第061話 優しい国王は本当に存在するのか
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「国王様、お客様をお連れしました。」
アレンテが豪勢な作りの扉をノックする。
「客人?私が誰か呼んだかな?」
低い声の男が中でもそう問い返した。
「私達が道中で襲われた際に助けていただいた方です。私の勝手な判断ながら一度国王様にもお会いしていただきたくお連れいたしました。」
「おぉー!そうかそうか!是非とも入りなさい。」
扉越しではあるが、気難しい人では無いと分かる。
扉が少しずつ開かれる。
それに伴って俺の緊張も増して行く。
偉い人に会うと言う事は無礼な態度が無いようにしなくてはならない。
敬語とかってどうすれば良いんだ?
です、ますを付けておけばとりあえず問題無いか。
じゃあ、部屋に入る時の足は?右?左?
「大丈夫だよ、リューマ。お父さん優しいから。」
俺の緊張を汲み取って声を掛けてくれるネムリ。
年下に気を遣われるなんて情け無い話だ。
少しは堂々と胸を張ろう。
悪い事した訳では無いのだから。
「失礼します。」
「君が娘達を救ってくれた英雄か!いやー、凄まじいオーラを感じるねー!」
見た目は50代の普通の男性。
年相応の小太り具合で、目には笑い皺が出来ている。
着ている服や付けているアクセサリーが高価な事でしか王族だと判断が出来ない見た目だな。
それにしても、この国王は寛容な人だ。
いくら王女を助けたとは言え、見ず知らずのどこの誰かも分からない男を迎え入れるだろうか。
適当なメイドに金の受け渡しを任せて帰らせるのが妥当だ。
「あのね、あのね!リューマが私の事を助けてくれてね!それでね、それでね!」
「落ち着いて話しなさいネムリ。ちゃんと聞いているからね。」
「うん!」
微笑ましい家族の光景。
邪魔しない様にこの場にいる全員が黙って見届けていた。
その後、それとなく事の詳細を国王に伝えるアレンテ。
話を聞いて状況を把握した国王の顔を曇っていた。
それもそのはず、いくら助けがあったとは言え、娘が襲われた事実は変わらない。
ましてや、相手は自分の用意した護衛はほぼ壊滅させたのだ。
褒められた事では無いが、実力はかなりある集団の犯行。
いくら、あの6人を殺したからと言って組織の人数も目的も把握出来ていない今、夜も安心して眠れない。
「おっと、すまない。リューマ、君が助けてくれたおかげで娘は今生きている。ありがとう。お礼として、君が望む事を1つ叶えよう。勿論、私が実現出来る範囲だけどね。」
「それってかなりの報酬ですね。俺は偶々遭遇して助けただけなんですけど。」
「いやいや、何を言うんだね。娘は死に掛けたんだから当たり前の事だよ。娘の命より重い物はないからね。」
なんと良い父親だ。
ラノベとかで見る利益だけを追求した小汚い国王とは違い、家族愛に溢れた暖かい人だと分かる。
それにしても何でもと言われると困る。
お金を出してくれるなら受け取るだけで事を終えられるが、何でもとなると何か考えなくてはならない。
パッと要求を言えと言われて思い付く様な物は。
思い付かない間の空気が耐えられない。
この沈黙は完全に俺の答え待ちだ。
いくら何でも良いとは言えど、あまりにも無茶な要求をするとアレンテに首を刎ねられる。
「決まりました。ここにあるかは分からないんですけど、鉱石が何でも良いので欲しいです。」
「鉱石?それで良いのかい?」
「お二人を助けたのも、実は毒花の沼地を目指している途中だったので。危険な場所へ今から行くよりは、ここでいただけた方が嬉しいですね。」
「そうか、そうか。いくらでも持って行きなさい。」
執事を1人呼び出し、鉱石を取りに行かせる。
咄嗟の思い付きで頼んでみたが、案外楽しみだ。
異世界の鉱石と言えば、有名なのはミスリルやオリハルコンか。
その世界特有の鉱石だったとしてもテンションが上がるな。
ドラゴンの武器を作るなら火が出る様な特殊な石とかあったりしないだろうか。
あった所でそんな貴重そうな物くれる訳が無いけど。
「お待たせ致しました。」
持ってこられたのは3つのアタッシュケース。
その中には綺麗に敷き詰められた鉱石があった。
何だ、この量の鉱石は。
「いやー、まさかまさかリューマ、君が鉱石を求めているとはね。実は私、鉱石を集めるのが趣味なんだよ。鉱石と言うのは奥が深くてだね。」
「まだ始まった。お父様の鉱石の話。」
周りの人の反応を見る限り、やれやれって感じだ。
もしかして、俺は触れてはいけない琴線に触れたのか。
しかし、呆れている周りと俺は違う気持ちだった。
国王の気持ち、俺はすごい分かるよ。
これだけの種類の鉱石を淡々と説明出来るのは愛がある証拠。
貰うのも悪いとさえ思えるぐらいだ。
「これはオリハルコンで、こっちがミスリル。有名な鉱石で、高価ではあるけど意外と数が出回っているから入手は用意なんだ。」
「本物のオリハルコンやミスリルってのはこうなっているのか。」
「分かるのかい!君にはこの鉱石の良さが!」
やばい、国王の鉱石魂に火を付けてしまった。
護衛があちゃーみたいな顔してるよ。
ここから絶対長くなる。
その後も1個ずつ説明をされたが正直大まかな内容しか頭には入って来ない。
全部良い所を力説するので、どれが良くてどれが悪いのか。
悩み所だな。
こうなるならルクスに、おすすめの鉱石を聞いておくべきだった。
3分間の長考の末に俺は1つの鉱石を手に取る。
「魔素石か。それは中々面白い鉱石を選んだね。」
「手間は掛かるだろうけど1番可能性を秘めてると思いましたので。」
魔素石。
名前の通り、魔素に関係している石だ。
人の放出した魔素に反応して吸収する。
吸収した魔素の量に合わせて硬度や性能を変化させるらしい。
実用性のあるレベルまで魔素を注ぎ込むのはかなりの時間を要するみたいだが、それでもこの鉱石にロマンを感じる。
魔素石を袋に入れて手渡された。
俺の中では勝手に1、2個貰えば良いと思っていたが、まさか10個も貰えるなんて。
やっぱり王族と言うのは太っ腹だな。
「時としてリューマくん。君には折り入ってお願いがあるんだ。」
これは嫌な予感がする。
しかし、逃げられない。
お礼とは言えど、物を受け取ってしまった以上断り難い。
意外と策士なのか国王は。
「まずはこれを。」
見せられたのは1枚の紙。
内容は王女ネムリを誘拐すると書かれている。
今回の一件もこれに関連していると考えるのが妥当か。
予告状をわざわざ送り付けるなんて、余程自信がある奴の犯行だろう。
さて、この紙を見せられたと言う事はこの先の展開は読めている。
賊から王女を救い出した俺に護衛を頼みたいのだろう。
しかし、二つ返事する訳にはいかない。
俺には仲間がいる。
個人的には受けても良いと思っているが、他の3人にも聞いてみない事には了承出来ない。
「娘を守っていただきたい。」
「俺には仲間がいるので聞いてみないと分かりませんが、大体どのくらいまでの期間の話でしょうか。」
「私の優秀な近衛兵達が捜索にあってるけど、詳しい日数は何とも。だけど、せめて一週間は守っていて欲しい。その間に絶対捕まえると約束するよ。」
「分かりました。前向きに返事をしたいので、1度リッドナーブルに戻って仲間を連れて来ます。」
「本当にありがとう。」
大事に巻き込まれてしまった。
このまま仲間を王都へ連れて行くにしても事情を説明する必要がある。
そうなるとアイリス辺りが怒りそうな予感がする。
テンに乗ってリッドナーブルに戻る道中、言い訳ばかりを考えた。
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