第053話 神に近い偽物
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「先手必勝!『斧術』"天地割り"!」
先に攻撃は仕掛けたのはアイリス。
狐1匹に全力で戦っているが、これはごく自然な事。
斧は偽オリジンに僅か数ミリ届かない。
この現象はダンジョン攻略中に見た雪男と同じだ。
薄い膜の様なバリアを張り巡らせている。
これを破壊するのは相当な苦労が強いられるだろう。
オリジンから抽出した力なのか、それとも雪男から奪い取ったのか。
どちらにせよ、ダンジョンの厄介を全て煮詰めた様な敵だとしたら面倒くさい。
「私にはアルカナ獣と同等の力を使えます。それが何を意味しているか分かりますね?」
「神に近い力とでも言いたいのか。」
「御名答。つまりは、勝ち目は最初から無いも同然なのです。」
「だったら残念だな。俺も神に近い力を持っているんだよ。神聖なる力を持ちて、悪に染まる堕天。神を穿ち、成り代われ!"真神交代"!」
黄金の光は暗く染まり邪悪な塊になって行く。
恐ろしく禍々しい力はやがて1つの生命体へと変貌する。
小さな影人間。
自分で言うのもアレだが、顔が俺にそっくりで腹立たしい。
何も喋らないけど、意気揚々としているのは伝わって来る。
そのままフロアボスに突進。
軽くパンチをする小人だったが、威力は冗談では済まない。
それでも、有能なバリアが邪魔をして攻撃は無効化されている。
やはり、俺の攻撃は通用しないのかと絶望している時だった。
小人の顔は怒りの表情へと変わる。
そして、偽アルカナ獣に何度も拳をぶつけ始めた。
鬼の形相と言うのはまさにこの事。
「なるほど。これが神族が与えた力ですか。」
馬鹿野郎。
こんな所でその話するんじゃねーよ。
仲間に聞かれたら気まずいだろ。
まだ、俺の素性を詳しく話していないのを知らないだろうから、悪意は無いんだろうけど。
次、いつ口を滑らせるか。
その恐怖とも戦わないといけない。
「いくぞ、イリミ。連携して気を散らす。遠距離から出来るだけ手数の多い攻撃だ。」
「了解です。『炎魔法』"プチファイア"!」
無数の炎と弾丸が偽アルカナに向かって飛んでいく。
勢いが凄すぎて、弾幕の中の状況がどうなっているのか全く確認出来ない。
人間程度ならあれで生きているはずが無いけれど、生きているだろうな。
アルカナ獣がどれほど強いのかは分からないが、神に等しいと豪語する程だ。
島とか指1つで簡単に破壊出来そう。
「ちょっとだけやかましいですね。」
小さく鳴くと全ての攻撃が消え去る。
まるで最初から何も無かったかの様に。
スキルを使わずともノータイムで力を使えるのか。
それで俺らを殺す事は出来ないにしても強すぎる。
「ど、どうなってるんだよ。こんなのが相手とか無理だろ。俺は、俺は逃げるぞー!」
余りに過酷な戦いに、馬鹿が1名扉に向かって走り出した。
そんな事をしても逃げ場は無い。
フロアボスを倒して攻略するか、ここで死ぬか。
2つに1つ。
勿論、こんな所で死ぬ訳に行かない。
つまり、実質の選択肢は1つだ。
「クソッ、なんで開かないんだよ!こうなりゃ、ヤケクソだ!」
大声で叫びながら偽アルカナ獣へと刃を向けるタタル。
その度胸だけは評価するが、杜撰な攻撃は当たるはずが無かった。
このままでは、偽アルカナ獣の怒りを買って人間の三枚おろしが出来る可能性がある。
黙って見過ごす訳にもいかないので、エルマードが一発撃つ。
少しでもこっちにも意識を割けば、傷が浅くて済む可能性だってある。
「なッ、なんですか。」
意外な結果だった。
エルマードの弾丸は背中に当たる。
今までは完璧に攻撃を防いでいたはずの偽アルカナ獣。
何故、この一撃だけは避けられなかったのか。
それを解明出来れば俺達にも勝機が見出せる。
「クッ、まずはこの男からリタイアさせましょう。」
「ククルッ!『盗賊』"縄使い"」
全身にロープがぐるぐる巻かれる。
そして、一瞬でエスクの下まで運ばれる。
スキル名が盗賊なのが完全に犯罪者向けで気になるが、使い所は沢山ありそうだ。
何も無い所からロープを生み出せる様になれば、もっと使い勝手が良いだろう。
「自暴自棄にならないで!タタルがいないと困るのよ!」
「で、でも、あんな奴を倒すのなんて不可能だ!」
不可能?そんなはずが無い。
確かにフロアボスはアルカナ獣を模して作られた生き物。
当たり前の様に強い。
だが、所詮は偽物。
どこかには勝てる隙があるはずだ。
その証拠にエルマードの弾丸は当たっている。
「よくも私にキズヲ付けたナ。」
急に喋り方がおかしくなるフロアボス。
どうなっているんだ。
「ワタシが神二なる。それが唯一ノコウフク。」
受けるはずの無かった一撃を受けて、暴走モード突入か?
どんだけ繊細なんだよ。
そこら辺のぴえん系でももう少し耐久値あるぞ。
「おい、お前のせいで怒ってるぞフロアボス。」
「あれで怒るのか。意外と器が小さいらしいなフロアボスは。」
「お前、挑発するなよ。怒り出しても知らないからな。」
「カミであル私ヲ侮辱するのカ?コロシてやろう。『神力』"救済"」
光の斬撃が飛んでくる。
鬼丸があれば受けて立つんだが、今の俺は武器無し。
一々、長い詠唱をして相殺するのは効率が悪い。
同時進行妄想もあるが、あれを受け止めれる程の威力があるかは怪しい。
俺とエルマードは二手に分かれて避けた。
深い意味は無いがバラバラに逃げるのが戦闘の基本だと体が覚えているらしい。
光の攻撃は、迷わず俺の方へと追尾してくる。
なんでエルマードの方じゃないんだよと内心で思いながら、この状況を打破する方法を考えていた。
「これくらいアンタならどうにか出来るでしょ!」
「おぉー!助かったアイリス!」
「なんでアンタの手助けなんてしないといけないのよ!出来るならエルマードが良かった。」
口ではそう言いながらも助けに来てくれる当たり親切だな。
「限界よ!アンタも手伝いなさいよ!」
「分かってる。獣の素質を持った人の子、肉に飢え、牙を剥け!"獣の宴"」
アイリスとはまた違う獣の姿へと変貌を遂げる。
鏡が無いから全身がどうなっているのか分からないけど、察するに熊の獣人の姿になっているのだろう。
「アンタ、最初から獣人だった訳?」
「これはそういうスキルだ。」
「余計に意味が分からないわよ。」
「そこの所は深く散策しないでくれると助かる。」
武器は無いが、獣人化した事で武器の代わりになる爪が生えている。
アイリスと一緒に偽アルカナ獣の攻撃を防ぐ。
ようやく光の斬撃は止まったようだ。
二人掛で無いと止まらないとかどれだけ強い攻撃だよ。
「『水魔法』四重発動"アクア・ゼロ"!」
前回の失敗を活かし、気絶しない様に調節して四重の魔法を放つ。
「キカない。『ハッキング』"スキルアクシデント"」
偽アルカナ獣に届く事すら叶わず、爆発して消え去る。
あれだけのスキルを一瞬で。
やはり、何かしらの工夫が必要か。
ここまで戦って与えた傷はエルマードの弾丸だけ。
勝ちに繋がる希望は見えていない。
まずは、どうすれば攻撃が入るか。
そこを探る所から始めよう。
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