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第002話 異世界にゴミスキルってないらしい

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

異世界に飛ばされたのは一瞬だった。

目を開けた時には既に見覚えのない場所にいたから、ここが異世界だとすぐに分かる。


それにしても、異世界に転生されるならもっと雰囲気がある場所が良かった。

いかにもゴブリンやスライムが出ますよって雰囲気の森や平原とか、いきなり仲間との出会いがある街道とか。

ここは、それらには当てはまらない路地裏。

日の光が入らず、ジメジメと湿った陰気な場所だ。

こんな所からは早く抜け出して、輝かしい異世界デビューを飾るべきだな。


いや、待てよ。

それよりを真っ先にしなければならない事がある。

妄想具現化イマジネーションクラフト』というスキルがどんなスキルなのかを確認しとくべきだ。

魔物とか魔族とかそういう系の奴らと戦わなければならない異世界において、素の身体能力が塵に等しい俺はスキルが生命線と言える。


・・・決して、セクシーなお姉さんを召喚したいとかじゃないから。

そうそう、これは生きる為に必要な工程だから。


「スキルか。叫ぶ系、念じる系、条件発動系とか作品によって様々な発動方法があるけど、俺は断然叫ぶ派だ!いくぞ!『妄想具現化イマジネーションクラフト』ーーー!!!」


・・・


気合の入った雄叫びだけが路地裏に反響している。

誰にも見られてないのが唯一の救いだけど、昔の嫌な思い出が蘇って心が痛む。


しっかり俺の好みに当てはまるナイスバディな女性を妄想していたはずなのに、どうして目の前に現れなかったんだ?

これが女神の言っていた強いスキルではあるけど、制約もその分あると言っていた意味なのか。

つまり、俺のハーレム異世界のんびりライフ計画は破綻した訳だ。


最初の検証が失敗に終わったけれど、実はそこまで落ち込んでいなかった。

まだ戦う為の妄想をしていないからだ。

定番で言ったら魔法系とかに憧れを抱いてしまう。


「今度こそ、いくぞ!ファイア!」


・・・


はい、ゴミスキルでした。

なんだよこれ!なんだったら、具現化されるんだよ!

美少女は最悪具現化されなくても支障を来たさないが、魔法は大問題だ。

何かしらの条件を満たしていない可能もあるが、それを試す為に危険は犯せない。

もういっその事、商人として働いて巨万の富を得て、訳あり美少女奴隷を買って俺だけに懐かせてハーレムを作り上げるしか。


こうなったら、ギルドへ行って冒険者登録をとりあえずするか。

使うかどうか分からないが登録しておいて損はないだろう。

けど、その為にはギルドを探さなければならない。

いつまでも落ち込んでられないし、移動しよう。


路地裏から出るとそこには人々がちらほらといるのが見える。

まだ昼間なので、もう少し賑わいがあっても良いと思うけど、街の規模が小さめなのかも知れない。


それにしても、建造物がいくつもあるこの街でギルドを無闇矢鱈探すのは流石に無謀だ。

ちょうど人当たりの良さそうなおばあさんが居たので、声を掛けてみることに。


「あのー、すみません。聞きたいことがあるんですけど、お時間良いですか?」

「まあー、随分とご丁寧なお方。あら?あまりこちらで見かけない服装ですね?旅をされているのですか?」


ちなみに今の俺の服装は制服なので目立つ。

早く着替えたい所だが、日銭も持ち合わせていない俺にとって服は贅沢品である。


「旅、みたいなもんなんですかね。あ、そうだ、ギルドの場所を聞いたいんですけど。」


おばあさんはギルドと言う単語の聞いた瞬間から酷く焦り始めた。

何度も周囲を確認して何かに怯えている様子だ。


「旅の方なら1度目は仕方がありませんが、この街でその事を聞くのはおやめなさい。ギルドは魔物や魔族を討伐する組織。しかし、既にここは魔族に支配されてしまっているのです。もしも、あの方達の耳にギルドを探している反逆者がいると知られてしまえば、この街では生きていけないでしょう。」

「す、すみませんでした。貴重な情報をありがとうおばあさん。」


転生場所がいきなり魔族に支配された街?

しかも、ギルドも無いのでお金を稼ぐ手段も限られている。

なんでこんなハードモードなんだよ!!!

えっ、本当に魔王討伐させるつもりあるんですか女神様!


スキルは使えない、転生場所は問題だらけ、想像してたイージー異世界転生とは真逆だ。

今は嘆いても現状が変わる訳でもないので、街の様子を探索しながら方針を考える事に。


「おい、良いだろ?俺達がお前も分からない訳じゃないだろうしよ。」

「私には旦那がいるんです。申し訳ございませんが、お許しいただけませんか。どうかお願いいたします。」

「おいおい、既婚者だとよ。どうするガル?」

「既婚者の方がそそられるだろ、ギル。」

「それもそうだな!ってことだ、女ついて来い。」


あんな強引なナンパもあるのか。

異世界の秩序はどうなってるんだよ。


・・・あれ、完全に困ってるよな。

合意のないままどこかへ連れ込もうとしてるし。

こっちの世界ではどうか知らないけど、日本なら違法だ。

なのに、周りは見て見ぬ振りをしている。

俺もその内の一人でいれば、何事も無く平和に過ごせるはずだ。


でも、それは出来ない相談だよな。

あんなの放っておく方がどうかしてる。


「おい、やめとけよ。嫌がってんだろ。」

「なんだァー?テメー、俺らの邪魔しようってか?」

「ジル、どうやらこいつここの奴じゃないみたいだぜ?」

「そうか、そうか。それなら、俺様の寛大な心で一度は許してやるよ。だから、さっさとうせろ。俺達は魔族だぞ?」


どうやら、コイツらが魔族らしい。

確かに雰囲気からして強そうだし、足が震えそうなほど恐い威圧感がある。

だけど、俺も男だ。

一度出した拳を易々と引っ込められないんだよ。


「そんなキモい面じゃ、女捕まえるのも大変だろ。」

「やれ、ギル。」


グハァッ!!!


日本では考えられないスピードで俺の腹に重い拳が飛んで来た。

あまりの痛みに気を失いそうになる。

クソッ、どんだけ馬鹿力なんだよコイツは。


挑発し過ぎたのか、髪を掴まれて完全に身動きが取れない状態になっている。

加えて、魔族の野朗は腰から刃物を取り出して俺の首を跳ねるつまりらしい。

俺の異世界物語はここで終わりのようだ。


なんて、そんなの納得出来るかよ!


「クソがぁー!ぶっつけ本番でもしっかり働けよ!『妄想具現化イマジネーションクラフト』!」

「なんだ!この光は!離れろギル!」


空から一冊の黒い本が落ちて来た。


・・・ってこれ、俺の黒歴史ノートじゃねーか!

やめろ、誰も見ないでくれ!

厨二病だったのは、誰にも知られたくない過去なんだ!

こんなの見られたら、心臓止まって別の意味で黒いノートになっちゃうだろうが!


「おい、お前!その魔素が溢れ出している魔導書はなんだ!そいつからは禁書級のオーラを感じるぞ!」


具現化する妄想ってまさか、厨ニ病だった頃の黒歴史の事か。

最悪だ、仮に強かったとして精神的なライフポイントが削れる仕組みだ。


「変な動き見せる前にやっちまうぞ!」


今度は二人で攻めて来やがった。

これは恥ずかしがってる時間はないようだ。

・・・覚悟を決めろ俺。

異世界で生きていく為に必要な工程だと割り切れ。


こんな恥ずかしい思いをする原因になったコイツらには、俺が丹精込めて作った処女作を喰らわせてやるよ。


これを声に出して決めるのはいつぶりか。

緊張するけど、やるか。


「愚かな汝へ贈る、破滅への招待状。万物の理を超越せし雷を浴び、身を清めん。"聖域神雷サンクチュアリ・トール"」


晴れ渡る空の中、悪しき二人の魔族だけを焼き払う雷雲が現れた。

そして、広範囲の地面を抉る程の威力で魔族を葬り去るのだった。


って、威力おかしいだろこれ!

やっぱり、チートスキルじゃねーか!

ご覧いただきありがとうございました。

よければ評価、ブックマーク、いいねお願いいたします。めっちゃモチベーションに繋がりますのでどうか、どうか!!!

あ、毎日21時投稿予定です。

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