第030話 運命の分かれ道
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サメの魔物は怯んだアイリスを見て、ここぞとばかりに攻撃を仕掛けた。
重力を感じさせず、縦横無尽に空間を動き回り瞬時に背後を取る。
先程はアイリスの尊厳を重んじて手を出さなかったエルマードも流石に危機を感じて助っ人に入った。
何発も発砲する。
1人で突っ込んだアイリスへの責めてもの情けは、得意である近距離からでは無く、遠くから援護したこと。
流石にバカではないアイリスは、悔しそうな顔をしながら一度俺達の下まで引いてくる。
「魔物のレベルが急激に上がったわね。」
「あぁ、どうやらそうみたいだな。俺の攻撃もあの厚い皮に弾かれてるみたいだ。」
攻撃した2人は魔物が強くなった事を実感したみたいだが、俺も実際に対面すればその感覚になるのだろうか。
魔物相手は多少の苦戦は強いられたが負けたことはない。
今は魔族や人間の方がよっぽど厄介だと思っている。
だが、その感覚のままダンジョンを進めばいつか痛い目を見る。
ならば、怪我をするなら早い内にという訳だ。
「イリミ、魔法スキルの中には液体を凍らせる魔法はあるのか?」
「氷魔法のことですか?ありますけど、あれは中級からしかないので私には使えませんよ。」
「でも、イリミの才能はただ使えませんでしたで終わらないよな。」
「当たり前じゃないですか!私は確かに初級スキル以外全く使えないですけど、自慢の三重発動があるので上級と同等のスキルだって作れちゃいますから!氷魔法でしたね、任せてくださいよ。」
静かに呼吸を整えて、準備を始める。
危険を察知したサメの魔物がイリミに狙いを定めて突進して来た。
いくら強いスキルを使えたとしても発動中は完全に無防備という弱点は拭えない。
「アタシもちょっとは活躍させなさいよ!『挑発』!」
標的が完全にアイリスへと移り変わる。
この僅かな時間を生み出してくれたアイリスには頭が上がらない。
「『水魔法』、『風魔法』"凍結風"!」
稼いだ時間を無駄にはせず、スキルを発動させる。
辺りを凍らせる風が一直線に通り抜けていく。
小さい礫でも満足だったのに、良い意味でイリミは期待を裏切ってくれた。
スキルの効果でアイリスしか見えていないサメは、後ろからの脅威に気付いていなかった。
そのまま風に飲み込まれ、全身はゆっくりと凍結していく。
雄叫びを上げながら暴れ始めたが、今更気付いた所でどうにかなる訳もない。
1番切れ味のあるであろう鬼丸を、動けなくなったサメに向かって振り下ろす。
ここでようやく3階層で初めて出現した敵の討伐が完了する。
1匹に対して掛かる時間ではないけれど、ひとまず倒せた事に喜ぶべきだ。
「不甲斐ないわ、本当に。」
思ったように結果が振るわなかったアイリス。
表情からして落ち込んでいるのは分かる。
しかし、それは仕方のないことだ。
ダンジョンの敵が強いのは当たり前。
その分、最下層に眠るお宝も貴重な物になっているのだから。
A級冒険者だろうとS級冒険者だろうと最下層に行けるかどうかのレベルだろう。
「不甲斐ないと口で言うのは良いが、この先のその結果に甘んじるのか?」
出ましたエルマードの厳しい一言。
状況を考えろよ、状況を。
普通の女の子なら泣いてどこかへ走り去って行くぞ。
「いや、次こそは結果を残す。今、このパーティで1番弱いのはアタシだから。」
「えぇー!そんな事ないですよ!私なんの役にも立ってないし!」
「なら、勝負ねイリミ。このパーティのお荷物になった方の負けよ。」
「お、お荷物。私、既に怪しい気がしますけど、そうならないように努力しないといけないです。」
女子2人のやる気は上がったみたいだ。
2人共、このパーティには欠かせない役割を担っている。
その自覚を持てば、少しは自信が付くかも知れない。
直接俺が言ってあげても良いのだけど、本人が気付くのが1番効果的なので敢えて言わないでおく。
この階層にまでなってくると魔物の素材で強力な武器が作れるのではないかと思い剥ぎ取った。
生まれるような土がないので残った死体は端に寄せる。
土に還るのか、他の魔物の餌になるか。
どちらかは分からないが成仏して欲しい。
殺したのは俺なんだけど。
道を進んでいくと三方向に枝分かれした分岐点を見つけた。
1つしか当たりが無くて、それ以外の道を選ぶと即強制終了。
なんて、そんなのはあり得ないよな。
行き止まりの道があって、少し時間を無駄にしてしまったぐらいで済むよはず。
てか、そうであってくれ。
イリミが耳に手を当て、真剣に音を聞いている。
まさか!エルフだから小さな音でも拾う事が出来るというのか!
ようやく、イリミのエルフらしい要素1つ目を発見したかも知れない。
「何か分かったか?耳が発達しているから、音がよく聞こえるんだろ?」
「え?耳が発達?エルフの聴力は人間と同じくらいですよ。耳が長いのは他の種族と差別化を図る為だと言われています。」
「でも、今聞き耳立ててたよな。あれって、耳がすごく良いからとかでは。」
「勿論ありません。何か聞こえるかなーって思ったので精一杯耳を傾けてみたんですけど、まーったく何も聞こえませんでした。」
イリミ、君にとっては当たり前の事だからケロッと言えるのかも知れないが、ここに妄想を打ち壊された人間がいることを覚えておいて欲しい。
出来れば、もっと夢を見たいが今後も本物のエルフの手によって理想が崩れそうだとこの瞬間に感じた。
「俺の勘が正しければ、真ん中だな。」
「待って、アタシの『危機察知』によれば、左が安全よ。」
「私は多分、右が安全だと思います。」
3分の2が勘なのはどうしてだ。
こんなの信用に足る情報はアイリスのしかないだろ。
左に迷わず進もうとすると他の2人に止められる。
「安全なのは真ん中だと言ったはずだ。」
「いーや、右ですね!右じゃないと私動きませんよ!」
なんでこいつら急に意固地になるんだよ。
普段から聞き訳が悪いとかではないだろ。
こうなれば、公平に決める手段は1つしかない。
「行くぞ!最初はグー!」
古から困った時にはジャンケンで決めろと教わって来た。
寧ろ、ジャンケン以外に公平に決める手段はないと思うくらいだ。
「「「「ジャンケン!ぽんっ!」」」」
「ふっ、当然の結果だな。」
最悪だ。何の根拠もない自信だけを携えた男が勝ってしまった。
左が勝つように、俺もジャンケンに参加するという姑息な手段を使ったにも関わらず負けてしまうなんて。
絶対に真ん中なんて選びたくはないけれど、負けてしまった以上は文句は言えない。
ジャンケンで決まった勝敗には逆らえない。
恐る恐る、真ん中を歩いて行く。
頼むから危ない罠がない事を祈る。
俺とは対照的にどんどん前へ進んで行く男が1人。
何かあったら真っ先に死ぬぞアイツ。
しかし、結局は俺の心配と裏腹に行き止まりまで辿り着いた。
まずは、何事もなかった事に一安心したけれど、目の前に何やら怪しげな宝箱がある。
こんな行き止まりに置いてある宝箱なんてトラップに決まっている。
さっさと帰ろうと思い後ろを振り向こうとした瞬間、木製の何かを開ける時特有の音が鳴った。
最悪だ。エルマードが何の躊躇いも無く宝箱を開けている。
どうやらトラップではないみたいだ。
ならば、中身は一体。
4人で集合してギチギチの状態で宝箱の中を覗き込んだ。
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