第025話 ルインの1人は狂気的
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血の臭いの原因は階段を降りるとすぐに判明した。
大量に転がる魔物の死体。
それも例外無くバラバラにされている。
飛び散った内臓を見ないようにするのに苦労しながら前に進むしかない。
恐らく人為的な物だと推測出来るが、犯人はまともな奴じゃないだろうな。
「酷いですねこれは。」
「どういう神経してたら魔物バラバラにしようと思うのよ。」
「狂気性が目立つが、2階層の魔物を容易くバラバラに出来る実力者があるとも捉えられる。これをやったのがどこのどいつかは知らんが気を付けた方が良いな。」
そこが今回のダンジョン攻略をより厄介にしている。
単純に魔物の巣窟から冒険者を救出するだけなら如何様にもやり方はあるだろう。
しかし、知能を持った実力者である謎の集団・ルインが不確定要素で常に可能性の中にいる。
人数も素性も分からない奴等を放っておきたい気持ちは山々だが、生憎無視出来る強さを持ち合わせていない。
「それにしても2階層は1階層と比べて見晴らしが良いですね。先の方まで見えますよ。」
イリミがその事に気付いた。
俺もイリミの言葉で辺りが開けている事に気付く。
何故こんな造りになっているのが疑問は残るが、短時間で分かるような話ではないので気にせず前へ進む。
それにしても、ずっと続く死体の道。
猟奇的な光景には多少慣れて来たが、魔物の多さには未だに驚かされる。
何も無くこの階に到着していたら大量の魔物と対峙していた。
想像するだけで鳥肌が立つ程嫌な話だ。
「誰かいるぞ。」
人影に気付いたエルマード。
立ち止まって、俺達を制止する。
「た、助かったー!ここのダンジョンで死ぬしかないのかと思ったのに助けが来たんだ。」
どうやら遭難してしまった冒険者の1人の様だ。
俺達を見て安堵の表情を浮かべている。
こんな所に1人取り残されてしまったら心細いのは当たり前だ。
誰だって同じ表情をするだろう。
「良かったわ。捜索中の冒険者と照合するから名前もランク、パーティ名を言いなさい。」
「サーチェス・ヤランクスタ、A級の黄金の音色所属です。」
「サーチェスね、お久しぶり。ワイバーン討伐の時以来かしら。」
「えぇ、そうですね。あの時は苦労しましたよ。」
「奥さんは元気にしているかしら。前に会った時は元気が無さそうだったけど。」
「今ではすっかり元気ですよ。アイリスさんに心配して貰えるなんて妻もさぞ喜ぶことでしょう。」
「そう?嬉しいわね。じゃあ、ついでにこれも渡しておいて貰えるかしら?」
何かを鞄から取り出す素振りを見せながらサーチェスに近付くアイリス。
久しぶりに会ったというのに、渡す物があるなんてよっぽど中が良かったのか。
アイリスは自分の話を積極的にするようなタイプでは無いので、交友関係は余り知らない。
だから、エルマード以外の冒険者と話しているなんて想像も付かなかった。
「どれを渡せば良いのでしょうか?妻は何でも喜ぶと思いますよ。」
「彼女は数年前に死んだわ。だから、偽物の貴方を殺して成仏させる。」
低い体勢で足元を薙ぎ払う。
突然の出来事に何も出来ず、サーチェスと名乗る者は倒れた。
地面に倒れ何も出来ない所を容赦無く追撃するアイリス。
「アンタが何者か吐きなさい。そしたら、少しは生きていられる秒数も伸びるわ。」
「クククッ、プッハハハッ!甘いよねー、A級冒険者って全員!先に潜入しているナンバーの邪魔をさせないのが俺の役目。だから、この男も殺した。でも、男は飽きたから次は女の体にでもしようかな。」
「ふざけた事をペラペラと!『打撃』"インパクトマーシャルアーツ"」
倒れた状況では流石に何も出来なかったか、まともに一撃を受ける。
体を乗っ取られた冒険者には悪いが、顔が変形してしまっているな。
「ククッ、酷いよねー!顔が台無しだよ。」
「まだ立てるのかよ。」
「俺の体じゃないからね。どうなろうと動けるって訳。そして、ダメージを受けた箇所をポンと叩くとほら元通り。」
アイリスの攻撃を貰い変形した頭が一瞬にして治る。
どんな要領で回復しているのか分からないが、固有スキル持ちということは分かった。
そして、もう1つ分かることはコイツが敵だと言う事。
恐らく道中の魔物を殺して歩いたのもコイツだ。
このダンジョンの敵は2つに1つ。
魔物かルインという組織か。
人型の魔物が居たとして不思議ではないが、恐らくは後者。
「ここへ来たら楽しめるって上が言うから来たのにどいつもこいつも手応え無くてさー。・・・アンタ等はどうかな?」
コイツの固有スキルが何かも分からない。
無闇矢鱈に戦闘をするべきでは無いが、ここから逃げ出すような技術を持ち合わせてもいない。
サーチェスだった者は、サーベルを口から吐き出して襲い掛かって来た。
シンプルに気持ち悪い。
だけど、気を取られ過ぎてはいけない。
ただでさえ、1階層でも苦労した魔物。
2階層となればより強いはずなのに、容易く蹂躙する人物だ。
「俺の強さはシンプルな剣術。探りを入れたいみたいだけどタネも仕掛けも無いんだよ!」
「"映像模倣"!知らない様だから教えてやるよ。タネも仕掛けも無いって言うやつ程、タネも仕掛けも用意してるんだよ!」
「大正解〜!ご褒美はオェー、これだよ!」
目の前でまたしても何かを吐き出す。
次から次へと道具を吐き出すその姿に未来から来た猫型ロボットも驚くだろうよ。
吐き出されたのを良く見ると爆弾だった。
導火線には火が付いていないが、もしもこんな窮屈な空間で爆発されたら一溜りもない。
「火が無いから安心してる?バカだな、そこの無能と違って普通のスキルも使えるんだぜ。」
エルマードに向かって指を差す。
最初からこっちの情報は持っている訳だ。
それよりも炎魔法で火を付けこちらに爆弾を投げる偽サーチェス。
何でも良いから距離を取りつつ技を詠唱しなければ。
そう考えた瞬間には一発の弾丸が爆弾を撃ち抜く。
同時に広がる爆風と爆発音。
直撃したらと考えると恐ろしい。
「俺が無能かどうかは今から見せてやるよ。」
「あーあ、折角のプレゼントが。」
「差し詰め死体に乗り移り、その体を自由自在に変形させる固有スキルだろ?」
「大当たり!でも、分かった所でどうにかなるの?」
「当たり前だろ。お前くらい俺が倒す。」
「アパストを倒したコイツじゃなくて、何の役にも立たないお前が俺を?冗談は休み休み言って欲しい。」
エルマードの実力を低く見積もっているらしい。
これは好機だ。
油断している奴程倒せる確率は跳ね上がる。
「待ってエルマード。コイツはアタシがやる。じゃないと気が済まないから。」
「おいおい、どいつもこいつもタイマンを望むの?4人で一気に来た方が勝率高いのに?俺、舐められすぎじゃね。」
溢れ出る威圧感が襲う。
これで牽制しているつもりかも知らないがいくつもの死線を潜り抜けて来た俺達には通用しない。
「『瞬歩」!」
「分かっていれば、そのスキルもどうと言う事はないなっ!」
的確に瞬間移動した場所へサーベルでの攻撃を放つ。
あのスキルは移動後に多少の硬直があるのでまずい。
「アンタの死因はA級の冒険者を舐めすぎた事。地獄で反省しなさい。」
素手で刃物を掴むアイリス。
勿論、手からは血がドクドクと流れている。
だが、相手の動きを数秒封じた。
A級相手に数秒を与えるのは命取りになる。
「『打撃』"破掌"」
アイリスの拳が敵の腹を確実に捉えた。
空気を振動させる程の衝撃が襲っている。
これで勝敗は決まったなと俺は確信した。
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