第038話 熱く行こうぜ
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「まずは尻尾から!」
エルマードが狙いを口に出すと、それに合わせてアイリスが動く。
俺達と一緒に戦闘する時には、遠慮して力に制限を掛けているのかもな。
全く動きに無駄が無いのは、素人目の俺でも分かる。
有り得ないスピードの蹴りをエルマードが避け、アイリスが斧を盾にして防ぐ。
その隙を狙い、尻尾が奇襲を仕掛ける。
俺ならここで攻撃を喰らってしまってダウンするだろうな。
けれど、アイリスは違う。
斧を手放し、踏み台にして高く空中へと舞う。
それだけで避けられないが、アイリスにはもう1人の仲間がいる。
エルマードの放った弾丸は、追撃を図る尻尾をたった一発で怯ませた。
「『打撃』"インパクトマーシャルアーツ"!」
綺麗に尻尾へと入る一撃。
痛みで悶えるキメラ。
そこへ追い討ちを掛けるようにエルマードが動き出す。
途中でアイリスの斧を拾い上げ、根本へ目掛けたスイングを。
流石のエルマードでも斧を持った時に苦悶の表情を浮かべていた。
つまりは、いつも軽々と持ち上げいるアイリスはゲフンゲフン。
抗議の視線を感じたのでこれ以上はやめておこう。
「宣言通りに尻尾を切り落とすまでにこの手際の良さ。私達必要あるんですかね。」
「気にしたら負けだ。あの2人は戦闘に人生を捧げた生き物だからな。違うのは当たり前だろ。」
「良いですよねーリューマさんは。どんどん強くなるから。」
「焦りは少しあるけどな。でも、仲間ってのは高め合うと同時に助け合いでもある。今は、殆ど2人で終わらせる勢いだから休憩するのが吉と見た。」
実際はチームプレイの経験は無いから偉そうなこと言えないけど、スポーツ系の漫画は好きだったので多分言いたい事は合ってるはずだ。
目を離して少し会話をしている間に2人はどんどんキメラを追い詰めて行く。
翼もボロボロになって、獅子の顔をした鹿になっていた。
このままだと本当に俺達の出番は無いな。
そう思った矢先、何故かフロアボスのエリアで突如として湧き出した魔物達。
前の2人はフロアボスに集中したいだろうし、魔物の方は俺達が処理しておこう。
「逃げるな!クソッ!そっちへ行ったぞ!」
エルマードが声を張り上げて注意を促す。
一瞬何の事を言っているのかわからなかったが、フロアボスが動き出したのだとすぐに理解した。
まさか、この魔物はコイツが操っていて弱そうに見える後ろの2人から倒そうという作戦なのか。
それは俺達が弱かった場合の話だろ。
舐められたもんだな。
返り討ちにしてやるよ。
「グルルゥーー。」
低い音で唸った後、飛び掛かってくる。
鬼丸を抜刀。
そして、綺麗な斬撃を。
って、完全に俺達の事は無視して魔物の方へと一直線。
何が始まるんだと見届けていると、急に共喰いを始めた。
衝撃的な光景過ぎて黙って見届けてしまっていたが、徐々に異変に気付く。
食べた魔物の特徴がフロアボスの体に現れ始めたのだ。
ここでようやくフロアボスの特徴が掴めた。
敵の情報が分かったのは嬉しい事だが、どうやって対処すれば良いのやら。
傷も完全に癒ているようだし、回復機能も付いていると考えるのが妥当だ。
次、魔物が投入されるまでの時間で倒し切らないといけない。
「形態変化。特徴に合わせて戦い方を変えないといけないのが面倒ね。」
「ダメージを与えても回復されてしまうなら意味が無い。フロアボスとしては長期戦が好ましいって訳か。」
「この出てくる魔物が4階層の魔物なら私ある程度分かりますよ。」
「何種類も魔物がいたのに全部覚えているのか?」
「それは勿論ですよ。私、記憶力だけは良いって褒められましたから。でも、先程の魔物と4階層にいる魔物は別物ですね。」
何となくは気付いていたがやはりそうだったのか。
どんな魔物を食べてどんな変化をするかを予測するのは不可能。
対策として打てる手段があるとするなら、アイツが食べる前に俺達が倒し切るしかない。
死体を食べても回復や変形してしまうようなら、その時また考えよう。
「どっちにしろ、まずは全回復したフロアボスを対処するぞ。」
「そうですね!ようやく私達の番だ!」
手持ち無沙汰を感じていた俺とイリミは、張り切って武器を手に取る。
「『水魔法』三重発動 "ポセイドン"」
いきなり三重発動。
イリミの気合いの入り方が伺える。
ぷかぷかと浮かぶ気泡がエリア一帯を支配した。
キメラもその事に気付いて逃げ出そうとするが時既に遅し。
一歩でも動けば当たってしまう状況になっている。
それでもお構い無しに進むキメラ。
自分なら耐えられるとでも思ったのだろうか。
「掛かりましたね!」
弾けた気泡から出現した水の槍がキメラの身体を貫通させた。
その痛みでよろけてしまうとまた次の気泡へと当たり、負の連鎖が完成した。
後はまた回復される前に止めを刺せば良いだけ。
たったそれだけなのだが、中々キメラには近寄れない。
あれだけ傷を追っているにも関わらず、簡単には近寄らせない圧を感じる。
いくら負傷しているとは言え、フロアボスとしての実力に変わりはないということか。
「生命の宿りし全ての者達よ。魑魅魍魎の世界で嘆くのは己の無力である。後悔あらば、足掻け。"弱肉強食の理"」
モヤッとした黒い影。
それがゆっくりとキメラの方へと近付く。
決して激しく襲い掛かるでも無く、影を伸ばして攻撃するでも無い。
ただ、近付くだけ。
正面に黒い影が来た瞬間、最後まで威厳を見せていたキメラが突然怯え出した。
仕方が無い。
この技は対象の相手よりもより強い生物の幻覚を見せる。
大抵の生物はその圧倒的な実力差を悟り諦めるのだ。
中学の俺が考えたにしては、中々地味で渋い技だと思うかも知れない。
しかし、この時くらいから現実の辛さを体感し始めたのでこんな技が生まれた。
黒い影に飲み込まれ深き闇へと消えていくキメラ。
それと同時に扉が開く。
「これで4階層攻略ってことで良いんですかね?」
「順調、順調!このまま行けば楽に12階層だな。」
「目的がすり替わってるぞ。」
これだから勘の良い奴は。
勿論、冒険者の回収は分かってるし、生きていても欲しい。
だけど、魔族も12階層のアルカナ獣を狙っている。
魔族が先にアルカナ獣を見つけてしまい、封印を解いてしまったらと考えると恐ろしい。
約束を違えた罰として死んだりしないよな。
「まあまあ、良いじゃないですか。今は4階層突破を喜びましょうよ。」
「そうよ。4階層をたった4人で攻略出来たのは奇跡に等しいのよ?」
「ふっ、奇跡か。俺にとっては楽勝だったけどな。」
「エルマードくんさぁー、調子乗ってると足元掬われるぜ?」
「安心しろ、俺は体幹が強いから足元掬われたぐらいでは動じない。」
誰が物理的な話したよ!
天然なのか皮肉なのか分からないボケするな。
ツッコミの人が困るだろ。
「5階層ってどんな雰囲気ですかね?」
「さあな、暑くなければ文句は言わないって。」
もうこんな暑さで苦しむのはごめんだ。
俺達は暑さから逃れるように階段を降りた。
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