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元厨二病の俺、スキル『妄想具現化』は強いけど恥ずかしいです  作者: 風野唄
前編 ダンジョン攻略

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第040話 休息のタイミングは大事

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

亡霊達は徐々に距離を詰めて行く。

腕を振って自分の下へ来ないよう牽制しているが、逆効果だ。

そのまま行けば、いずれは触れてしまうだろう。


「グォォー!」


読み通り、雪男は亡霊に触れる。

そのままゆっくりと時間を掛けて氷漬けになるのを待つだけ。

勝利は我が手中。

進化した魔物と言っても所詮は魔物か。

俺達がビビるには値しなかった訳だ。


「油断しないで!まだ動いてるわ!」

「格好付けてその場から立ち去ろうとしたのに、後ろから襲うとか卑怯だろ!」


確実に技は当たった。

それなのに氷漬けになるどころかピンピンしている。

アイリスが声を掛けてくれなければ、今頃死体としてその辺に転がっていたかもな。


鬼丸でどうにか馬鹿力から耐えているが、猛攻に次ぐ猛攻で俺の体力を限界に達しそうだ。

この雪男戦だけで10分以上は足止めを喰らっている。

それだけならまだしも、今日はぶっ続けでダンジョン攻略に挑んでいたので、疲労は溜まりに溜まっている。


「リューマさん!フラフラですよ!」

「大丈夫!?しっかりしなさい!」


心配の声が耳へと入る。

大丈夫かって?

そんな訳無いだろ。

固有スキルも物理攻撃も一切効かない相手で、魔素による身体強化も不可能だ。

思い付く攻撃手段は試したので、これ以上は打つ手が無い。

いつもなら火事場の馬鹿力と言うやつで何とか乗り切って来た。

しかし、今回に限ってはそれも出る気配は無い。



ならば、この場に置いて最も正しい選択とは何か。

あれ以外あり得ないと判断して声を張り上げて全員へ指示する。


「全員撤退だ!この場から離れるぞ!」


先人は逃げるが勝ちなんて言葉を残した。

最初はなんて恥ずかしい言葉なんだと思っていたが、今とはなってはあの教えは正しかったのだと実感する。

命があっての人生だ。

ここで逃げ切らないとこれから先の未来は真っ暗になる。


「立てるか!?エルマード!」

「十分休んだ。俺は問題無い。」

「バラバラにならないよう気を付けるのよ!」


お互いに声を出し合って全力で走った。

雪男は走って追い掛けてくるが、足の速さはそこまでで助かる。


後ろは振り返らず、ただ一点を見つめて無心で走った。

息が白くなっているのだけがよく分かる。

荒くなっていく呼吸は俺の運動不足のせいだ。

今までは固有スキルや恵まれた仲間のおかげで無双して来たが、俺自身の身体能力はこの程度。


どのくらいまで走ったのか分からなくなるまで走った。

流石に雪男もここまで追っては来ないかと振り返る。

すると案の定、どこかで巻けたみたいだ。


「つ、疲れましたー。」

「あの魔物、どうやって勝てば良いのよ。」

「俺に魔素があれば。」

「それは関係ないでしょ。アタシ達の実力不足。それ以上でもそれ以下でも無いの。」


アイリスの言う通りだ。

5階層に来て、ある程度魔物の強さが上がるのは想定していたが、まさかいきなりアレに出会うとは思わなかった。

俺からしてみれば、5階層まで来れただけで褒めたいけどな。


「どうする。」

「どうするって何よ?」

「これからの話に決まってるだろ。もうかれこれ10時間は動いてる。疲労も溜まっているし、どこかで休息を取るべきだ。」

「それ、私も賛成です!もう足が悲鳴を上げてますよ。」

「そうしたいのは山々だけど、この吹雪の中で休息を取ったら死ぬわ。せめて、洞穴があれば良いのだけど。」

「加えて言うなら、あの魔物もまだ近くにいる可能性がある。休めたとしても見張りを交代でする必要があるな。」


吹雪で先の景色は全く見えない。

ひたすらに走ったせいでここがどこなのかも不明。

近くにあるかも分からない洞穴を探して動き続けるのはリスクか。

いや、そのリスクを犯してでも休息の地を探すべきだ。

疲労はいずれ大きな失態へと繋がる。

休みたいと思った時に休むのがベストなのだ。


「よし、こうなったら俺が一肌脱ぎますか。イリミ手伝ってくれ。」


食料や水、必要最低限のサバイバル道具しか持っていないので、当然テントなんて物は無い。

しかし、この寒さの中で何も無しに寝てたら死んでしまう。

そこで思い付いたのが日本でも偶に雪で作っているのを見たことがあるカマクラだ。


あれを参考に火を使っても溶けないように土で土台を作る。

その上から雪を被せれば側から見ても遠くからではわからない休憩地点の完成だ。


早速、イリミのスキルで土を出して貰い作り始める。

作り方なんて詳しくは知らなかったんだけど、意外とやれば出来るもんだ。

誰が見たってカマクラだと言える物をものの数分で完成させた。

代償として感覚が麻痺する手が冷えてしまったが、中で焚き木をすれば問題無い。


「器用なもんだな。ここにある物だけで休憩所を作るとは。」

「それに冷たい風が吹き荒れる外よりは暖かいですよ。」

「敵に見つからないと良いけど。」

「まぁ、見たかった可能性はゼロではないけど、吹雪の中で見つけ出すのは難しいだろ。それに交代で見張りをするんだから問題無い。」


魔物よりも問題なのは、どのタイミングで見張りをするかだ。

朝早く起きるタイプなら1番最後がおすすめ。

1番最後まで寝ていたいなら1番最初に見張をしよう。

俺は1番最後まで寝ていたいので断然後者。

話し合いで平和的に解決するのが無難だが、誰も話を切り出さないので話し合いにすらならない。


アイリスとイリミは夜食の準備を進めていて、エルマードはその間外で見張りをしている。

俺だけが何もしていない空間が生まれてしまい気まずい。

だからと言って、こんな寒い中わざわざ外へ出て見張りなんてしたくないけど。


結局は盛り付けを手伝ってみたり、皿を並べたりして手伝ってます感を何とか演出する事で誤魔化した。


「エルマードさん、食事の準備が出来ましたよ。」


イリミがわざわざ外へ出てエルマードを呼びに行く。


「1人は見張りが必要だ。食べ終わってから声を掛けてくれ。」


これだから堅物野朗は困る。


「こっちこいアホ。」

「おい、今アホって呼ばれる瞬間があったか?」

「良いか。お前の家はどうだったかなんて知らないがな、飯の時はどんなに喧嘩してても全員で食べるって決まってんだよ。」

「いつからだ、それ。聞いたことないぞ。」

「そんなのは俺達が生まれてくるずっと前から決まってんだよ。」


1人で悲しく食事をするなんて状況には絶対にさせない。

せめて、近くに人がいる時は一緒に食べる。

親から教わった大事なルールだ。

そんな訳で強引に腕を引っ張り火の側に座らせて、最後の料理が来るのを待つ。


「お待たせー。」


運ばれて来た白い湯気の出ている暖かな食事は、俺のお腹を鳴らす。

どの瞬間であっても食事は疲れた体を癒す最高の一時だ。

それを実感しながら箸を進めた。

食べ終わる頃には過酷な1日の事もすっかり忘れて、幸福に浸っている。


出来ればこの時間が続いて欲しいが、見張りをどうするか話し合う時間がやって来た。

隣で俺がずっと見張ると宣言しているエルマードを横目に、3人でジャンケンを始めた。

レディファーストが無いのかって?

こっちは大事な睡眠が掛かったんだよ!そんなのある訳ないだろ!


「いくぞ!じゃーんけーん!ポンッ!」

ご覧いただきありがとうございました。

よければ評価、ブックマーク、いいねお願いいたします。めっちゃモチベーションに繋がりますのでどうか、どうか!!!

あ、毎日21時投稿予定です。

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