第041話 それぞれの時間
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俺の順番は結局1番最後になった。
望んでいた結果とは違うけれど、途中で起きてまた寝るをやるよりは良いか。
「じゃあ、おやすみ。次は2時間後に交代で。」
1人が寝れる時間は6時間。
平均的な睡眠時間を考慮すると少ない気もするが、ダンジョンで睡眠を取れるのは有難い。
5階層へ到着するまでの道のりを振り返りながら目を瞑ると、気付けば眠っていた。
次に起きた時に疲れが全部取れていればいると信じて。
◇◆◇
「ちょっと良い?」
「なんだ、今は休息の時間だろ。睡眠時間は少しでも活用した方が良い。明日に響くぞ。」
最初の見張りはエルマード。
しかし、アイリスも起きていた。
何やら話があるみたいだが、2人きりでしか話せない話とはなんだろうか。
エルマードは少しだけ身構えた。
最近の戦闘では自分が活躍出来ていない事を自覚していたからだ。
自分以外の3人はメキメキと実力を付けている。
特にリューマはS級冒険者の枠には収まらない程の実力者だ。
魔素が無いからスキルを使えない。
そんなのを言い訳にして生き残れる程、冒険者という職業は甘くないと思う。
ただ、どうしようも無くその事実が憎い時がある。
「アタシ、どうしてもリューマの事納得出来ないの。」
「どういう意味だ?」
「あの異常な力も謎のまま、素性も特には明かさない。極め付けは子供でも知ってるような魔素のコントロールまで知らないのよ。」
アイリスの疑問は当たり前だった。
エルマード自身もその答えは知らない。
気にならないと言えば嘘になるが、本人が口を割らないのだから仕方ない。
「アイツは魔王を倒すって言ったんだ。」
「それがどうしたのよ。子供の夢と一緒みたいなもんでしょ。口にだけ簡単に出す叶えられるはずもない大きな夢。理想と現実は違うのよ?」
そうだよな。
アイツから直接聞いた事の無い人はそうやって笑うんだ。
でも、俺はこの目で見た。
魔王討伐を語るアイツは、絶対に成し遂げてみせるという熱い意志を持っている。
たったそれだけの理由だけど、この先アイツがどうなるのか見たくなった。
見たいのは今後のアイツであって、今までのアイツでは無い。
過去にどれだけの罪を背負っていたとしても、どんなに辛い過去があったとしても、今のアイツだけを知っていれば良い。
「もしも、アイツの行動でアイリスに害を為すような事になれば、俺が責任を持つ。それで信用してくれ。」
「そこまで言うのは珍しいわね。」
「俺もそう思う。」
「まさか、アンタそっちに目覚めたとか。」
「冗談言ってる暇あったら寝ろ。」
「ちぇー。まぁ良いや、今のはちょっとした嫉妬よ。エルマード、アタシがいるの忘れないでね?」
いつも簡単に冗談を言う。
アイリスにはもっと良い奴がいるはずだ。
それに俺は今、強くなる以外頭に無い。
負けず嫌いだからな。
誰よりも強くありたい。
◇◆◇
「起きてくださいよ!もう交代の時間過ぎましたよ!」
体を激しく揺らされている。
やめてくれよ、まだ寝ていたんだ。
「こうなったらこうです!」
「冷たッ!何すんだよ!」
その辺にあった雪を俺の首へと掛けるイリミ。
いくら暖かくなるスキルと火があるからといって、直接雪を掛けられたら冷たい。
病院なんか当然無いダンジョンの中で風邪を引いたら終わりだろ。
「こっちのセリフですよ!交代の時間過ぎてるのに起きてこないから。」
「もうそんな時間か。全然疲れ取れないな。」
「気持ちは分かります。私も寝た感じしないです。」
体の疲労は少し回復したかも知れないが、精神は疲れたまま。
5連勤目のバイトと同じ気持ちだ。
もしも、俺がショートスリーパーとかだったらこんな気持ちにならずに済んだのかな。
まだ眠いけど、これ以上イリミの睡眠時間を奪う訳にはいかないのでとりあえず起きる。
外を見張るにしても多分何も起きないだろ。
だって、数時間見張りして何事も無かったのだから。
その辺にあった石を椅子代わりにして、虚空を見つめる。
考えていることといえば、早くみんな起きて来て欲しいってことぐらいだ。
「本当に12階層まで行くつもりですか?」
・・・寝たんじゃないの?
当たり前の様に俺の横に石を持って来て座り出した。
イリミの睡眠時間は4時間だけ。
後の2時間分を潰そうとしているなら、やめておいた方が良い。
大事な話の可能性もあるから、いきなり寝ろとは言えないけど。
「何か話があるのか?」
「いや、寝て起きたらまた寝るってのが難しいんですよね。だから、話し相手になってもらおうと思って。」
なんだ、そんな事だったのか。
気持ちはすごい分かる。
夜中とかに起きて、変に目覚めてしまってそのまま朝になる経験とか誰にでもあるはず。
その後、昼間とかに寝て生活リズムが崩れる話までセットだ。
気まずい。
何か雑談をする程共通の話題がある訳でもないし、よくよく考えてみれば、日本でこんな綺麗な女子と会話した記憶もない。
「好きな食べ物とか何?」
「なんですかその質問。ここまで一緒に頑張って来た仲間なのに気を遣わないでくださいよ。」
「うぐっ、バレた?」
「ちなみに、マンドラゴラの天ぷらです。」
ちゃんと答えてくれるのかよ。
しかも、なんだよマンドラゴラの天ぷらって。
真剣に答えているのか、ボケてるのか。
「リューマさん、私気付いてしまった事があるんです。」
「気付いた事?」
「ちょっと前に気付いたんですけど、言うか言わないか迷ってたんです。」
いつも周りに気を遣っているイリミ。
言うか迷っていたのも、切り出せば空気が重くなると思っているからかも知れない。
深刻な話であれば真面目に聞く必要がある。
本来はそう言った話は得意ではないけれど、2人きりの状況で無視する訳にもいかない。
イリミはこの状況でも少し躊躇った。
何度か俺の顔を見て話べきがどうかを悩んでいる様子だ。
そこで俺も気付いた。
これは告白なのではないだろうか!
いや、絶対そうだね!
どのタイミングで俺に惚れたかはわからないけど、このしどろもどろ具合はそうに間違いない。
悪かったなイリミ、俺が鈍感系主人公なら気付かないまま話を聞いてやれたのに。
でも、気付いてしまった以上は事前に返事を考えておきべきか。
「リューマさんって、この世界の人ではないですよね?」
俺はこの言葉に思考が停止した。
コノセカイノヒトデハナイ?
ど、ど、どう言う事?
もしかして異世界転生しましたかって意味?
そうだとしたら答えはイエスだけど、そんなことをイリミが知っているはずがない。
だって、知り得るのは同じ異世界転生者か、女神やアルカナ獣くらいだ。
それらがイリミに入れ知恵したとも考えにくいし、どうやって俺が異世界から来たと結論付けたのか気になる。
「あ、ちゃんと他の2人にも言うつもりはありませんし、リューマさんの口から答えを聞くつもりもありません。ただ、そうなんだろうなと思っただけです。」
「どうしてそう思ったんだ?」
敢えて、否定はしなかった。
含みを持たせた言い方をする事でどちらとも取れる言い方をした。
「これは私育ったエルフの里に伝わる話なんですけど。」
イリミはゆっくりと語り始めた。
俺は見張りの事などすっかり忘れ、耳を傾ける。
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