第043話 門番
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食事を手短に済ませ、休憩地点の解体を行いその場を去った。
ダンジョン内という魔物がいる危険な場所での一泊だったが、意外と何事も無く過ごす事が出来た様だ。
「肝心な進化した魔物はどの辺りにいるんだろうな。」
「ほっとこうぜあんなの。出会ったら最悪だろ。」
「場所は把握しておけば、いきなり襲われる可能性を減らせるだろ。まぁ、リューマの言う通り、わざわざ探しに行くまではないがな。」
その辺でくたばってくれたら1番助かるのだけど、実際はこの階層のどこかにいるだろうな。
アイツが襲って来る恐怖に怯えながら慎重に探索を進める。
魔物も偶に見つけたが、この吹雪の中では見つかる事なく移動が出来たのは幸運だった。
昨日で学んだ事はなるべく戦闘は避け、体力を温存すべきだということだからな。
アイリスやエルマードは戦闘がしたくて堪らない様だが、そこは冒険者としての弁えがあるらしく大人しくしていた。
「あれを見てください。」
イリミの言葉で俺達は前を向いた。
最初に目に入ったのはフロアボスへと繋がる大きな扉。
氷で作られていて見ているだけで風邪を引きそうだ。
そして、次に目に入るのが、その扉にもたれ掛かって座る毛むくじゃらの大男。
最悪だ。1番会いたくない魔物が扉の前で構えていた。
俺達が下の階層を目指すのを知っていて、待ち構えていたのか?
そうだとするとかなり知能レベルが高い。
「どうする。完全に扉が守られていて、アイツを倒さないと先へは進めないぞ。」
「でも、昨日はここを離れていたじゃない。ってことは、何かしらの条件が満たされると動いて辺りを散策するんじゃないかしら。」
苦戦を強いられながらもアイツと戦うのか、それとも地道にこの場から動かす作戦を考えるか。
少し悩んだが答えは決まった。
鬼丸に手を掛けて、奇襲のタイミングを伺う。
「アンタ、本気?あの魔物と戦って強さはわかったでしょ?」
「下手すれば死ぬかも知れないが、あれを倒せないと12階層は夢のまた夢だ。」
強引に説得してみたら、意外にもアイリスは納得してくれたみたいだ。
いや、呆れて物も言えないだけかも。
雪男が立ち上がり動き出した。
昨日同様にあり得ない量の魔素を流している。
急いで俺達も魔素を流して対抗する。
「バカッ!アイツが魔素を流したからと言って、こっちまで魔素を出したら!」
いきなり怒り出したアイリス。
最初は何故怒っているのかも分からなかったが、理由はすぐに判明した。
俺が出してしまった魔素に反応して、雪男はこちらへと向かって走り出している。
魔物だから知恵はないと侮っていたが、想像の数倍賢い。
「こうなれば、ヤケクソだよなッ!」
隠れていた岩陰から飛び出して襲い掛かる。
リスクはあるが、相手の攻撃のタイミングを少しでも狂わせれば良い。
「"映像模倣"!」
アイリスの動きを完全にインストールして、雪男の大振りな攻撃を躱す。
そして、完全に死角へと潜り込んだ瞬間に最大限の火力を叩き込む。
これぐらいでは傷1つ付かないだろうと思ったが、意外にも確実に何か斬り裂いた感触がある。
雪男の腕からは少量の血が出ている。
血は腕を伝い、重量に逆らう事なく白い大地に落ちた。
雪だらけの中、真っ赤に染められた箇所だけが目立つ。
「理由は分からないが、攻撃がよく通るぞ!」
「大声で叫ばなくても見てれば分かるわよ!」
アイリスも加勢する。
イリミはエルマードを抱えながら、援護の準備をしていた。
「グオォォーーー!!!」
耳を劈く咆哮。
至近距離で聞いてしまい、体が少しの間動かない。
たった少しの時間、それだけでも動かなくなれば致命傷だった。
腕に氷を纏ったパンチが目の前へと飛んでくる。
体が動くようになった瞬間にガードしようとするが、俺の反射神経では間に合わない。
衝撃でかなりの距離を吹き飛ばされる。
「リューマさん!」
「気にするな!それよりもその魔物の動きを止めるぞ!」
痛みはある。
だけど、耐えらない程ではない。
俺の心配をしている暇があるなら、少しでもあの魔物にダメージを与えるべきだ。
今度は大きく息を吸う。
ブレス系の攻撃が来るのは予測出来た。
アイツが息を吐く前に、近くの岩陰に身を隠す。
「ブォーーーン!」
音だけでも強力な吹雪だと分かる。
当たってしまったら、即死は免れないな。
俺は偶々隠れられたが、他の3人はどうだ。
「右腕がやられたわ!氷漬けになって使い物にならない!」
これは大問題。
このまま侵食していくタイプならいち早く応急処置を施す必要がある。
そうで無かったとしてもアイリスが使っているのは両手斧。
片手を失っては戦力にならない。
イリミがすぐさま援護に向かったのを見て、俺の役割を理解する。
時間を少しでも稼いでアイリスの復活を待つ。
シンプルで分かりやすい。
「お前が気を逸らすんだよな。」
エルマードが俺の隠れている岩場にやって来て状況を確認する。
考えなくても分かるような事をわざわざ聞きに来た訳ではないよな。
何か伝えたい事があったはずだ。
「これを見ろ。」
サバイバルの道具が入った鞄の中から、組み立て式のスナイパーライフルを取り出して来た。
「普通のスナイパーライフの弾が効くとは思えないが?」
「普通のならな。死んだ父親の持っていた特注品のスナイパーライフルだ。弾を強化するスキルが組み込まれている優れ物で、その威力で貫通出来ない物は無いと言う。」
「遠くなら魔素の影響を受けないから問題ないってか。しょうがない、エルマードに良い役を譲るのは嫌だけど、アイツを倒せる自信があるなら今回は我慢してやろう。」
俺は立ち上がり、刀を握って気を引く準備を整える。
「最後にこのスナイパーライフルに魔素を送り込んでくれないか?それだけで威力が倍以上違うらしい。」
らしいってのは、自分では試せないから確証がないんだよな。
俺は仕方なくスナイパーライフルを触り、魔素をこれでもかと注ぎ込む。
いつか壊れてしまわないだろうか。
そう思い、手が震える。
ある程度の魔素を注ぎ込んだ段階でスナイパーライフルが1度光った。
どうやらこれが魔素の注入が完了した合図の様だ。
「後は任せたぞ。」
「分かってる。エルマードも外すなよ。その一撃に掛かってるんだからな。」
「そいつはちょっと気が重い。」
気が重くても今はエルマードが倒す可能性に掛けるしかない。
岩陰からゆっくりと出る。
緊張感のある空気で今にも心臓が飛び出しそうだ。
肝心の雪男は俺の事を認識すると、こちらへと向かって来た。
コイツとの戦いで、俺は活躍出来ていない。
だからこそ、ここで一矢報いる。
機動力を奪う為に足を狙って刀を振る。
当たりはしたが、やはり鋼鉄の様に硬い。
刃が通る様子もない。
ならば、魔素を出して相手を威圧する。
俺の魔素とコイツの魔素、どっちが多いのか勝負だ。
動き回るのをやめて、全身の魔素を解き放つ事に集中した。
雪男は俺の魔素に気付き、止めようと殴り掛かってくる。
しかし、自分も集中して魔素を出さないと吐き気で動けなくなると気付き立ち止まる。
「完璧だ、リューマ。『狙撃』」
エルマードが放った弾丸は、光を纏いながら雪男に直撃。
そして、豆腐を破壊する様に容易く体に大穴を開けるのだった。
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