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心做しに

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

大事な一文の加筆を忘れてました。


墓場の夢は何時も一緒。空が血のように赤い夕焼け空。その光がそのまま降り注ぎ、墓石だけでなく、コンクリの地面までも真紅に染め上げている。ある意味、お化け屋敷に出てくる墓場の光景と似ているかも知れない。そこで一族の墓場を総出で囲んでいた。

墓の世話をする人は決まっていた。世話をしない人達は罵声を飛ばし、ヒステリックに叫ぶばかりだった。金にしか目のない親戚、認知症を患った祖母。耳を傾けても、言語の羅列を模していないので、聞かない振りをしていた。

母が懸命に仏花の茎を切り落として、花立に花を立てている。私はとりあえず、雑巾を片手に墓石を磨く。野晒しのせいか、凸凹には誇りや溜まっていた。擦り落とすと、雑巾に線が出来る。

そうこうして、墓参りが終わった。私達は何時ものように墓石に手を触れて、その場を後にした。


そうしてその翌日、突発的に母と墓参りに行くことになった。カレンダーを見てみても、月命日が近い。私は黙って了承し、静かに準備を整える。

最近はやりたい事の予定がある詰まっている。遠くへ遠征したり、友達と会ったり、三連休が続くのだから、当たり前だった。墓参りの後にも予定がある。この後に予定が続くのだから当たり前だった。

そうして墓参りに訪れた時のこと、一束の仏花が添えられていた。まだ新しい。花弁は萎れていなかったし、線香の残灰も元の形を残していた。先日辺りに誰かが着て、墓を掃除し、添えたものだと思う。

「珍しいね。親戚が来るとは到底思えないし、誰かが気を使ったのかな」

ふと、夢での墓参りを思い出す。夢の中でも母はこうして茎を切り落としていた。私はこれから墓石を磨こうとしている……。

夢と現が一瞬曖昧になったが、あえて素知らぬ顔をする。何時ものように墓を撫でながら、花立を洗いながら、謝罪の言葉を述べる。

――今日は予定があるから、簡素な墓参りで申し訳ない……。また次も来るか……。

そこまで申し上げて思わず心の中の口を噤む。来週は遠征で此処には来れないじゃん。と言うか何時もそうやって、せかせかと墓参りを済ませてるな……。先祖供養には心のゆとりが第一だと思うのだが……。

謝罪は自責の念に駆られた。不甲斐ない子孫で申しわけなくなった。すると不意に慰める様に柔らかい風が頬を撫でた。

――暫く忙しいのだろう? また来て掃除をする事は分かっているから、そう責めなさんな。

そう、言われているようだった。現実で涙は流れなかった。けれども心做し、静かに泣いた。自分の不甲斐なさを呪って。

神社仏閣、墓参り、これに通じる事なんですが、精神的ゆとりは持っといた方が良い。

醍醐味、本来の意味を自分で消し飛ばす行為なので。

でもそんな大切な事を忘れて、墓参りに来ている子。


とりあえず掃除して、それで終わりでいいやって思ってるから、同じ言葉

『簡素な墓参りで〜。ごめんなさい』

なんです。でも懐でっかい御先祖さんは、

『来てくれて、手を合わせてくれるだけで良いんだよ。夢でも花を添えてくれたのだから、今日は簡素で良いんだよ』

という言葉を掛けてます。


心の形を分からされた話です。


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