第052話 生存者2名は犯罪者
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「いましたー!ここにA級冒険者2名!しかも、生存しています!」
まさか生存しているとは思っても見なかった。
失礼な話にはなるが、ここの階層で生き残れるのは1%にも満たない確率だと断言出来る。
「・・・死ぬ。俺は死ぬんだ。」
「た、助かったのよ!タタル!」
行方不明は3名。
ここにいるのは男女2名。
残りの1名がどの様な結末を辿ったかは言うまでも無い。
男性冒険者は恐怖に怯えて、まともな会話が出来る状態に無い。
当たり前と言えば当たり前か。
ここに来るまでに多くの仲間を失い、迷い込んだ最下層には勝てるはずの無い魔物。
正気を保てと言う方が難しい。
「大丈夫よタタル。きっとこの人達は強い。落ち着いて、落ち着いて。」
女性冒険者は対照的に冷静だ。
手足の震えを見るからに、恐怖の感情があるのはまず間違い無い。
それでも隣の男を励まし、落ち着かせるのは周りに気を配れている証拠。
決して、男の冒険者を否定する訳では無いが、精神面だけで言えば彼よりは強いだろう。
「どうやってここまで来たかは覚えていますか?」
「・・・魔族だ。魔族がいたんだ。ア、アイツらが、無理矢理ここまで。」
ここまで俺達を誘導する為に連れて来られた可能性があるな。
そんな事を口走ってしまえば、怒り狂って俺達に掴み掛かって来る可能性があるので、口が裂けても言えないけど。
巻き込んでしまった可能性はあるが、魔族の調査として派遣されている以上仕事だ。
ある程度のリスクがあるのは承知の上だろう。
「助けてくれ。もうここから離れたい。」
「私からもお願いします。タタルがこれ以上精神的負担を掛けてしまえば、今後の生活にも支障が。」
「そうしたいなら1人で帰ってくれ。俺達は今からやらないといけない事がある。」
「待ってください!助けに来たんじゃ無いんですか?」
「助けに来たが、俺達にも事情がある。赤の他人かパーティメンバーの事情。どちらを優先させるかは明らかだろ。」
冷たく遇らうエルマード。
俺の為に言ってくれていると思うと心温まるが、彼等の立場になって考えると血の気が引くほど冷徹。
人の血が通っているのかどうかも怪しい程だ。
何も言えなくなってしまった2人。
自分の立場がどれ程弱いか再確認したのだろう。
ここではギルドの肩書きは何の指標にもならない。
戦って実力を示すのみ。
隅に蹲ってガタガタと震えていた人々がとやかく言えるはずが無い。
「残るなら残れ。魔物に喰われるかも知れないが、この先に進むよりはずっとマシかもな。」
「そんなはず無いだろ。ドラゴンだっているんだぞ。パクりといかれて終わりだよ。」
「もしもの時は何とかしなさいよ。アンタ達腐ってもA級でしょ?」
「あー、いえ。俺達はですね。えっと、A級冒険者のギルドカードを勝手に持ち出して、今回の高額依頼に乗り出したんです。」
・・・?
何を言い出すかと思えば、とんでも無いことを言い出した。
まさか、最後の最後まで生き残っていたのは本物のA級冒険者では無く、犯罪者2名だったとは。
「でも、ギルドカードって私も持ってますけど、本人確認されたらバレませんか?」
「詳しく調べれば分かるけど、依頼の時の照合なんか名前と顔見るくらいなのよ。つまり、顔を変える系のスキルがあれば、いくらでも誤魔化せる。」
「はははぁ、そ、そう言うことなんですよね。」
「はははじゃないわよ。それ、ギルド登録停止級の犯罪だから。で、本当のランクは?」
「C級です。」
C級冒険者か。
決して低いランクの冒険者では無い。
こんな危険な依頼を無理して受けなくとも、地道に稼げばそれなりの生活は保証されている。
何か理由があるのか、単純に金に目が眩んだか。
どちらかは分からないが、自分の意志でここまで来ているなら自分でケツを拭くべきだ。
「同行します。」
「下手すれば、いや、下手しなくとも死ぬ世界だぞ、ここから先は。」
「どうせここにいたって死にますよ。」
「否定はしないわ。」
「同じ死ならせめて抗いたい。そうだ、俺には目標がある。だから、ここで死ぬ訳には。」
確固たる決意を決めたタタル。
そんな感動的な瞬間に申し訳ないが、どこまでの実力を持っているのか。
足を引っ張る様な事があれば、容赦無く捨てて行くつもりだ。
何回も言っているが簡単に攻略出来るはずが無い。
時にはエルマードの様に残酷になる事も必要だろう。
「生きて帰ったら自首します。」
「そうね。私達ここで生きて帰ったら、今後は真っ当に生きましょう。」
盛大な死亡フラグ。
これが映画のワンシーンなら真っ先にいなくなるぞ。
新たに2人を率いて12階層を探索する。
魔物も所々襲って来るが、こちらの戦力も負けていない。
意外にもC級冒険者でも戦えている。
動きがA級と同等だ。
案外まぐれでここまで来れたと言う訳でも無さそうだな。
こうなって来ると素性が気になる。
能力値だけで言えば完全にC級では無い。
それなのに、C級と名乗る必要があるのは何故か。
好奇心は猫を殺す。
そんな言葉もあるくらいだ。
これ以上詮索するのはやめておこう。
「さて、結局最後のフロアボスに繋がる扉が見つかったか。」
「無かったわね、結局。」
「封印されてそうな場所はどこにも。」
俺もアルカナ獣の言葉を信じて、ここに来ただけで場所がどこなのかも聞いていない。
先にアーティファクトを回収して、その後に探索を進める手もある。
しかし、フロアボスとの戦闘後は激しく消耗しているだろう。
そこから探索を再開すると考えると、どうしても疲労が邪魔をする。
それに、ダンジョンには色々な形態がある。
完全に攻略すると崩壊を始める物だって珍しく無い。
「どうするの?行って見る?」
「そうするしか無いか。捜索を続けていても時間の無駄だろう。」
俺はこの時点でオリジンとの接触を諦めていた。
あちらから接触が無いのだから、これ以上の探すというのにも限界だ。
「最下層のフロアボス。一体どんな奴だ。」
最後の扉は今まで以上に重く感じた。
決して、物理的な話では無い。
ここまで来るのに掛かった苦労や血と汗が扉を重くする。
開かれた扉。
その先に待ち構えていたのは1匹の狐。
どうしてここにオリジンが。
封印の話はどうなっている。
「ようこそ、最下層へ。私はアルカナ獣のDNAによって錬成された試作品。この階層のフロアボスにして、ダンジョンの管理を担う者。」
「アルカナ獣、本物では無いにしろ迫力が違うな。」
「本物よりあるかもな。」
「で、その本物のアルカナ獣はどこにいるの?」
「オリジンならこの奥に封印されています。」
これはラッキーだ。
ダンジョン攻略をすると共に封印の解放まで出来る。
そうなれば俺の役目も終わり。
晴れてこの地獄のダンジョンから釈放される訳だ。
「このまま倒れてくれるなんて事は無いよな?」
「はい、残念ながらその要望にはお応えできません。私を倒した暁にはアーティファクトとアルカナ獣の封印を解きましょう。」
少しの可能性に賭けて通してくれないかと頼んでみたが、ここから先に行くためにはやはり戦闘は避けられないらしい。
武器を取り構える。
恐らくダンジョン内、最後のバトルが始まる。
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