第059話 武器が無いって相当ヤバい
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俺達は1日の休暇に入った。
パーティとして動いてばかりだったので、こうやって1人の時間を作れるのは貴重だ。
とは言え、完全に自由とまではいかない。
次の冒険に備えて準備をする為に作られた時間でもある。
休みと聞いて真っ先に向かったのは龍門館。
ルクスというドワーフが経営している鍛冶屋である。
ダンジョン内で鬼丸を失った。
あれと同じレベルの武器というのは、絶対に手に入らないだろうが近い物は作れるだろう。
なんでそんな自信があるかって?
今の俺は途轍もない素材を持っているからだ。
ダンジョン12階層に現れたドラゴンの牙と鱗。
どんなラノベでもドラゴンの素材で作られた武器は強いと相場が決まっている。
ワクワクとした幼心を胸に勢い良く扉を開けた。
待ってろよ!まだ見ぬ新しい武器よ!
「無理だ。」
武器の作成を依頼して開口一番に言われたのはたったそれだけだった。
鍛冶屋ならこんなにも珍しい素材に目を輝かせながら、二つ返事で武器を作るはずだ。
まさか断れると思っていなかった俺は固まって動けない。
「剣でも刀でもよ、刃先に必要な鉱石が足りなねぇー。それだけじゃ、精々作れて立派な持ち手ぐらいだろうな。もしも、それで良い物作りてぇーなら防具にしときな。」
「防具じゃ意味ないんだよ。」
「なんでだ?そもそもお前、鬼丸を持ってただろ。あれがあれば他の武器なんて・・・」
視線が俺の鞘に移ると会話が止まった。
あっ、そもそも鬼丸を無くした事を説明していなかった。
「おいテメェー!鬼丸はどうした!まさか無くしたとか言わねぇーよな!?」
さっきの冷徹な怠惰はどこへやら。
カウンターから身を乗り出して、今にも拳を飛ばしそうだ。
目を見開き、返答は待ってくれている様子。
これ、少しでも回答を間違えたら死ぬやつかだ。
一瞬、鬼丸は宿に置いて来ていると嘘を吐こうかとも思ったが、鞘だけ持っている時点で怪しい。
真実を語るしかないと諦めた俺は、素直に事情を話した。
腕組みをして黙って聞き届けるルクス。
目付きは恐いが、今の所怒られてはいないからセーフか?
「魔族か。それも魔王軍十二席。生きて帰って来ただけでも奇跡だな。うーん、良くはないが魔族が保管している可能性があるなら、取り戻すのも可能。その為には武器を作ってやる必要があるか。」
話が早くて助かる。
しかし、納得して貰ったとしても鉱石が無いのは事実。
武器を作る為にはここから鉱石を取りに行く必要があるか。
「鉱石ってどこで取れるんだ?」
「あ?鉱石?その辺の洞窟で取れんだろ。上質な鉱石って意味なら毒花の沼地って場所にある洞窟だな。あそこは人も魔物もあんまり近寄らないから良い鉱石が眠ってる。」
「名前からして危険なんだけど。」
「そらそうだ。魔物が少ない代わりに毒性の植物がうじゃうじゃ。必要な道具揃えてからじゃねーと厳しいだろうな。まぁ、そんだけの労力掛けるより市場で買った方が良いだろうよ。」
ルクスは市場を勧めて来た。
労力を必要とせずに入手出来るのは魅力的だ。
丁度、金銭面に関しても持ち合わせがある。
1億5000万ゴールドもあれば、それなりに良い鉱石が買えるだろう。
ただ、心配な点も存在する。
それだけ高価な品物になると偽物が出回っている可能性も高い。
どこの世界でも金が絡めば汚くなるのは一緒だろうからな。
「市場は興味があるけど、自分で集める事にする。道具は何が必要なんだ?」
「必要な道具は、ツルハシと毒避けだ。毒避けはピンからキリまである。毒花の沼地に行くなら、それなりのやつを買った方が良いぜ。まぁ、後の詳しい事は分からんからモルットの魔導具店で聞くんだな。」
「モルットの魔導具店?」
「んだよ。そんなのも知らねーのか?この街1番の魔導具店だよ。ちょっとばっか気難しいババアがやってるな。」
普段は無愛想に見えるドワーフだが、案外親切に教えてくれる。
道順から店の外装なんかまで。
これだけ教えて貰えればとりあえず迷う事は無い。
色々教えて貰ったお礼に少しばかり買い物をして店を出た。
鬼丸を奪われた事には相当お怒りの様子だったが、最終的にはドラゴンを使って武器を作れる楽しみが勝っていたみたいで何より。
人もまだ少ない朝方。
教えられた道を思い出しながら進んでいく。
すると、思っていたよりも日の光の通らない裏路地へと辿り着いた。
ルクスはここがこの街1番の魔導具店だと言っていたが、これ以外の魔導具店を知らない可能性が出て来た。
古びた看板と人を寄せ付けない老朽化した外装。
オープンの立札が無ければ、営業しているかどうかも怪しい物だ。
恐る恐る扉を開く。
人の気配はある様だ。
「客かい?珍しいもんだねぇ。勝手に見て行きな。」
怪しいローブに掠れた声。
辛うじて見える頬は明らかに老いて弛んでいる。
魔女って言う種族がいるのだとすれば、確実にこの老婆は当て嵌まるだろう。
「何だいレディーの顔をジロジロ見て。失礼って言葉がアンタの辞書には無いのかい?」
「ルクスからここが1番の魔導具店だと聞いて来たけど、何かの間違いか?」
「あのジジイはそうやってアタシを冷やかすのさ。騙されたアンタも可哀想ないもんだね。1番って言うなら、街の大通りにあるエレキ商会の魔導具店へ行きな。そこなら大抵の物は取り扱いがあるだろうよ。」
名前からしてエレキ商会って所は経営力が高そうだ。
だからと言って、物が良い訳ではない。
利益を出す為には消費者のニーズにあった商売をしないといけないはず。
その結果、商品の品質を落として値段を引き下げる事だってあるだろう。
何より移動が面倒だと言うのもある。
ここで魔導具を買えるなら、ここで済ませるのが無難だ。
それにルクスから紹介で来た手前、他の場所で買い物するのも悪い気がする。
「毒を対策出来る魔導具はどこにあるの?」
「アタシはお節介なルクスと違って客の世話すんのが嫌いなんだよ。まぁ、毒花の沼地へ行く為に使う毒対策の魔導具はすぐそこにあるから教えてやるけどね。」
指で場所を指差す。
確かに俺の近くにあるから、わざわざ店主が動かなくても探せるな。
「ん?何で俺が毒花の沼地へ行くって分かったの?説明なんかしてないけど。もしかして、尾行してた?怖ッ!」
「簡単な推理だよ、簡単なね。ルクスの紹介って事は鍛冶屋へ寄ったって事。その何も入ってない鞘を見る限り武器でも作るか買いに行ったんだろ。鍛冶屋からここへ来たのに、結局武器も持たずに毒対策って言ったら、自分で鉱石集める為に毒花の沼地へ行くしか考えられないでしょうが。あのジジイすぐ人に毒花の沼地を勧めてはアタシの所に人を寄越しやがる。」
なるほど。あのドワーフがここを勧めるのはどうやら俺が初めてではないらしい。
老人達の嫌な恋愛事情が見え隠れしている様な気がして、ちょっとだけ吐き気がして来た。
誰得なんだよ、そのストーリーは。
これ以上は考えたくも無いのでさっさと毒対策の魔導具を購入して立ち去る事に。
「はい、毎度。そうだ、アンタまたあのジジイの所行くなら2度と人を寄越さない様に言っときな。」
「あいよー。」
覚えていたら伝えておくか。
それよりも鉱石、鉱石!
どんなすごい鉱石が眠ってるのか楽しみになって来た。
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