第039話 進化する魔物
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「温度差ありすぎて風邪引くんだけど。」
「ちょっと待っててください。流石にこれは死ぬので『温度調整』"ヒート"」
「い、生き返る〜。」
5階層に降りた俺達は、4階層とは真逆の極寒の地で苦しめられていた。
どこから吹いているのか分からない吹雪が全身を凍りつかせる。
装備は半袖だったし、先程掻いた汗も拭えていなかったので、イリミのスキルが無ければ確実に死んでいたな。
てか、4階層でもそのスキル使ってくれたらよかったのにと思ったが、命の恩人にそんな言葉は失礼か。
「足元の雪のせいで歩きにくいわね。」
「これで魔物と戦ったら体力の消費は激しいだろうな。」
「冷静な分析してる場合かよ。さっさとこの階層を突破しようぜ。」
「無理な話だな。・・・!?武器を構えろ、何か来るぞ!」
4人の中でいち早く気配を感じ取ったエルマードが警告する。
最初は何を言っているのかと思ったが、途中でその言葉の意味を理解した。
魔素を覚えた今なら分かる。
異常なまでに漏れ出した魔素を抑える事なく、こちらへ向かってくる気配に。
魔族かと思ってたが、アイツらが魔素の制御を知らないとは思えない。
そうなると、この気配は5階層の魔物のものだ。
吹雪の奥で姿を現したのは毛むくじゃらの大男だった。
間違いない、俺が感じた体力の魔素はコイツのものだ。
「リューマ!イリミ!魔素を解放しなさい!」
珍しく慌てた様子のアイリスを見て、大人しく指示に従う。
魔素を制御するのやめてると不思議と体が軽くなる。
魔素を垂れ流しにするのは身体強化に繋がらないはずなのにどうして。
「大量の魔素に近付くと酔うのよ。だから、自分からも魔素を出す事で酔いを防ぐの。無駄なく全身に流した方が身体能力強化に繋がるし、垂れ流す奴はいないから覚えても意味があるかは分からないけどね。」
「少なくとも今役立ってるだろ。やぶねー、気付かなかった。」
「私も魔素の事は何となくしか知らなかったので助かりました。でも、エルマードさんが。」
俺が近くに行って肩を持ってやる。
「エルマード、お前魔素はどうした。」
「・・・はぁはぁ。・・・言った、だろ、俺はスキルが使えない。それは魔素が無いからだ。エルフと人間の間に生まれた混血の代償だろうな。」
「魔素を人一倍感じられるのに自分には無いってのは皮肉な話だな。」
「別にそれで不便を感じたことは少ない。今の俺でもお前には勝てると思ってるからな。」
「上等だコラァ。ダンジョン出たらタイマンだな。俺にはアイリス先生の教えがあるから負けないぞ。」
意外にも余裕そうな口振りのエルマード。
本当は辛いくせに強がるなよ。
素直に助けを呼べば、ここにいる誰もが手を差し伸べてくれるのに。
「危ないわよ!2人共!」
雪男らしき魔物は俺とエルマードを狙って拳を振りかざす。
目にも止まらぬ速さって訳では無いので、見てから余裕で迎え撃つ。
もしかして、コイツが遅いのではなく、俺が強くなり過ぎたかも。
「って、重ッ!」
地面に減り込みそうになる程重い。
スピード系ではなく、パワー系だったか。
見た目からも判断出来そうな物だが、今の俺はエルマードに気を取られていたので仕方ない。
そうだ!全部エルマードがいけない!
他責思考の典型的な例を出しながらも、この場を切り抜ける方法を模索する。
このままいけば俺は潰されて、エルマードはゲロ吐いた状態で引き裂かれる。
そんな最後は絶対に嫌だ。
「2人でコントしてるからそうなるの、よッ!」
アイリスが俺達を助け出す為に魔物へ一撃を喰らわせる。
しかし、全く動じない雪男。
コイツ痛覚が無いのかと思ったが、そもそも斧は少しも雪男の皮膚に当たっていない。
その直前で見えない壁に攻撃を阻まれている。
攻撃は当たらなくても気を逸らせた。
アイリスが稼いでくれた時間で、エルマードを離れた位置に運ぶ。
一時的に魔素を全身に流す為、体から放出させるのをやめたが、その一瞬だけでも気持ち悪くなる。
ずっとこの状態でいるエルマードの負担は言うまでも無いな。
「俺も戦闘に・・・はぁはぁ。参加・・・する。」
「そんな状態で良く言うよ。良いか、パーティにはそれぞれ適材適所ってのがあるんだ。エルマード、お前は今じゃ無い。」
あの魔素に当てられて限界寸前のエルマードを置いて、アイリス達と合流する。
やはり、何度か見えない壁の破壊を試みているみたいだが、成功した気配はどこにも。
「遅いッ!この魔物、何かがおかしいわよ!」
「魔物なんておかしいのしかいないだろ。」
「それはそうだけど、そうじゃない!」
「多分、魔物の中にいる偶然進化をした個体ですね。」
「魔物が進化?アタシ、何年も冒険者やってるけど聞いた事もないわよ!」
「私も祖父の知識で聞いた事があるだけなので何とも言えないですけど、多分そうだと思います。」
エルフは長生きする種族だ。
そのエルフが魔物にも進化があると言っているのだから間違いない。
魔物の進化に2人は驚いてるみたいだが、俺は違う。
なんなら、それが当たり前だと教育されて来たようなもんだ。
「力を貸せ!『風纏の賢鳥』!」
テンを召喚する。
気温は低いが、テンは厚い羽毛に覆われているので問題無く飛び回る。
「4方向から一気に攻めるぞ!」
見えない壁を割る手段は恐らく2つ。
多方面から一斉に攻撃するか、考えられないほどのパワーを一点に集中させるかのどちらかだ。
アニメでやったら映えるのは確実に後者なんだけど、それを実現する為の力がある人はここにいないと判断した。
「『炎魔法』三重発動 "イフリート"!」
「『斧術』"天地鳴動"!」
「"映像模倣"!」
「キュイーーー!」
バラバラの箇所から攻撃を仕掛ける。
それでも防がれてしまったが、俺には確かな手応えがあった。
より一層力を入れると何も無い空間から突如としてヒビが生まれる。
「こっちにヒビが生まれたわ!」
「俺もだ!」
どうやらアイリスの所にもヒビがあるらしい。
ダメ押しで空いている手で固有スキルを発動させる。
「全てを破壊せよ。それが生きる上で、唯一無二よ快楽である。"至極の崩落"!」
ヒビは少しずつ大きくなっていき、やがてガラスの様な破裂音と共に消えて行った。
見えない壁が本当に消えたのかと斧を振るアイリス。
どうやら、本当に結界らしき壁は消えたのでここからは攻撃を当てられる。
そうなれば、この魔物はただの大柄な魔物だろう。
「グオオオォー!」
少し叫んだだけで身体を吹き飛ばされそうになる。
地面に鬼丸を突き刺し支えにして、何とかその場に留まった。
他の3人は無事だったけれど、テンの姿がどこにも無い。
俺の可愛いテンに何してくれたんだと怒りが湧いてきた。
「死の悲しみを乗り越えるは、魂に刻まれた憶なり。"黄泉送り"」
今までアイツが殺して来た亡霊達が襲い掛かる。
霊気を持った亡霊に一度でも触れれば、この寒さと相まって凍りづけになるだろう。
俺の固有スキルによって、勝利を確信していた。
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