グリフィスはどこで間違えたのか? 〜ベルセルクを読み返して〜
※ベルセルク本編のネタバレありです
ベルセルクーーー。
それは日本の漫画史に燦然と聳えるダークファンタジー。
とても美麗な絵と質感のあるキャラクター。
そして計算され尽くした中世ヨーロッパモデルの世界観をベースとした陰惨かつ荘厳なストーリーーー。
美しいグリフィスに導かれるままに夢を追い続けるガッツやキャスカ、その他の鷹の団メンバー。
彼らは時に衝突し、困難を乗り越えながら夢を叶えるまであと一歩に迫る……
初めて「蝕」を読んだ時は悪夢にうなされたものです。
これから永遠に三浦建太郎先生による続巻が読めないというのが残念なのは私だけに止まらないはずです。
今日はそんなベルセルクを代表するキャラクター「グリフィス」がどこで間違えたのかについて語ってみたいと思います。
白い鷹グリフィス。
無敵の傭兵団の団長にして、主人公ガッツの親友であり永遠のライバル。
……そして魔王フェムト。
彼は国を持つという夢を果たすため戦場を駆け抜け敵軍を打ち倒し、宮中では権謀を巡らせその地位を不動のものとしていきます。
しかし、ある日突如彼の運命は反転します。
親友ガッツが鷹の団を抜け旅立つというのです。
仲間だけでなくグリフィスはそんなガッツを止めようとします。
この話は2人の一騎打ちでカタをつけることになりました。
対峙する2人。
「殺してでもオレのものにしてやる」というグリフィスの決意にドン引きした読者は私だけではないでしょう。
勝負は一瞬。
入団時とは立場が逆転し、ガッツがグリフィスの斬撃をいなすことでそのまま「じゃあな」と団を去っていくのです。
打ちひしがれたグリフィス。
この後、彼は姫を寝取るという人生最大の失態を犯し、王に嫉妬され塔に幽閉されることになりました。
嫉妬深い王は残された鷹の団も逆賊として追い続ける命令を出します。
1年後、鷹の団のピンチに現れ遂にグリフィスを救出したガッツ。
しかし、グリフィスは一年間の拷問により、両手足の腱を切られ、舌を抜かれ身体はボロボロにされていました。
……もはや彼と鷹の団の夢は潰えていたのです。
ここまでがベルセルク黄金時代編の終盤までのお話。
この漫画の根幹を為す重要な章です。
最近、読み返してみて思うのです。
この後、ガッツは憎むべき仇としてグリフィスを追い続ける訳ですが、グリフィスはどこで間違ったのでしょうか。
「……げる」の瞬間でしょうか。
もちろんここは彼が魔道に堕ちた瞬間であり、選択を誤らなければきっと穏やかに生きる道もあったでしょう。
姫を寝とった時でしょうか。
ありますね。
しかし、本当に彼は運が悪かった。
まさか王様があんな変態で嫉妬深いとは思わなかったでしょうね。
私は思うのです。
親友でありながら、ガッツとグリフィスはお互いの心底を理解していなかった。
互いに最大の理解者でありながら、お互いに弱さを見せなかったことが崩壊に繋がったのではないでしょうか。
つまり、個人的にはこのシーンだと思うのです。
「私にとって友とはそんな・・・“対等な者”だと思っています」
その夜、ガッツはグリフィスに政治的敵対者の暗殺を命じられ果たしますが、意図せず敵対者の幼い息子まで殺してしまい、打ちひしがれたまま帰ってきます。
……そこでガッツが見たもの。
ガッツに暗殺を命じておきながら、グリフィスは煌びやかな礼服を纏い姫を上記のセリフで口説きます。
その姿をガッツに見られた瞬間、運命は決まったのではないでしょうか。
もちろん、グリフィスにガッツを軽んじる意図はありません。
それどころか心の支えとすら思っています。
(ガッツが居なくなった瞬間にヘラるほどですからね)
作中でも意外に2人がしっかりと話をするシーンは少ないと感じました。
コミュニケーションって大事だなあ……
ベルセルクを読みかえしてつくづくそう感じました。
※これについては様々な意見があると思います
ベルセルクファンの皆さんのご意見をお待ちしております