第022話 ドワーフがいる鍛冶屋は当たり
誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。
面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!
「さてさてー、恐らくギルマスのポケットマネーから出されたであろう100万ゴールドは、早い内に鍛冶屋で使いましょう。」
「わぁー!装備を揃えるって事ですよね?服選びみたいでワクワクして来ました。」
気持ちは分からなくない。
沢山ある装備の中から自分の相棒となる装備を選ぶ感覚。
まだ体感した事はないがゲームの時でもあれだけ楽しかったのだから、現実でやったらそれ以上の楽しさを味わえるはず。
通い慣れているのか、迷う事も無くひたすらに歩くアイリスの背中を追いかける。
街の事もまだ良く見れていないので、もう少しゆっくり歩いて欲しいが今のアイリスには無理なお願いだろう。
きっと頭の中は装備の事で一杯だ。
ようやく立ち止まった所には、木製の看板で『龍門館』と書かれている。
力強い殴り書きなので、通る人の目を引くのは間違いない。
しかし、入りやすいがどうかはまた別の話だ。
軽く中を覗いても人がいる気配はない。
その原因はどうも看板だけじゃないらしい。
中を覗くとそこには厳しい表情をした小人が1人。
あれはきっとドワーフだろうな。
やばい、今目があった気がする。
「なんだ?これは見せもんじゃねーんだよ。客じゃないなら帰った帰った。」
「ったく、相変わらず愛想のない接客してるのねルクス。」
「おぉー!アイリスじゃねーか!お前の連れなら早く言ってくれよ。おっ、おい!それにエルマードもいるじゃねーか!」
相手が知り合いだとわかった途端にこの変わり様。
売れない経営者の特徴に大いに当てはまる。
「今日は装備を揃えに来たのよ。アタシは十分良い装備だから、買うのはこっちの3人ね。」
俺達を紹介するアイリスとジロジロと3人を見るルクスと呼ばれたドワーフ。
いや、俺達というとより持っている武器を見ていると言うのが正しい。
「エルフの娘に、妙に出来の良い武器を持つ人間種、そしてまだそんな旧式の拳銃なんか使ってるエルマード。コイツは選びがいがあるなー!」
徐々にテンションが上がって来ているドワーフ。
何だか鼻息も荒くて怖くなって来た。
この場から逃げ出したいけど、アイリスが腕は認めているらしいので1度信用してみよう。
「まずはエルマードの武器からだ。ほら、コイツ手に取ってみろ。」
言われた通り、受け取って構えて使用感を確認している。
何度か確認した後に机に戻した。
「軽いし、構えた時もブレが少なそうな作りをしている。しかし、1番の問題点は弾倉がない事だ。仮に中に装填されている数発が撃てても使い捨てだとパフォーマンスが悪い。」
「チッチッチ、甘いぜエルマード。ソイツを良く見るんだな。」
その言葉を待っていましたと言わんばかりに反論に入るルクス。
「弾倉があるばすの部分に刻印がされているだろ。それがあるおかげで弾を必要とせず、空気中の魔素を装填するんだよ。」
「それは便利かも知れないな。普通の弾よりも威力は強いはずだ。で、値段はいくらだ。」
「コイツで26万ってとこだな。もっと安い型もあるが、そいつじゃ話にならんレベルでこれが性能が良い。」
「よし、これを買おう。」
「毎度ー!んで、次はエルフの嬢ちゃん。」
「わ、私は大丈夫ですよ。他のみなさんが良い武器を買った方が。」
遠慮がちに言うイリミ。
確かに気持ちは分からなくもないが、このお金は武器を揃える為にギルドが用意した物だ。
他の事に使うのは失礼なので、余っても使い辛いだけ。
それならば、ここでキチンと使い切った方がお得ではある。
「何言ってんだエルフの嬢ちゃん。武器ってのは命だ。それが要らないってのはおかしな話だろ。」
「そこのヒゲもじゃドワーフの言う通りよ。武器はちゃんと選びなさい。お荷物になりたくないのならね。」
「そこでだ、お嬢ちゃんにピッタリなのは先詠みの杖だ!お嬢ちゃん丸腰ってことはスキル中心、しかも魔法系スキルの使い手と見た。」
「すごい!大体は合ってます!」
「んで、この杖の凄い所はスキルを3つまでセットしておくことが出来んだよ。」
スキルを3つも無詠唱で放てるのか。
普通の冒険者にとっては喉から手が出る程欲しい杖だろう。
ただ、イリミの戦闘スタイルとは合っていない。
数多くの初級スキルからその場で適切な物を選ぶのが強みであり、予め用意している初級スキルだけでは太刀打ち出来ないのが正直な所。
唯一希望があるとするならば、この杖でスキルの多重詠唱と同じ効果を出せるかどうかだ。
もしも、多重詠唱と同等の効果を発揮できるとするなら、強力な武器へと成り代わる。
まぁ、何も武器を待っていないよりは遥かに良いだろうからどちらにせよ購入は確定だけどな。
「ちなみにお値段は?」
「コイツは1本で42万だな。ちっとばっか値段は張るけど、その分物も良いし杖を背負える様にするベルトもおまけしてやるよ。」
「うっ、42万ですか。お高い気もしますが、その分物も良い気って事ですよね。」
「ルクス、それも買うわ。この子に任せたらいつまで経っても決まらないもの。」
「だって簡単な買い物じゃないですよこれー。」
イリミの買い物も何とか終わり、最後に残されたのは俺だけだ。
武器は一応鬼丸があるのだけど、サブとして短剣でも勧められるのだろうか。
今まで紹介された武器はどれも破格の性能をしていたので期待は高まっている。
「そいつは鬼丸かぁ。まさか、生きてる間にその刀が見れるとは。」
「あんた刀を知ってんのか!?」
これは驚いた。
今まで会った人は全て刀という存在すら知らなかった。
なのにこのドワーフは当然の様に刀の存在を知っている。
それどころか鬼丸まで知っているとは何者だ。
「ドワーフは刀を作れる唯一の種族だ。この刀の技法を先祖代々受け継いで今がある。そして、刀を最初に作ったとされるのがコウサクと言うドワーフで鬼丸はその人の作品なんだよ。」
俺には分かる。
コウサクと呼ばれるドワーフは元々日本人だ。
低身長でドワーフと勘違いされたかドワーフに転生したかは不明だが、この世界に転生した地球人は俺と田中だけではないという事だ。
何年も前からこの世界には地球人が送り込まれている。
「鬼丸があるなら他の武器は要らねーな。お前さんにはこれを渡せば十分だろ。」
「これは鞘か。」
「見た所刀は鬼丸だが鞘は普通の鞘だ。それじゃあ、刀も泣いちまう。良いもんは良い物に納めるべきだろ。」
見た目は確かに格好良い。
所謂漆塗りが施されていて艶やか。
そして、何より鬼丸と相性が良いのが伝わる。
なんでそれが分かるのかは感覚的な物だから表現は難しいけど、断言出来る。
「コイツは酒朱。刀をそこへ納めておくと勝手に刃を研いでくれる優れ物だ。本当は自分でやるのが1番だが、それを怠る奴も多い。だから、コイツを使えば毎回新品同様の切れ味を保てるって訳だ。値段はたったの10万ゴールド。」
計78万、余った22万はアイリスの武器にと言ったのだが、必要がないの一点張り。
結局、他のダンジョン探索に必要な物資へ充てる事になった。
「毎度あり。ダンジョン行くらしいじゃねーか。お土産期待して待ってるぜ!」
今回協力的だったのはそれも狙いだったのか。
頑固そうな奴だけど、仕事としては完璧なので次回も是非利用させてもらいたい。
武器選びも終え、残す準備も僅かだ。
ダンジョン攻略へ着々と進んでいるのを実感する。
今は不安の中に少しだけ待望の念が混じっている。
ご覧いただきありがとうございました。
よければ評価、ブックマーク、いいねお願いいたします。めっちゃモチベーションに繋がりますのでどうか、どうか!!!
あ、毎日21時投稿予定です。




