第046話 チートと呼ばれる由縁
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「まだ生きているのかよ。」
「あり得ないとか思ったか?良いねぇー!その表情!絶望に打ちひしぐその顔。堪らなく好きだ。」
エルマードの攻撃は確かに当たっていた。
だからこそ、彼は勝ちを確信していた。
それなのにも関わらず動き出した死体になったはずのフロアボス。
どうやって生き返ったのかは気になる所ではあるが、事実として生きているという現状をまずはどうにかしないといけない。
何も言葉を発さずに息を殺してチャンスを伺う。
相手はエルマードの絶望の表情に気を取られていて、俺の事は頭から抜け落ちているはず。
完全に油断している瞬間を見つけ出して、生き返らないよう粉々に斬り裂いてやる。
「ほら、掛かってこいよ。もう諦めたとか言わないよな?」
持っていた双剣を仕舞い、丸腰の状態をアピールしているフロアボス。
挑発のつもりかも知れないが俺はこの瞬間を待っていた。
後ろからの攻撃。
確実に背後を捉えている。
「ざんねーん!こっちから攻撃が飛んでくるのは予想済み!」
ノールックで蹴りを放つフロアボス。
まさか、俺の方の動向も読んでいたとは。
蹴りで鬼丸が吹き飛ぶ。
武器を失ってしまってしまうのは致命的だ。
ここから武器を取り行くとしても、フロアボスが邪魔をしてくるのは明らかである。
攻撃手段は確かに刀に頼りがちなのは否定出来ない。
ただ、俺の本領はそこではない。
女神から授けられた世界の均衡を崩す程のスキル。
その実力を見せてやろうじゃねーか。
「一撃、空を揺らめかす程に。二撃、大地引き裂く様に。三撃、太陽さえも滅ぼす威力也。真髄、内を表し、外に現る。"朧月龍苑"」
一撃目はフロアボスに当たっていない。
というよりも、当てていないというのが正確だろう。
空気の振動が広がる。
立っているのもやっとな程。
二撃目は敵の目の前を掠めて地面に当たる。
本当であればここで少しでもダメージを稼ぎたかったが、これでも問題はない。
空気も地面も揺れに揺れ、動く事は絶対に叶わない。
硬直した状態で俺の最後の攻撃を待つのみ。
「いきなり力が増しやがった!クソッ!これが最後になるくらいなら思い切り暴れてやるよ!『氷魔法』"氷円輪”!」
「好き勝手に暴れようとするな。俺がいるんだから。」
横から援護が入る。
エルマードの攻撃はフロアボスの攻撃に当たる。
それと同時にフロアボスの頭の上に出現していた氷塊は粉々に。
「お前が活躍する道は作った。後は自分の力で証明しろ。」
「いつも悪いな。」
拳には魔素とは違うオーラが溜まっている。
緑に輝くそのオーラは龍を彷彿とさせ、見るもの全てに力の差を分からせた。
死を覚悟したフロアボスは逃げも隠れもしない。
真っ赤な鮮血が飛び散る。
人の姿であってもこいつは魔物、今まで多くの冒険者を殺してしまっているのだから、ここで死んでも文句は言えない。
そう言えないのだ。
白豹が最後に見せた表情は笑みだった。
「これで5階層も攻略ってことで良いのか。」
「まぁ、動かなくなっているしそう言う事だろ。」
「結構な苦戦を強いられたな。まさか、魔物が人語を話すとは思わなかったし。」
「階層が進めば、これぐらいのことが気にならないくらいになるのかもな。」
「もっと信じられない光景が広がっているとでも言いたいのかよ。」
「別に可能性がない話ではないだろ。」
「全くもってその通りだな。」
今までの事を考えると何か起こると考えている方が無難だ。
普通に次の階層に進めたのは1階層だけ。
正直不安は大きい。
次の階層は6階層。
半分というキリの良さと6という不吉な数字が俺の予感に反応している。
ただ、勝手な杞憂ということも考えられる。
寧ろ、そうであっても貰わないと困る。
5階層でさえ、至る所に傷を負ったボロボロの状態なのに、これ以上アクシデントがあっても対処出来ない。
「あれ?そう言えば2人はどうした?」
イリミとアイリスの姿が見えない。
まさか、あの手下2体にやられてしまったのか。
急いで辺りを確認しに行く。
そんなはずはない、そんなはずはないと何度も心の中で思いながら。
「アンタ達、何探してんの?」
「落とし物でもしたんですか?」
「いや!大変なんだ!イリミとアイリスが!」
「アタシ達がどうしたのよ?」
「だから、いな・・・いるなー。」
目の前にはイリミとアイリス、両者の姿があった。
「生きているならすぐにこっちへ来てくれても良いだろー。」
「冗談も休み休み言いなさいよ。こっちはボロボロの傷治すのに精一杯だったんだから。」
それ、やったのはイリミだろ。
アイリスが回復魔法なんて使ってるの見た事ないし。
でも、あのアイリスとイリミでさえ苦戦を強いられていたとはな。
想像も付かないが実際にそうだったのだろう。
全員揃ったし、これで次の階に進める。
そう思った時、ふとフロアボスの言葉を思い返す。
あいつ、ここで戦うのが久しぶりとか言ってたな。
「待ってくれ。」
3人を呼び止める。
事情を説明して、本当に次の階層へ進むべきかも考える必要がある。
「それが本当なら上の階層にA級冒険者がいたって事?」
「でもでも、散策はしっかりしているので見落としがあったとは思えませんよ。」
俺もその意見と同じだ。
あれだけ探したのに見落としがありましたは、納得出来ない。
しかも、3人も取り残されているのに。
あれだけ探せば、力尽きて死体になっていたとしても見つけられるはずだ。
「隠された何かがあった。それ以外に考えられるか?」
「隠し部屋とか隠し通路ってことか?それなら可能性として考えられるけど・・・。」
「また上を探すって事?」
「うっ、もしも何も無かった時が大変ですよ。」
考えろ。
あのフロアボスの発言は単なる嘘か。
いや、そんな嘘を付くメリットがアイツにあったとは思えない。
あれは完全に興奮していた目をしていた。
そんな奴が器用に嘘を混ぜてくるはずがないのだから。
残された可能性はエルマードの言っていた隠された何か。
僅かの可能性を探る為に今から俺達は来た道を戻るしかない。
「覚悟は出来た。俺が全責任を取る。だから、来た道を引き返そう。」
「全責任を取るって何よ。取れない責任は簡単に口に出さない方が良いわよ。」
「いや、責任は取れる。何もなければ、俺が1人で最下層まで行く。」
「あわわ!そんなの無茶ですよ!」
無茶なのは百も二百も承知の上。
でも、俺が出来る覚悟の証明はそれくらいしかない。
「ハァ、分かった、分かったわよ。行けば良いんでしょ?」
「俺も賛成だ。このまま下の階へ降りても良い結果は無さそうだからな。なら、可能性に欠けてみるのも悪くない。」
結果的に1人を除いて賛同を得られたので安心する。
イリミは来た道を戻るなんて信じられないと言わんばかりの顔をしていたが、後で何か美味しい物をご馳走してやると言ったら渋々了承した。
食べ物だけで釣られるのはどうなのかとも思うが、今は指摘しないでおこう。
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