第045話 他とは違う魔物
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「『氷魔法』"アイスエッジ"!」
いきなりスキルを飛ばして先制攻撃を仕掛ける白豹。様子見の技なのか俺の動体視力でも余裕で見切れる。
走って避けながらも鬼丸の刃が届く距離まで近付く。
白豹に慌てた様子はない。
攻撃出来るならしてみろと言わんばかりの表情だ。
喋るだけでは飽き足らず、挑発まで覚えているなんて小賢しい魔物だな。
お望み通り、極寒の中でも暖まる一撃をお見舞いしてやるよ。
「"映像模倣"!」
思い浮かべるのはとあるアニメのキャラクター。
そいつは物語の主人公で、たった1本の刀を人生掛けて愛する変態。
視聴者が置いてけぼりになるほどの刀愛を語るので、評価は然程高くなかった。
それでも、惚れ惚れとする刀の扱いを見て当時の俺はテンションが上がっていたのをよく覚えている。
力を貸してください、北御門宇治氏様。
「良い刀してるなぁーこいつぁー。」
「雰囲気が変わったな。だけど、それくらいで勝てるようになるのかよ!『氷魔法』"グランドブリザード"!」
地面を一瞬にして凍らせる程の威力を持った氷の塊がいくつも空に浮かんでいる。
当たれば、地面と同じようになるのは言うまでもない。
加えて言うなら、この数を避けるには相当の気力が必要だ。
だから、迎え撃つしかない。
「これまた奇怪。喋る獣に浮かぶ氷塊。真に起きた事か、妖か。どちらにせよ、興味が湧いて出る事は違いない。」
「ゴチャゴチャうるせぇーのは嫌いなんだよ!」
言葉と同時に氷塊は動き出す。
意識を持った生命体の様に、執拗に俺の事を狙っている。
逃げ回るよりも、全部を真正面から受け止めた方が早いと判断して、強引に刀で受けて突破する。
白豹もまさかそのまま来るとは思っていなかったのか、俺の攻撃が少し掠めた。
お互いに擦り傷を負った状態。
五分五分とは言い難いが、勝てない相手でも無い。
映像模倣で技術はカバー出来ている。
足りていない要素があるとするなら、知恵。
異世界の知らない力が俺を苦しめる可能性がある。
実際、魔素を知らなかったら雪男に勝てたかどうかも怪しい。
映像模倣が解ける。
普段よりも継続時間が短い。
「どうやら俺はこのガキの事舐めていた見たいだなー。ちょっとは本気見せてやるよ。」
「今までが遊びだったみたいだな。」
「遊び?いや、それにも満たない。」
白豹は少し後退して距離を取り、何やら異様なオーラを纏い出した。
魔素とは違う禍々しいオーラ。
ここで止めなければいけないとは思いつつも、近寄れば確実に死ぬと感じ踏み込めない。
吹雪が白豹を包み込み、姿を隠す。
そして、吹雪が晴れて中から姿を現した元白豹。
「やっぱり、この姿は戦いに特化した体だよな!人間!」
完全に人型へと変貌を遂げたフロアボス。
手には氷で出来た双剣を持っている。
これが本気の状態か。
確かに豹の状態の時よりも威圧感がある。
恐らく、強さはS級冒険者に匹敵するだろう。
「まずは、『剣術』"ツインクラッシュ"!」
超至近距離まで詰められて、怒涛のラッシュ。
何とか防ごうと試みるも、完全には防ぎ切れずに傷が増える一方だ。
痛い、痛いが慣れた。
まだ耐えろ。
スキルを使ったということは、必ず攻撃の切れ目があるはずだ。
「って、いつまでチマチマ攻撃しているつもりだよ!」
「ずっと俺のターンだッ!」
「ふざけんな。来い!"風纏の賢鳥"!」
短い文で呼べるテン。
いつもお世話になっているが、今回のはフェイク。
俺の視線が後ろに向いた事で咄嗟に反応を見せるフロアボス。
何も無い事を確認して、罠だった事に気付いたみたいだ。
こんな古典的な罠に引っかかるなんてまだまだだな。
血飛沫が舞い、大傷を負わせる。
そんな未来を想像していたが、現実はどうやら違うようだ。
鬼丸はフロアボスの片手で止められてしまう。
再度、攻撃を仕掛ける為に振り解こうとするが、握力が強いのか全く動かない。
このままだとやばいと思い、鬼丸から手を離そうとするよりも先に吹き飛ばされる。
どんな馬鹿力してれば、刀ごと持ち上げて投げられるんだよ。
鬼丸を地面に突き刺し、勢いを殺そうと試みるがそれでも止まらず、岩場に衝突してようやく止まった。
「楽しいぜ!戦いってのはよぉー!『人化』のスキルを与えてくれたあの人には感謝してもしきれないぜ。」
「調子に乗りやがってよ。」
「苦戦してるな。」
聞き覚えのある声が俺の後ろから聞こえる。
「へぇー、もう少し時間が掛かると思っていたが、早かったじゃねーか。」
「あんな獣1匹で止められると思われていたとは、舐められたもんだな。」
「あれでもA級と同等に渡り合える実力のある魔物だぜ?」
「それじゃあ、足りないって言ってんだよ。俺を倒したければもっと強い魔物を用意しろ。」
「生意気なこと言ってくれるじゃねーか。」
エルマードの参戦は俺の元気と希望を与える。
ただ、数が2人に増えただけじゃない。
それ以上の力が生まれている。
エルマードが接近戦に持ち込む為に走り出す。
俺もそれに合わせて走り出し撹乱を図る。
いくら実力があろうとも体は1つしかない。
左右からの攻撃を仕掛けられてしまえば、対処するのが容易で無いのは明らかだ。
まずはエルマードの一撃が届く。
至近距離での発砲だったが、当たり前のように避けられる。
しかし、体を逸らした瞬間を見逃さず、俺が追撃を仕掛けた。
横一閃、確実に胴体を捉えている。
「甘いぜッ!」
体勢をより低くして足元を狙われる。
刀を降ってしまっているので簡単には避けられない。
そのまま俺の方が地面へと崩れる。
双剣の刃が拳1個分もない距離まで迫っていた。
刃が頭を貫通すれば言うまでも無く死。
そうなれば、ここで俺の冒険は終わりだ。
「バカか?1人ではないと言っているだろ。」
俺にばかり集中していると今度はエルマードのターンに入る。
片方が攻められている時は必ず片方の警戒が緩められる。
その隙を狙えば絶え間無く攻撃する事が可能だ。
「あっちこっちから攻撃が飛んできて面倒な事この上ないなー。まずはこっちから潰してやるよ!」
最初に狙うのはエルマード。
しかし、馬鹿だな。
そっちの方が強いっての。
「『怒れる闘牛の目覚め』!」
「『剣術』"ツインギガスラッシュ"!」
ぶつかり合う両者。
一歩も譲らない攻防戦が始まる。
ただ、俺も見ているだけじゃない。
エルマードが防戦一方になれば、すぐさま助け船を出す。
魔素を全身に流し込み放つ一撃。
シンクロするように、エルマードの拳銃から放たれた弾丸。
俺の刀は掠りすらしなかったが、エルマードの放った弾丸は額のど真ん中を貫いた。
人であるならば、絶対に生きてはいられない。
呆気ない幕切れに俺は少しの安堵と物足りなさを覚えた。
ついに狂ってしまったか。
安全である事が何よりも嬉しい事のはずなのに、手に汗握る戦いを勝手に体が求めている。
「いててぇー。酷いぜ、ヘッドショットを決めるとかよ。」
頭に穴の空いたフロアボスは、それでも立ち上がる。
俺は立ち上がった瞬間を見て、人知れず喜びを覚えた。
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