第017話 教えてアイリス先生
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武器を持ち、何故かアイリスとまた戦っている。
しかし、これは勝負では無く指導。
神経を擦り減らなくて助かる。
出来る事ならアイリスとの真剣勝負は2度とごめんだ。
「考え事してるでしょ!」
「いてぇーーー!!!んだよ、本気で殴るのは無しだろ。」
「このアタシが教えてるのに考え事している方がおかしいのよ。」
「そもそも拳で戦うタイプなんだから、剣術なんて教えられるのかよ。」
「あら?試してみる?」
エルマードと同じ短剣を手にして挑発してくる。
お調子者ならここで手合わせを頼んでみるだろうが、俺はそこまで無知ではない。
あの言葉に乗って、刀を構えれば2秒後には地面にひれ伏すことになるだろう。
そんな無様な姿を晒してはリーダーとしての威厳が損なわれる。
まぁ、元々あるかどうかは微妙だけど。
「意外と利口なのね。それで、何を教えようかな。」
「数分しか経ってないけど、もう教え終わったのか?」
「バカね。ありすぎてどれを教えれば良いのか迷っているのよ。」
「普通に剣の使い方から教えてくれよ。」
「とりあえず自由に振ってみなさい。それでアタシが判断するから。」
A級の前で習得もしていない剣術を披露するのは恥ずかしいな。
一応、指導する為にはやらないと始まらないらしいので、仕方なく刀を振る。
アニメで見るような素振りをやっても良かったが、アイリスの言っているのは戦闘を想定したものだと思うのでいつも通り無我夢中になった。
「うーん、剣の振り方は荒々しいけど、魔物がいると想定したら悪くは無いと思うわ。」
「意外な高評価。しかし、褒められるのはシンプルに嬉しい。」
「それ気持ち悪いから心の中だけに留めて置けないの?てか、まだ続きがあるから。」
「そうですよねー。俺だって修正しないといけない部分は沢山あると自覚しているし。」
「まず、その武器の形や刃を見る限り、さっきみたいに荒々しく振る物じゃないと思うのよね。もっと繊細且つ綺麗な一撃を紡ぐ武器なんじゃ無いの?アタシはその武器知らないけど。」
確かに刀を使う人の剣捌きは惚れ惚れするぐらい綺麗だった。
力任せの俺とは違って技術で斬る。
そんなイメージだ。
あの頃に刀で畳を斬る動画を何本も見て来た俺が言うのだから間違いない。
指摘されて問題点に気付けたのは良い事だけど、刀の剣術を教えられそうな奴がいないな。
それからも剣術についての勉強と実践を繰り返した。
ちなみにこれだけ特訓しても『剣術』を取得することは無かったので、スキル取得は相当ハードルが高いらしい。
待てよ、エルマードみたいに通常スキルを全く覚えられないなんて可能性もあるのか。
そうだとしたらいよいよハードモードだ。
「最後に勝負しようじゃない。安心しなさい、固有スキルをアンタは使わない代わりに、アタシは片手で戦ってあげるから。」
ハンデになるかと言われたら微妙な所だ。
普通の人なら片手で戦うのは厳しいだろうけど、A級程の実力がある人間にとって造作の無いと事だと思う。
「行くぞ。」
「そんな律儀に宣言しなくて良いのよ。」
まずは、相手の封印している左手の方へ攻め込む。
俺にはスピードが無いけれど、刀のリーチを活かせば十分戦えるはずだ。
「60点。教えた事も様になってるし、相手の弱い所を狙うのを賢いわ。でも、アンタは真っ先に利き手を潰しに来るべきだった。」
ダメージを与える事ばかり考え過ぎて、利き手の方が完全にフリーだ。
短剣が俺を目掛けて襲い掛かる。
避けようにも刀を振った遠心力で急には動けない。
タブーと分かっていても武器を手放して、避ける事に集中する。
地面に落ちる鬼丸。それと同時に襲い掛かってくる短剣を間一髪躱す。
「1回避けただけで安心してるのがバレバレよ。それじゃあ、追撃に備えられてないっての。」
鬼丸を拾い直すよりも先に2度目も攻撃が飛んで来た。
避けるべきか鬼丸を拾って受けるべきが一瞬だけ迷う。
たった一瞬の迷いが致命傷だった。
頬を掠める短剣の刃。
斬られた所から血が出ているのが見なくても分かる。
「どうする?怪我したなら、一度やめても良いけど。」
「冗談だろ?まだ続ける。」
「ふーん、良い顔出来るじゃ無い。」
俺は強くならないといけない。
女神と約束した魔王討伐する為には。
今のままでは、きっと取り返しの付かない事が起こる。
それをこの痛みだけで防げるなら安いもんだ。
今度は黙って利き手を狙いに行く。
卑怯と思われるだろうが、本当の戦いならそうしている。
「良い目になって来たじゃない。」
「それはご丁寧にどうも。」
刀を防がれてしまったが、間髪入れずに蹴りを放つ。
勿論これは剣術を鍛える為の訓練だが、俺の心が異常に勝ちへ拘り出した。
だから、足でも手でも何でも使う。
「おっと。アンタ、急にギアが上がったわね。」
これは流石に想定していなかったらしく、まともに蹴りを受けるアイリス。
想定外だったのは、蹴ったはずの横腹があまりも硬かったこと。
鉄板仕込んでますと言われても信じてしまうぐらいだ。
やはり、勝ちを目指すなら鬼丸でダメージを与えるしかない。
荒々しさよりも綺麗な太刀筋を。
擦り切れる程見た剣術の映像を頭の引き出しから取り出す。
「いきなり、雰囲気が変わった。アタシが負けた時と同じ空気だ。」
イメージが脳に浸透している。
刀がしている呼吸を感じる。
厨ニ病みたいな事を言い出したと思うだろうけど、本当に感じるのだ。
伝わる、どう扱って欲しいのか。
これが極度の集中状態だと自分でも分かる。
出来ればこの感覚を掴みたい。
この練習中に1番とも言える一太刀を放つ。
「どんだけ強くなるつもりよ。」
「まだ、まだ行ける。」
「貪欲な奴ね。でも、調子に乗らないで!」
ぶつかり合う金属音。激しく散る火花。
これだけで拮抗した勝負なのが分かる。
一瞬だけでもA級と渡り合えているのが嬉しい。
運動は苦手な方だけど、戦闘では魂が震えるほど興奮している状態だ。
「そこまで。最後の方は良かったわ。」
「おぉー!だよな!完全に感覚を掴んで来たんだよ、あの時に!」
「すごい喜んでいる所悪いけど、あれって固有スキルじゃないの?」
俺の固有スキル?
頭に剣術の動画をイメージしていたけど、固有スキルを使おうとイメージした訳じゃない。
「アンタ、固有スキルは完全に使い熟せているの?」
「それは微妙だな。多分、大丈夫だと思うんだけど。」
「別に責めてる訳じゃ無いけど、もしも自覚がなく発動しているなら早く物にした方が良いわ。」
「え?なんだよ、そんな真剣な顔して。」
「固有スキルがどんな物かは知ってるでしょ?」
「多少は。」
「もしも、固有スキルが制御出来なくなるとアンタの人格乗っ取られるわよ。」
なんか、それ不味くないですか?
確かに最後の方で急激に剣術が上達したのは不思議だった。
アイリスが指摘した通り、固有スキルの可能性だってあり得る。
「まぁ、今は平気そう出し大丈夫だと思うけど。」
今更、大丈夫なんて言われても恐怖は拭えない。
この問題は早急に解決しなければならないと強く思った。
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