第028話 噛ませ犬再び
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エルマードの放った波動砲は当たった感触があった。
その証拠に暴れていたコイツも大人しくなっている。
一連の流れを時間にして見れば、10分にも満たない間での出来事だった。
しかし、それでも長い間戦った様に感じるのは命を賭けた戦いだからだ。
人を殺したあの日から常にそう思っている。
「大丈夫か。ぐわんぐわん振り回されていたけど。」
「俺は大丈夫だ。それよりもイリミの様子はどうだ。」
「アイリスが様子を見ていたが数秒で目を覚ましたらしい。その後は自分で回復魔法を掛けて動けるくらいには回復している。それで、コイツが透明なバケモンの正体かよ。」
「・・・みたいだな。」
そこに死体として転がっているのはトカゲみたいな形をした魔物だった。
強い魔物だからどんな見た目なのかと少し期待していた部分もあったが、まさなトカゲ相手に全力で戦う事になるとは。
苦戦を強いられた羞恥心より、トカゲでこのレベルの強さがある事の畏怖の念が強まった。
序盤に出会った魔物が透明化のスキルを使えるって、イージーモードの異世界とは程遠い世界だな。
でも、それが現実を感じれて悪くない。
主人公のいる場所以外は時の止まっている二次元の世界よりずっと現実味がある。
コイツらは今まで何人もの人を殺して知恵を付けた。
だから、人間の殺し方も学習していて簡単に殺す事は出来ない。
他の魔物だってそうだろう。
突然異世界に湧いて出て来た俺がチートスキルで無双なんて考えが甘かった。
驕りを消し、この世界に順応しなくては。
「今、この死体動かなかったか?」
「まさか、お前が止めしっかり刺しただろ。」
「いや、そのはずなんだがピクッと腕が動いた様な気が。」
「痙攣とかじゃないのか?分からないけど。」
「んー、俺の勘違いかも知れない。」
「それよりも大丈夫だったか。イリミ、アイリス。」
倒した魔物の事に気を取られ過ぎて、2人の方へ行くのを忘れていた。
2人が不機嫌になる前に安否の確認をしないと。
「後ろ!2人共、後ろ!」
後ろ後ろってそれは日本の代表する伝説のギャグじゃ無いか。
真剣に言ってる感じがまた俺達との温度感にギャップを生んで面白さを作る。
・・・なんで、ガチなの?リアルにマジなの?
「魔物の死体に乗り移った事は無かったけど、中々動き辛いモンだなこりゃ。」
ゆっくり後ろを振り向いて確認すると、魔物が喋り出した。
それも結構流暢な言葉だ。
まさかとは思うがこれはジーガスか。
本体が生きれていればいつでも復活が出来るという事だとすれば、このダンジョン内で常にジーガスと戦わなければならない可能性を秘めていると言うことか。
「もっと人間っぽい形が良いよな。えーっと、これをこうして、あーしてと。」
人間に近い形へと体を変えようとするジーガスに、攻撃を仕掛けるエルマード。
俺も"映像模倣"を発動させてエルマードに合わせる。
体が慣れていない内に二方向から叩けば、流石に倒せるだろう。
「うぜってーな。」
透明化を発動させて逃げるジーガス。
人間の知能を持っている奴が透明化を使うと厄介さが極まる。
どこから攻撃してくるのか。
コツンッ
一瞬、音のした方向へ振り向く。
しかし、地面に転がる石が俺の事を嘲笑っていた。
「まずは1人目をいただいていくぜ!『牙撃』!」
元々のトカゲにも生えていた牙で噛み付かれる。
皮膚を貫通させ、筋肉までも引き裂かれそうになる。
咄嗟にエルマードが間に割って入った事で攻撃も解除されたが、あのまま続けられていたら骨まで行ってたな。
ここからどうやってコイツを倒すか慎重に考えないと。
まず、良くあるパターンとして本体を探す。
ダンジョン内のどこかに本人が隠れていて、それを倒せれば万事解決。
それだけ聞けば簡単に思えるが、近くに仲間を配置しているとか強い魔物が配置されているとかだと難しくなる。
そもそも、探すのに時間が掛かる事だって用意に考えられるし。
「俺と遊んでくれよ!リューマ!」
「誰が無限の命を持ったお前とまともに戦うんだよ。」
「あの最後の一撃を喰らった瞬間からお前になりたいって決めたんだ。だから、大人しく死んだからないと困るねー!」
また姿を消し始めた。
どこからともなく襲ってくる時間が始まる。
こっちのターンはいつになったら来るんだよ。
「甘いな。人型になった事で呼吸音がハッキリするぞ変態野朗。」
エルマードが放つ弾丸は、一発でジーガスに当たる。
見えない敵ではあるが、動く音まで消せる訳ではない。
さっきのトカゲは自分の出す音全てに細心の注意を払って動いていた。
だから、完璧に透明化を使い熟せていた。
けれども、コイツはまだ体を奪ったばかりで上手く使えていない。
ましてや、人間の体にした事で余計に無駄な音を出す羽目になっている。
「お前には興味ないんだけどなぁー。しゃーない、遊んでやるか!」
「アンタもしぶとい奴よね。でも、良かったわ。頭は良くないみたい。私達を個々として冒険者を見るから勝てないって気付かないんだもの。
「雑魚A級が調子に乗るなよ!『炎魔法』"ファイアーランス"!」
「『打撃』"連打撃"!」
無数の炎の槍が空中から飛んでくる。
掠りでもしたら傷口から炎が広がり、一瞬で致命傷になるだろう。
アイリスは落ち着いていた。
1つ1つを的確に撃ち落としていく。
みんなが自分の役目を果たしている。
だったら俺も活躍しないといけない。
「影は光より生まれ、より暗き闇を好む。無数に広がるこの影は全てが俺のテリトリー。不可能な足掻きを見せる準備は出来たか?"無限の怪影"」
視界にある影が伸びる。
辺り一面は気付けば影だけの状態に。
黒い影は手の形になり、敵を飲み込もうとする。
飲み込まれた先に待つのは、永遠の闇。
言わば幽閉された空間である。
倒してもどうせ復活するなら復活出来ない様に閉じ込めてしまえば良い。
我ながら立派な作戦だ。
「どうせここで終わりなら道連れだ!喰らえ!」
「させません!『水魔法』"プチアクア"」
何かスキルを発動させようとしたタイミングで、イリミの水魔法が炸裂。
ピンポイントでジーガスの口を封じる。
これで何も出来ずに闇へと囚われるだろう。
「なんだ、このザマは。『炎魔法』"獄炎"」
幽閉するよりも前にいきなり登場した刺客によって、ジーガスは殺される。
これでまた復活する機会を与えてしまった訳だ。
それにしてもこの魔法スキル。
振り向くとやはりバルハートがいた。
俺達を見て襲ってくると思ったが、どうやらその気配はない。
ジーガスが死んだのを確認して、そのまま立ち去ってしまった。
「・・・バルハート。まさか、ルインだけではなく、魔族もダンジョンに来ているとはな。厄介極まりない。」
「俺としては、ここでバルハートと戦うのは面倒だ。」
「そうは言ってもまだダンジョンにいるだろうから、いずれは戦う事になる。」
何故、魔族はこのタイミングでアーティファクトを狙い始めたのか。
理由が気になって来た。
俺にはどうしても何か大きく事が動き出している様にしか思えなかった。
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