第026話 故郷を感じる
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「痛いだろうがよ、カスが。」
ダメージは確実に通ったはず。
それなのに何事も無かった様に動き出すのはどうしてだ。
何かしらのカラクリがあるのは考えなくても分かる。
今はそれが何かを探る時間が無いので加勢に入るしかない。
急いで俺が鬼丸に手を掛けた瞬間、
「やめてッ!これはアタシの戦いだから邪魔しないで!」
そうは言っても黙ってこのまま見ている訳にもいかないだろ。
アイリスを信じていないとかではないが、相手が相手だ。
負ける可能性だってある。
「舐められたもんだねぇー。まだ、アイツの方が俺の強さをわかってるよ。A級って肩書きに慢心してるから足元を掬われる。馬鹿な奴らだよ、お前等は。」
「御託は良いから掛かってこないの?」
「すぐそうやって急かす。だから、嫌いだ。」
また始まる激しいぶつかり合い。
単純な技量で言えば、勿論アイリスの方が上。
しかし、その差を埋める程固有スキルが強い。
次々と襲い掛かる奇襲に防戦一方のアイリス。
やっぱりここは文句を言われようとも助けて船を出すべきだ。
チラッとエルマードを見ると腕組みをして見届けている。
心配な気持ちは一切見えない。
勝つと信じている。いや、分かっているから動かない。
そんな意思の表れを感じる。
どうやら、イリミもエルマードの態度には気付いている様で時折不安な表情を浮かべながらも観戦していた。
すっと刀から手を引く。
非常事態が起こるなと何度も願いながら。
「粘りやがって鬱陶しいな!『剣術』"ラッシュブレイド"!」
「『打撃』"鋼鉄拳撃"」
金属音が鳴り響く。
辛うじてスキルで防いでいるが、判断が一瞬でも遅れたら悲惨な結末が待つ。
唯一、朗報なのは固有スキルらしき動きが減って来た事。
固有スキルの制約が邪魔をして自由に動けなくなっているのだろう。
チャンスはその内必ずやってくる。
後はそれまで耐えられるかどうかの勝負だ。
見ているこっちが緊張する戦いは急に終止符を撃たれる。
「ジーガス、腐った体で何を遊んでるの?」
「ミヤビ、ちょうどコイツらのどれかに乗り換えようと思ったら中々手こずってよ。」
ルインのメンバーが1人とは思っていなかったが、まさかこのタイミングで援護が来るなんて。
最悪の展開だ。
流石にこの状況をアイリス1人に任せる事は出来ない。
鬼丸を持って前へ出る。
「私を気安くミヤビと呼ぶのは止めてなの。気色の悪い。それより、代えの死体は用意してあるから早くこっちへ移るの。」
「サンキュー、助かるぜ。」
サーチェスの体はぐったりとして動かなくなる。
代わりにミヤビという女の横にあった死体が動き出した。
今ので理解した。
偽サーチェス改めてジーガスは、死体を自由自在に操れる代わりに時間制限がある。
腐敗が進めば進む程動きは鈍くなるのだろう。
つまり、助っ人が来る前は俺達が有利な状況だった。
人数だってそうだ。
4対2、今もこっちが多いように思えるが如何せん経験が足りない。
「さてさて、こっちの体はどんなスキル持ちかなー?」
「死体に乗り移って最初にするのがスキル漁りとかつくづく気持ちの悪い奴ー。変な事で興奮してる暇があったらさっさ、と・・・。」
俺と目が合った瞬間に固まるミヤビ。
何が起こるのかは分からないが鬼丸を抜刀する。
圧は感じられないが、それでもジーガスと同等かそれ以上の実力があると思ってまず間違いないはずだ。
動き辛そうなゴスロリを揺らしながら近付いて来る。
「やっぱり、そうなの。貴方、私以外の日本人。こっちへ来てから初めて見た。」
そっと俺の頬を触れる手は柔らかい。
敵であるので油断は出来ないが、日本人という言葉に引っ掛かる。
だから、逃げ出す事も攻撃する事も出来なかった。
敵の罠だと言われればそれまでだが、どうしても違う様に感じる。
黒い長髪に黒い瞳。
それだけで安心してしまう。
騙されるなと何度も何度も心へと暗示を掛ける。
「おいおい、いきなり盛るなよミヤビ。てか、元はと言えばそいつは俺が狙ってた獲物だぜ?だって、1番この中で強そうだからよ。」
「黙って!今私大事な話をしてるなの。」
「チッ!後から俺にヤらせろよ?お預け喰らったままじゃ、興奮して夜も眠れねーよ。」
「さっさと他の3人をやって。」
まずい、この女の子に気を取られている場合では無い。
ジーガスを止める必要がある。
あの死体でどれだけの力を発揮するかは分からないが、万が一の場合は3人とも壊滅。
その場合はすぐにでも俺の奥の手を使う。
「待って!」
俺は腕を掴まれた。
今度は本気で振り解こうとする。
「クソッ!なんでだ!力が上手く入らない。」
「私の固有スキル。ありとあらゆるバフとデバフを操れるチート。女神から貰った最強のね。」
「転生者ってのは嘘じゃないらしいが、どうして邪魔をするんだよ!アイツは人を簡単に殺す様な奴だぞ!そんな奴と一緒にいる理由はなんだ!」
刃を向ける気はどうしても起きず、ただ声を荒げた。
「私、人間は嫌い。だから、魔族側に付く事にしたなの。」
「それだけの理由かよ。でも、残念だったな。見ての通り俺も人間だ。だから、同じ日本人だったとしても嫌いな奴らの仲間って訳。」
「違う。貴方は匂いが違うの。嫌な匂いじゃない。初対面で信じて貰えないかも知れないけど、心が安らぐ匂い。」
何を言っているのか。
ミヤビの言葉を信用出来る程の判断材料が無い。
ジーガスの方へ向かっても追い掛けて来ないので、有り難く3人の援護へ。
「次会った時こそ、私手に入れてみせるから。今回は私が貴方を欲している証明を残して帰る。」
そう言い残して、ミヤビは姿を消した。
「悪い、遅れた。」
「あの女はどうなった。」
「逃げられた。追い掛けたかったが、それよりもこっちを先に何とかしないと。」
「それは助かる。さっきよりも明らかに強くなってる。」
3人はボロボロになっている。
至る所から出血しているのをイリミが何とか回復しているが間に合っていない。
俺が時間を稼いで全員を万全な状態にしてから一気に叩く。
それで決着を着けよう。
「俺が相手だ、変態野郎。」
「いいね、いいねー!やっと強い奴の登場って訳だ。」
「その余裕の表情がいつまで保てるのか楽しみだな。」
「そんなの永遠に決まってるだろ!」
腕を伸ばして襲い掛かってくる。
しかし、伸ばすスピードはそこまで速く無い。
鬼丸で斬り落としてから反撃に。
簡単に落ちた腕。
そこから眩い光が発せられている。
激しい衝撃音と共に腕が爆発した。
防御しようとしたがあまりにも近過ぎてダメージを受ける。
痛みを感じるのは何回目だ。
俺がもっと強ければ、こんな戦いだって一瞬で決着が付けられたのに。
悔しさが感情を支配する。
「人の才は平等に在らず、万物に等しく与えられるは今という時のみ。時は最高の武器だ。その武器を持って立ち上がれ、悔やむ時があるならば。"最弱が紡ぐ英雄譚"!!!」
光が集まる。
小さいな光の集合体はゆっくりとジーガスへと近付く。
その光景にジーガスは完全に油断している。
どれくらいの技なのか見てやろうくらいに思っているのだろう。
残念ながらお前に次はない。
光はジーガスを発見すると一気に分裂して数を増やし攻撃を開始する。
逃げようとするがもう遅い。
最後に残ったは散り散りになった灰だけだった。
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