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第003話 序盤から活躍する仲間は大体イケメン

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

妄想具現化イマジネーション・クラフト』の実力は余りにも強大だった。

やっぱり、天候に影響を与える系の能力が強いってのは古来から決まっているよな。


これくらい強い技は百を超える。

あの魔族は、魔導書とか禁書なんて言っていたが強ち間違いではない訳だ。

だって、中学生の考える最強技なんて大雑把に強い設定だけ盛り込んだ物ばかりだろ。

わざわざ負ける要素を入れるはずもないからな。


問題の魔族はあの技を喰らってから、ピクリとも動かなくなってしまった。

それに加えて、あの雷が落ちる時の轟音で人を集めている。


倒れた魔族と怪しい一人の旅人。

何が起こっているのか把握出来ていない住民は、混乱状態に陥っている様子だ。

ここで俺が声を掛かる事も可能だが、怪しい奴の言葉なんて誰が耳を傾ける。


この処理をどうしようかと悩んでいる間にも、どんどんと人が集まっていく。

やべぇー、これ以上大事になると面倒だ。

どうにかして逃げ出す方法を考えないと。


「おい、そこのお前。」


おっ、誰か分からないけど確実に俺に声を掛けて来てくれた!

この人に本当の事を話して、観衆がしているであろう誤解を解こう。


「いやー、これはですねー。」

「黙って手を挙げろ。3秒以内にだ。」

「ちょ、マジか!?」


群衆を掻き分け近付いて来た緑髪のイケメン野朗は、平然と俺の目の前に拳銃を構える。

元の世界では、考えられないような状況に思わず声を漏らした。


すると、俺の耳を掠める一撃が。

頭が少しでも動いてたら死んでいる可能性があったんですけど。

コイツ、ちょっと顔が良いからってやりたい放題かよ。


「次は頭の真ん中を撃ち抜くからな。」


さっきの指示に従って返事を敢えてしなかった。

引っ掛けクイズ検定自称1級の俺なら、答えた瞬間に黙れと言っただろって引き金を引かれてしまう罠には騙されない。

答えは沈黙だ。


「返事をしろ。」


ヒョエーーー!!!

また、コイツ一発撃ちやがった!

いくら外れたとは言え、いつか脳みそ貫通する事になるだろ!

てか、俺で遊んでるんじゃないだろうな。

それだったら、ズバッと言ってやる必要がある。


「なんだ。文句でもありそうな顔をして。」


首を全力で横に振った。

これでもかってくらい振り過ぎて、首が千切れたんじゃないかと錯覚する程だ。


「あの魔族をやったのはお前か?」


この問いには、一度だけ縦に首を振った。

嘘を付いた所で他の人に見られていただろうから、聞いて回ればすぐにバレてしまうだろう。


俺が肯定してのを見て明らかに不機嫌そうになる。

不機嫌な理由は本人から聞かなくても分かるけど。


「お前がこの魔族を倒した事はすぐ上に報告が行く。そうなれば、この街は終わりだ。たった一つだけ、それを阻止する事が出来るとすれば、分かるよな?」

「俺の首を持っていくことだ。」

「よく分かっているな。なら、ここで大人しく死んでくれ。」

「・・・ふざけんなよ。」

「何か言ったか?」

「ふざけんなって言ってんだよ!お前は、アイツらの暴挙を見逃すのか?いや、お前だけじゃねー、ここにいる全員だ!」


そんな事が許されて良いはずがない。

新たに傷を負う人がいると分かっていて見逃すのかよ。

理屈や暗黙の了解の話でなく、人として決して無くしてはいけない心の話だろ。


「お前に分かるのか!この街の人がどれだけ苦しみ、どれだけ耐えて来たのかを!」


余所者が簡単に口を挟める領域の話でない事は、あのおばあさんやここで黙って見ている奴らを見れば分かる。

きっと、日本でのうのうと生きて来た俺には想像も付かない程の辛い過去があるはずだ。


けどよ。

だから、変わろうとしないのか?

だから、黙ってやられたまま耐えるのか?


何も言わずに近付いて行く。

そして、まだ下ろされていない拳銃を掴み俺の額に当てた。


「俺を殺して満足するなら、撃てよ。」


ここで引き金が引かれるかどうかでコイツの本当の想いが分かる。

もしも、引かれた場合は死んでしまうけど、その時は異世界転生失敗の最速記録としてアルミストに笑って貰おう。


緑髪は引き金に指を掛けている。

怒りでなのかは分からないが、その指は震えていた。


「おい!バルハート様が来たぞ!みんな、隠れろ!殺されちまう!」


一人の男が大声を上げながら、こちらへ駆け寄ってくる。

誰かが来た事を伝えているみたいだが、様付けで呼んでいる事からも相当地位の高い奴だろう。


この街を統括しているのは魔族。

今、目の前で倒れているのも魔族。

つまり、今から来る地位の高い奴も魔族だろう。

多分相当、お怒りなのではないだろうか。


「おい、どうなってんだよ。ギルとジルはそこまで弱い奴らじゃねーんだけどな。」


背中だけでも感じる殺気。

圧倒的は力の差に俺は後ろを振り返る事もできない。

妄想具現化イマジネーションクラフト』が強くて調子に乗っていたが、やはりここは異世界。

才能がいくらあっても生まれたての子鹿は虎に勝てないようだ。


「エルマード、お前は人間種(ヒューマン)とか言う下等種族にも関わらず役職を与えてるよな?それなのにこれはどういう事だ。説明して貰おうか?」

「これは・・・。」

「説明するまでが遅い死ね。『炎魔法』"獄炎(ごくえん)"」


太陽かと思うほどの恐ろしく巨大な烈火がエルマードと呼ばれていた緑髪に襲い掛かる。


このままだと直撃するのに何で避けないんだよ。

あんなの喰らったら確実にあの世へ直行だろ。

それだけコイツに逆らったらいけないって事なのか。

しかし、どれだけアイツが強かろうと俺には関係ない。

運良く持ち合わせたチートスキルでアイツを倒せば、この街も魔族の苦しみから解放されるはずだ。

そう思うと震えも止まっていた。


スキルを発動させる為に一歩前に出ようとする。

しかし、エルマードが腕を横に出してそれを阻止した。

どこまでもコイツの言いなりなんだと思ったが、何か覚悟を決めた表情だ。


「どうせ、このままだと街は跡形も残らず灰となる。なら、悔いを残さずに暴れ回るしかないな。クソ魔族、俺の、俺達の怒りを知れ!『怒れる闘牛の目覚めアングリーエンチャント』!」


スキルを発動した途端に、相手の獄炎がエルマードを包み込む。

その炎の勢いは凄まじく焼かれているエルマードの姿が見えない。

ただ、これだけの攻撃を受ければ無事でいられないのは分かる。


「アチいな、クソッ。久しぶりに使ったけど、多少は我慢しないといけない所も多いのが難点だ。」

「大丈夫なのかよ、お前。完全に死んでる流れだったぞ。」

「こういうスキルだ。それより、反撃に移る。」


拳銃を構えながら、どんどんと距離を詰めていく。

まさか、コイツのスタイルは近距離のガンナーなのか。

おいおい、カッコいいのは顔だけじゃないのかよ。


目でギリギリ終える速さの戦闘スピードで、近距離且つ正確な射撃がバルハートを襲う。

何発か防がれたが、所々から見えている出血からダメージが通っているのも推測できる。

これなら、本当にエルマード一人で勝ってしまうのではないだろうか。


勝利への活路を見出した時、バルハートは笑っていた。

久しぶりの白熱した決闘に、魔族としての本能が出てしまっている。

エルマードが押しているようにも見えたが、どうやら簡単には勝たせてくれないようだ。


今までは拳のみで近距離戦の相手をしていたバルハートもようやく武器を手に取る。

真紅の髪によく似合う黒染の大剣。

そこから発せられる異様なオーラに一度エルマードも距離を取る。


「さぁ、第二ラウンドを始めようぜ!下等種族共!」


ご覧いただきありがとうございました。

よければ評価、ブックマーク、いいねお願いいたします。めっちゃモチベーションに繋がりますのでどうか、どうか!!!

あ、毎日21時投稿予定です。

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