第044話 吹雪の中の脅威
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漢と漢の魔素放出勝負が始まりそうだったのに!
なんて思ったが、倒してくれたのだから文句は言えない。
今はそんな事よりもアイリスの状態を確認しなければ。
腕が凍り付いてしまったらしいが、イリミの救護で回復していれば良いのだが。
「大丈夫か?」
「そっちは?」
「あの魔物はエルマードが倒した。」
自分も辛い状況のはずなのに、魔物を倒したか気になるらしい。
「ダメです。何度も回復魔法を使ってますが、効果がありません。」
腕の氷はかなり侵食が進んでいた。
イリミのスキルで侵食のペースは落とせていても、それ自体を止められた訳ではない。
このまま行けば、1時間も持たずに全身氷漬け。
氷漬けになった後の結末は言わなくても分かるだろう。
俺が通常のスキルが使えれば、どうにか出来たかも知れないのに。
悔やむ気持ちばかりがあっても、現状が良くなる事はない。
「ちょっと俺にも確認させてくれ。」
何か俺にも出来る事があるかも知れない。
そう思い、アイリスの腕に触れて氷の状態を確認しようとした。
細心の注意を払い、そっと触れると氷は勢い良く弾けた。
弾けたと言っても腕ごと粉々になった訳ではない。
凍り付いていた箇所だけが綺麗に剥がれて元通りの健康な腕が現れたのだ。
「アンタ、今何したの?」
「俺?俺じゃないぞ?」
確かに直前に触れたのは俺だが、俺が何かした訳では無い。
触っただけで腕の状態を良くするような厨ニ病の技は知らない。
結果的には良かったが、モヤモヤとしている。
「それよりもフロアボスに挑むんでしょ?早く行くわよ。」
「おい、まだ安静にした方が良いだろ。治ったばかりの腕で戦うのは不可能だ。」
「不可能かどうかはアタシが決める。」
アタシが決めるって言ってるけど、アイリスなら無理でも行けると言うだろ。
心配は残るがここで止めても納得する未来は見えない。
イリミと2人で視線を合わせて、何かあったらすぐに援護出来るように伝えておく。
「それでエルマードの姿が見えないんだけど?」
「そういえばそうだな。」
雪男を倒した1番な功労者の姿が見えない。
何をしているのだと思い、先程の岩場を確認するとスナイパーライフルだけ取り残されており、エルマードの姿が無かった。
消えたのか?
そうだとしたら遠くへは行っていないはずなので、その場から辺りを見渡してみる。
うーん、やっぱり銃とその後ろにある雪の塊以外は何も見当たらない。
「ここだ、馬鹿野郎。」
不思議な事に雪の塊が言葉を交わして来た。
そんなはずないかと思い、無視をしてみる。
「お前、目が合ったよな。良いから早く雪を移動させてくれ。」
「なんで、そんなに雪に埋もれてんだよ。雪だるまになるのが趣味なのか?」
「そんな訳ないだろ。あれを一発撃ったらこのザマだ。」
威力が強い反面、反動も強いようだ。
今回は雪がクッションとなって大事にはならなかったが、使い所は限られるな。
「それで?あの魔物は倒せたんだろ?」
「あぁ、後は扉の奥のフロアボスを倒して次の階層だ。」
「それでやっと半分。本当に12階層へ行くのだとしたらあまりにも長いな。」
エルマードが言った事は正しい。
12階層でアルカナ獣の封印を解く約束をしたが、まだ5階層も終わっていない。
ペース配分を考えれば2〜3日は掛かるだろう。
時間だけでは無い、魔物の強さも考慮すれば死ぬの可能性だってある。
「でも、仕方無いんじゃない?魔族も怪しい動きをしているんだから、阻止しないと何か良からぬ事が起きるわよ。」
「そうですよね。それだけは避けないといけませんよ。」
「分かってる。ちょっとした愚痴を溢しただけだ。」
扉へと向かう。
氷で出来た扉を押す。
凍傷を引き起こしてしまいそうだが、熱々の扉よりは幾分かマシだ。
完全に扉が開くと真っ先に凍て付く冷気が出迎える。
中に入るのを躊躇う程に寒いが、下の階層へ行くためには進まなければならない。
真っ白な雪景色は変わらないまま、より一層厳しい吹雪が吹き荒れる中へと入る。
少し進んでも視界が悪く、どこにフロアボスがいるのか分からない。
「おい、どこにいるんだ・・・よ?」
他の3人にも声を掛けようと思い振り返ると姿が見えなかった。
「おーい!アンタ達どこにいるのよ!」
「私からと皆さんの姿が見えません!」
「声を出すと危険だぞ!」
どうやら、近くにはいるみたいだ。
だけど、ここはフロアボスのいる部屋。
気の緩みは命取りだ。
とりあえず、声のする方へと進んで合流を試みる。
しかし、そこにいたのは仲間ではなく1匹の白豹。
いや、よく見ると1匹ではない。
後ろに3匹の取り巻き見える。
「コイツがフロアボスか。」
「そうだぜ、冒険者。」
今、コイツ言葉を発したのか?
魔物にそんな知能があるとは信じられない。
しかし、実際に起こっているのも事実。
「おい、コイツの仲間もこっちへ誘導しろ。」
「魔物が人語を話すなんて珍しいな。」
「カカカッ!魔物が人語を話すのが珍しいって?んなのは、どこの常識だよ。お前、それは無知なだけだぜ?」
コイツが特殊な個体なのかと思ったが、どうやら他にも人語を話す魔物入るみたいだ。
「リューマさん!」
「どうやら、無事だったみたいね。」
「とりあえず合流出来たが、この状況はなんだ。」
手下の3匹が言われた通りにエルマード達を誘導して来た。
3匹も人語こそ喋れないが理解はしているようだ。
「来たかよ、挑戦者共!さてさて、ここに挑戦者が来たのは5年ぶりだなぁ!テンション上がるぜ!」
5年ぶり?
そんなはずはない。
ここまでの道のりでA級冒険者とは遭遇しなかった。
この階層よりも下の階層にいるのは確定している。
そうなると、このフロアボスとも遭遇していないと辻褄が合わない。
「なんか考え事してみてぇーだが、情け容赦はないぜ?」
その言葉を聞き終えると同時に背後に回られていた。
今は考え事をしている余裕はない。
鬼丸を抜刀、間一髪で振り向き受け止めた。
ここまでは慣れている。
他の魔物と変わらない。
「野朗共!後衛を狙え!」
白豹はフロアボスの指示に従い、エルマードとイリミを襲う。
エルマードは近距離戦の方が得意だが、イリミは違う。
咄嗟に援護へ向かおうとするが、フロアボスに邪魔をされる。
「お前は俺と遊んでいようぜ!」
「邪魔だ、クソがッ!」
「おいおい、人間ってのは口が悪いな!」
イリミもスキルで応戦しているが相手が悪い。
距離を詰められて魔法スキルの発動が間に合っていない。
助けたのに助けられないジレンマ。
焦りが動きを雑にしてしまう。
「隙だらけだぜ!」
白豹の爪が俺の腹を掠めた。
血が出ているのが確認しなくても分かる。
イリミの方に意識が取られて完全に集中できていない。
このままでは壊滅の危機に陥る。
「アンタ達、アタシがいるのも忘れんじゃないわよッ!『斧術』"天地割り"!」
イリミと手下の間に割って入るアイリス。
これで安心して自分の戦いに集中出来そうだ。
「安心して戦えそうだぜ。」
「そいつは良かった。俺もそっちの方が燃えるからなぁー。」
喋る魔物との奇妙な戦いが始まった。
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