも弱点は存在する。相手がそこを突いて来れば負ける事だってあると思ってくれ。」
相手の強さは半端な物では無かった。
魔王軍十二席より強いかと聞かれたらすぐさまノーと言えるけれど、その辺の魔族には匹敵するだろう。
だから、油断は出来ない。
全力を尽くすのは大前提としてあるが、24時間ずっと側にいるのは不可能なので、出来れば早めの解決を願うばかりである。
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